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重なる2
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フェイリアもブルーベルのことを話した際に、シュエルダから亡き前王妃陛下のことは聞いていた。
シュエルダも王家としては、次代が必要で、正妃に子どもができず、側妃に子どもを産ませることは理解できる。
だが、シュエルダの母であるルビーラは、前国王陛下であるサージストと結婚したが、サージストはシュエルダが生まれ、弟であるエンジリークが生まれると、次の日に愛妾を迎え入れた。
ルビーラは優秀さを見込まれて、婚約者に選ばれ、思い合って結婚したわけではなかったが、それでも夫妻の繋がりはあると思っていた。だが、明らかに王子が二人産まれたのだからいいだろうと言わんばかりの行動であった。
産後という不安定な状態も重なり、ルビーラは酷く裏切られた気持ちになったのか、自分は不必要だと感じたのか、精神も心身にも酷くショックを受けた。
誰とも目を合わせなくなり、公務は行うが、心をなくしたような状態だった。
公務のことは淡々と答えられるが、自分のこと、夫のこと、子どものことになると答えなくなる。そのような状態であった。
シュエルダもまだ2歳であったために、記憶にあるルビーラは虚ろな状態であった。笑って欲しいと泣いたこともあったが、それすら興味を示さなかった。
そして、ある日、何の予兆もなく、ルビーラは急にバタンと倒れて、一ヶ月も経たない内に亡くなってしまった。
当時のシュエルダには、母親が急に悪くなって、あっという間にいなくなってしまったという感覚だったが、母にとってはようやくだったのかもしれないと、大人になってから思うようになった。
だが、それが正しいことだとも思っていない。
「お気遣いいただきありがとうございます。折を見て、兄に話してみたいと思っております」
「ああ、分かっていなくとも、子どもから母親を離すのは、年齢は関係ないと思ってもいるからな」
「はい」
いくら王子と王女が大きくなったとはいえ、母親はこの世に一人しかいない。
リュメリー王国に来るならば、子どもたちはブルーベルを見ることもできなくなることになる。それがフェイリアも引っ掛かっていたことであった。
それでも、すぐにでなくとも、一度、コレドールと手紙ではなく、直接、話しておきたいと考えていた。
「そばにいることだけでもとも思うからな、難しいな……」
「そうでございますね」
父であるサージストは当初は愛妾に夢中で、ルビーラの様子を聞いても、時期に良くなるだろうとしか思わなかった。
愛妾も入れ替わったりしながら、心を壊しているルビーラの相手をするのも面倒であったために、倒れてようやく重大さに気付いたが、既に意思の疎通などできるような状態ではなかった。
ルビーナに何が不満だったか、どうして欲しかったかも聞くこともできないまま、永遠の別れになった。
その時、シュエルダは11歳、エンジリークが9歳であった。エンジリークが、今回、怒こらせた大公である。
サージストはどれだけ見ていなかったのだと思ったが、シュエルダとエンジリークは気付いて後悔したことだけは、まだ母は報われたのではないかと思う。
「もしかしたら、何かのきっかけで良くなるのではないかとも考えてしまう」
「はい……私も会う度に、どんな表情で泣いたり笑ったりするのだろうかと思ってしまいます」
「ああ、私も何度も考えていた。一度でも笑ってくれたらと、ずっと思っていた」
ブルーベルのことを聞く度に、他人事とは思えなかった。
子どもはどんな母親でも思っていると、子どもの立場では思えるが、母がどう思って生きていたかは分からない。
しかも、他国のことであるために、安易に口を出すことはできないとも弁えてはいる。だが、今回のことでブルーベルを利用しようと考えたことに、怒りを感じた。
シュエルダも王家としては、次代が必要で、正妃に子どもができず、側妃に子どもを産ませることは理解できる。
だが、シュエルダの母であるルビーラは、前国王陛下であるサージストと結婚したが、サージストはシュエルダが生まれ、弟であるエンジリークが生まれると、次の日に愛妾を迎え入れた。
ルビーラは優秀さを見込まれて、婚約者に選ばれ、思い合って結婚したわけではなかったが、それでも夫妻の繋がりはあると思っていた。だが、明らかに王子が二人産まれたのだからいいだろうと言わんばかりの行動であった。
産後という不安定な状態も重なり、ルビーラは酷く裏切られた気持ちになったのか、自分は不必要だと感じたのか、精神も心身にも酷くショックを受けた。
誰とも目を合わせなくなり、公務は行うが、心をなくしたような状態だった。
公務のことは淡々と答えられるが、自分のこと、夫のこと、子どものことになると答えなくなる。そのような状態であった。
シュエルダもまだ2歳であったために、記憶にあるルビーラは虚ろな状態であった。笑って欲しいと泣いたこともあったが、それすら興味を示さなかった。
そして、ある日、何の予兆もなく、ルビーラは急にバタンと倒れて、一ヶ月も経たない内に亡くなってしまった。
当時のシュエルダには、母親が急に悪くなって、あっという間にいなくなってしまったという感覚だったが、母にとってはようやくだったのかもしれないと、大人になってから思うようになった。
だが、それが正しいことだとも思っていない。
「お気遣いいただきありがとうございます。折を見て、兄に話してみたいと思っております」
「ああ、分かっていなくとも、子どもから母親を離すのは、年齢は関係ないと思ってもいるからな」
「はい」
いくら王子と王女が大きくなったとはいえ、母親はこの世に一人しかいない。
リュメリー王国に来るならば、子どもたちはブルーベルを見ることもできなくなることになる。それがフェイリアも引っ掛かっていたことであった。
それでも、すぐにでなくとも、一度、コレドールと手紙ではなく、直接、話しておきたいと考えていた。
「そばにいることだけでもとも思うからな、難しいな……」
「そうでございますね」
父であるサージストは当初は愛妾に夢中で、ルビーラの様子を聞いても、時期に良くなるだろうとしか思わなかった。
愛妾も入れ替わったりしながら、心を壊しているルビーラの相手をするのも面倒であったために、倒れてようやく重大さに気付いたが、既に意思の疎通などできるような状態ではなかった。
ルビーナに何が不満だったか、どうして欲しかったかも聞くこともできないまま、永遠の別れになった。
その時、シュエルダは11歳、エンジリークが9歳であった。エンジリークが、今回、怒こらせた大公である。
サージストはどれだけ見ていなかったのだと思ったが、シュエルダとエンジリークは気付いて後悔したことだけは、まだ母は報われたのではないかと思う。
「もしかしたら、何かのきっかけで良くなるのではないかとも考えてしまう」
「はい……私も会う度に、どんな表情で泣いたり笑ったりするのだろうかと思ってしまいます」
「ああ、私も何度も考えていた。一度でも笑ってくれたらと、ずっと思っていた」
ブルーベルのことを聞く度に、他人事とは思えなかった。
子どもはどんな母親でも思っていると、子どもの立場では思えるが、母がどう思って生きていたかは分からない。
しかも、他国のことであるために、安易に口を出すことはできないとも弁えてはいる。だが、今回のことでブルーベルを利用しようと考えたことに、怒りを感じた。
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