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不正2
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「間違いないな?」
「はい、でもどうしてこんなものを今さら……」
「リファスの婚約者について考えるにあたってね、診断書の確認をしていないことが分かったのよ。それに関してはこちらのミスということね」
ウィンラー夫人が言い出したとは言えないために、リファスの婚約者についてという形にすることにした。
「えっ……確認ですか?」
「ええ、それでこの診断書に不正があったことが分かったの」
認めないだろうことは分かっているために、詳細を話す気はなかった。
「あなたは何か知っているかしら?」
「いえ、知りません。不正だなんて、ほ、本当なのでしょうか」
ララスはつぶらな瞳を大きくしたが、すぐさま否定をした。
「ええ、既に確認は取れているわ。確か、パシム前侯爵が提出したのよね」
診断書を提出したのはララスではなく、前侯爵であるオジェン・パシムであった。
「ああ、ララスが知らないのなら、パシム前侯爵のやったことなのだろうな」
「お父様が……不正を……」
「ああ、ララスが知らないのならそういうことだろう」
エディードとセラリアは頷き合い、ララスはコレドールを見たが、別の方向を見ており、目も合わなかった。
「ですが、今になって、不正があったとして、どうにかなるのでしょうか」
「王家を欺いたということになる」
ララスは喉の奥が狭くなり、鼓動が早くなっていた。
「裁かれるということですか」
「ああ、これは許されることではない。この診断書は王家、婚約者候補のためにも大事な検査を行った証明だからな、偽りがあってはならない」
「お父様が騙されたのかもしれないではありませんか」
「騙す?どういう意味だ?」
「これが私の診断書だと渡されただけで、それを提出しただけではありませんか」
「前侯爵が何のために騙されたのだ?」
問題のある診断書をすり替えたというのなら理解ができるが、何の問題もない診断書を騙されて何の得があるのかと意味が分からなかった。
「それは、ですから、このように私を貶めるために」
「なるほど、いずれ不正が分かって、ララスが咎められるように仕組んだと言いたいのか?」
「そうです、王家を欺いたことになるのですから」
「王太子妃に選ばれるとも分かっていなかったのにか?」
「選ばれると思っていたのではないでしょうか。だから私に嫉妬した人間とか、そのような方が陥れようとしたのではないでしょうか」
婚約者候補の時点での検査であるために、その時点ではララスが王太子妃になるとは決まっていない。それなのに、ララスが選ばれると見越して、診断書を不正したという爆弾を仕掛けたと言いたいらしい。
もしも、ララスが選ばれていなかったら、調べられることもなかっただろう。
「心当たりがあるのか?」
「それは、婚約者候補で、私が選ばれると思っていた方ではないでしょうか」
「婚約者候補の中に犯人がいると言うのか?」
「可能性はあると思います」
「どうやって?」
「本物の書類とすり替えたのではないでしょうか」
すり替えられたと言い出すことは想定できたが、ならばどこで誰に診断書を書いて貰ったのか、すり替えられた証明をパシム侯爵家はできるのだろうか。
「許されないことだな」
「はい、まさかこんなことになるなんて……」
「そうか、ララスは罪を理解してたのだな」
「当然でございます」
知識が豊富だと言われているララスは知らないのかと言われることが不愉快であるために、絶対に知らないとは言わない。
「それで、ララスは何も知らないということで間違ないな?」
「はい、お父様も何も知らないはずです」
「そうか、それで答えでいいのだな?」
もしもここでララスが事実を話すのならば、罪を受け入れるという意味だと、罰についても考慮しようと考えていた。
「はい、でもどうしてこんなものを今さら……」
「リファスの婚約者について考えるにあたってね、診断書の確認をしていないことが分かったのよ。それに関してはこちらのミスということね」
ウィンラー夫人が言い出したとは言えないために、リファスの婚約者についてという形にすることにした。
「えっ……確認ですか?」
「ええ、それでこの診断書に不正があったことが分かったの」
認めないだろうことは分かっているために、詳細を話す気はなかった。
「あなたは何か知っているかしら?」
「いえ、知りません。不正だなんて、ほ、本当なのでしょうか」
ララスはつぶらな瞳を大きくしたが、すぐさま否定をした。
「ええ、既に確認は取れているわ。確か、パシム前侯爵が提出したのよね」
診断書を提出したのはララスではなく、前侯爵であるオジェン・パシムであった。
「ああ、ララスが知らないのなら、パシム前侯爵のやったことなのだろうな」
「お父様が……不正を……」
「ああ、ララスが知らないのならそういうことだろう」
エディードとセラリアは頷き合い、ララスはコレドールを見たが、別の方向を見ており、目も合わなかった。
「ですが、今になって、不正があったとして、どうにかなるのでしょうか」
「王家を欺いたということになる」
ララスは喉の奥が狭くなり、鼓動が早くなっていた。
「裁かれるということですか」
「ああ、これは許されることではない。この診断書は王家、婚約者候補のためにも大事な検査を行った証明だからな、偽りがあってはならない」
「お父様が騙されたのかもしれないではありませんか」
「騙す?どういう意味だ?」
「これが私の診断書だと渡されただけで、それを提出しただけではありませんか」
「前侯爵が何のために騙されたのだ?」
問題のある診断書をすり替えたというのなら理解ができるが、何の問題もない診断書を騙されて何の得があるのかと意味が分からなかった。
「それは、ですから、このように私を貶めるために」
「なるほど、いずれ不正が分かって、ララスが咎められるように仕組んだと言いたいのか?」
「そうです、王家を欺いたことになるのですから」
「王太子妃に選ばれるとも分かっていなかったのにか?」
「選ばれると思っていたのではないでしょうか。だから私に嫉妬した人間とか、そのような方が陥れようとしたのではないでしょうか」
婚約者候補の時点での検査であるために、その時点ではララスが王太子妃になるとは決まっていない。それなのに、ララスが選ばれると見越して、診断書を不正したという爆弾を仕掛けたと言いたいらしい。
もしも、ララスが選ばれていなかったら、調べられることもなかっただろう。
「心当たりがあるのか?」
「それは、婚約者候補で、私が選ばれると思っていた方ではないでしょうか」
「婚約者候補の中に犯人がいると言うのか?」
「可能性はあると思います」
「どうやって?」
「本物の書類とすり替えたのではないでしょうか」
すり替えられたと言い出すことは想定できたが、ならばどこで誰に診断書を書いて貰ったのか、すり替えられた証明をパシム侯爵家はできるのだろうか。
「許されないことだな」
「はい、まさかこんなことになるなんて……」
「そうか、ララスは罪を理解してたのだな」
「当然でございます」
知識が豊富だと言われているララスは知らないのかと言われることが不愉快であるために、絶対に知らないとは言わない。
「それで、ララスは何も知らないということで間違ないな?」
「はい、お父様も何も知らないはずです」
「そうか、それで答えでいいのだな?」
もしもここでララスが事実を話すのならば、罪を受け入れるという意味だと、罰についても考慮しようと考えていた。
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