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誕生祭4
「エモンド公爵令嬢、直ちに退出しなさい。クリコット、エモンド公爵を呼んで、令嬢を引き取らせなさい」
「はっ!」
近くで見守っていたクリコットはすぐさま、エモンド公爵のところへ向かった。
『大臣、申し訳ありませんが、しばらくお待ちください(ノワンナ語)』
『ええ、構いません(ノワンナ語)』
「ちょっと、待って頂戴」
「これ以上、恥を晒すな。黙りなさい」
「っな」
クリコットに連れられたエモンド公爵がやって来たが、おやおやという雰囲気で、なぜ慌てていないのか、気が知れない。
「いかがしましたか」
「エモンド公爵令嬢は大臣に虚偽の発言をした、連れて帰ってくれ」
「えっ、何か粗相をしましたか?」
「エモンド公爵令嬢は、語学を教えていると言ったのだよ、虚偽だろう?」
「トワイ語なら教えられるわ!」
「ノワンナ語も話せないのに、どうやって教えるんだ?」
「…それは、でも発音なら」
「何だそれは?君は馬鹿にしているのか」
「では、リアスト様、私とダンスを踊りませんか?ダンスは得意ですの」
シューリンダー大臣はおそらく伝わっているが返事をすることはなく、殿下も通訳することはない。会場は静まり返り、エモンド公爵はようやく慌て始めた。
「殿下、大臣、大変申し訳ございません。ミアローズ、周りを見なさい。すぐ、連れて帰ります」
ミアローズも周りの驚愕、軽蔑のまなざしにようやく気付き、エモンド公爵に引っ張られて、会場を出て行った。美形の通訳二人も逃げるように追いかけて行き、おそらくアペラ語の通訳の彼は出番さえなかった。
『大臣、大変お見苦しいところをお見せしました。申し訳ない(ノワンナ語)』
『いえ、大変でございますね(ノワンナ語)』
予想通りの最悪な展開でミアローズは去り、会場もホッとしたように思う。母国の貴族は、エモンド公爵になかなか意見することは出来ない。
『教職者ではなかったのですね(ノワンナ語)』
『ええ、申し訳ない(ノワンナ語)』
『それで質問の続きなのですが、殿下はどのように語学を憶えられたのでしょうか?コツなどあれば、ご教授いただけると嬉しいです(ノワンナ語)』
『勿論です。ですが、私はおそらく一般的かと思います。読んで書いて覚え、発音は別に習うという方法で覚えました(ノワンナ語)』
『私も同様です。やはり頑張るしかないのでしょうね。次にお会いする時は必ずトワイ語でお話します(ノワンナ語)』
『楽しみにしております(ノワンナ語)』
話題を変え、気遣いの出来る大臣だ。さすが外交担当というべきだろう。
それからは他国の者や母国の貴族とも楽しく話し、まるでミアローズは始めからいなかったようであった。
そして、御礼を述べて誕生祭が終わると、殿下に一気に疲れが押し寄せた。
今日ほど、サリーの有難さを感じたことはなかっただろう。一人で大変だったこともあったが、サリーではなく、ミアローズが横にいることがこんなに落ち着かないことだとは想像していなかった。これならグリズナー・トラスの方が、大人しくしていただろうから、まだ良かったかもしれないとすら思ったほどである。
「お疲れ様でした」
「ああ、本当に疲れた。予想通りで、驚きもしない」
「早い段階で消えてくれて良かったかもしれませんね」
二組目で退場したので、代理は十五分~二十分程度だっただろう。
「そうだな、あれはノワンナ語は大丈夫などと、なぜ言ったんだろうな?」
「美形がいなかったのでしょうか」
「クリコットもそう思ったか!顔で選んだのだろうが、公爵もせめて三ヶ国語、なぜ付けなかったんだ?」
「まだ気づいていないのでしょうか?」
「それはないだろう?まさか、ないよな?」
「いや、どうでしょう、指摘できる人は限られますよ」
「ミアローズは憶える力がないとは言えぬか…でも普通気付くだろう、試験だって、会話ですら分かる」
ミアローズは見た目こそ美しかったが、記憶力が悪いため、学習ができない。まさにサリーとは真逆の存在である。試験の結果もいつも悪く、言ったことも憶えていない。憶えている相手にしてみれば、極めて不愉快な存在である。
今日の出席者もミアローズ自身が憶えていないことは想定内で、通訳に憶えさせたのかとも思ったが、それもしていなかったようだ。
「ちゃっかりシューリンダー大臣の名前だけは憶えていたがな」
「他のことを憶えて欲しいものですね」
「欲に直結しないと憶えられないのだろうな」
「はっ!」
近くで見守っていたクリコットはすぐさま、エモンド公爵のところへ向かった。
『大臣、申し訳ありませんが、しばらくお待ちください(ノワンナ語)』
『ええ、構いません(ノワンナ語)』
「ちょっと、待って頂戴」
「これ以上、恥を晒すな。黙りなさい」
「っな」
クリコットに連れられたエモンド公爵がやって来たが、おやおやという雰囲気で、なぜ慌てていないのか、気が知れない。
「いかがしましたか」
「エモンド公爵令嬢は大臣に虚偽の発言をした、連れて帰ってくれ」
「えっ、何か粗相をしましたか?」
「エモンド公爵令嬢は、語学を教えていると言ったのだよ、虚偽だろう?」
「トワイ語なら教えられるわ!」
「ノワンナ語も話せないのに、どうやって教えるんだ?」
「…それは、でも発音なら」
「何だそれは?君は馬鹿にしているのか」
「では、リアスト様、私とダンスを踊りませんか?ダンスは得意ですの」
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「殿下、大臣、大変申し訳ございません。ミアローズ、周りを見なさい。すぐ、連れて帰ります」
ミアローズも周りの驚愕、軽蔑のまなざしにようやく気付き、エモンド公爵に引っ張られて、会場を出て行った。美形の通訳二人も逃げるように追いかけて行き、おそらくアペラ語の通訳の彼は出番さえなかった。
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『いえ、大変でございますね(ノワンナ語)』
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『教職者ではなかったのですね(ノワンナ語)』
『ええ、申し訳ない(ノワンナ語)』
『それで質問の続きなのですが、殿下はどのように語学を憶えられたのでしょうか?コツなどあれば、ご教授いただけると嬉しいです(ノワンナ語)』
『勿論です。ですが、私はおそらく一般的かと思います。読んで書いて覚え、発音は別に習うという方法で覚えました(ノワンナ語)』
『私も同様です。やはり頑張るしかないのでしょうね。次にお会いする時は必ずトワイ語でお話します(ノワンナ語)』
『楽しみにしております(ノワンナ語)』
話題を変え、気遣いの出来る大臣だ。さすが外交担当というべきだろう。
それからは他国の者や母国の貴族とも楽しく話し、まるでミアローズは始めからいなかったようであった。
そして、御礼を述べて誕生祭が終わると、殿下に一気に疲れが押し寄せた。
今日ほど、サリーの有難さを感じたことはなかっただろう。一人で大変だったこともあったが、サリーではなく、ミアローズが横にいることがこんなに落ち着かないことだとは想像していなかった。これならグリズナー・トラスの方が、大人しくしていただろうから、まだ良かったかもしれないとすら思ったほどである。
「お疲れ様でした」
「ああ、本当に疲れた。予想通りで、驚きもしない」
「早い段階で消えてくれて良かったかもしれませんね」
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「そうだな、あれはノワンナ語は大丈夫などと、なぜ言ったんだろうな?」
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「クリコットもそう思ったか!顔で選んだのだろうが、公爵もせめて三ヶ国語、なぜ付けなかったんだ?」
「まだ気づいていないのでしょうか?」
「それはないだろう?まさか、ないよな?」
「いや、どうでしょう、指摘できる人は限られますよ」
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