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「私の両親がルアンナを褒めたせいでしょうね、あれだけ止めたのに。本当にしょうもないわ。私がどれほど妃殿下を褒めたかったか知らない癖に」
ティファナは伯爵家の令嬢であった、両親は優秀なティファナに王太子妃になれるのではないかと期待していた。親戚も同じであった。
「本当だったの…」
「当たり前でしょう!あんな天才を私は見たことがありませんよ。あなたが一習っている内に、妃殿下は十は進みます。これが教える側にとって喜ばしいことはありません。私が自分で育て立派にするより、どんどん吸収していく妃殿下に、学ばせたくなる性だったのでしょうね…そこは私の責任です。そして、妃殿下があなたのように褒めて付け上がるような方ではないと知っておりました、ですが王妃様から無暗に褒めることはしないように言われていたからです」
ルアンナにはサリーと比べるようなことはせず、自身が教えることもあったが、母親よりは別の者が教える方がいいのではないかと、家庭教師も雇った。それが見限った、褒められたいと強く思うようにもなったのかもしれない。それでも妃殿下は既に婚約者であったのだ、候補者であったなら分かるが、そうではない。
「そんな…」
「我が両親も幼い頃はルアンナを褒めていたからね、妃殿下を見た後ではおずおずと黙るようになったがな」
「義両親は理解したのですから、それよりも私の両親の責任です。私が王妃になれると思っていた愚か者ですから」
ローサムはティファナが咄嗟に外国語が出ないことを知っており、実の両親にも欠点を話していたが、理解して貰えてず、今度は孫に期待するようになってしまい、過剰に褒めるようになっていた。止めさせて、実家に行くのも控えていたが、ルアンナには記憶として残ってしまったのだろう。
王太子妃教育も本来は任される器ではないことも分かっていた。だが尊敬する王妃様から頼まれたとなれば、断る選択肢はなかっただけであった。
「私もノーリスに話したいのですが、殿下に伺ってから方がいいでしょうか」
ノーリスとはルトアスの婚約者で、伯爵家の令嬢である。
「ああ、そうだな。こんな娘がいる家は嫌だと言われたら、引くしかないな」
「ええ、みすみす不幸にするわけには参りません」
「…えっ、そんな」
「私も明日、お会いできれば、王妃様に辞意を伝えて参ります」
「ああ、それがいいな」
ルアンナには発言権も決定権もなく、どんどん話は進んでいく。
殿下とサリーが結婚するまでは微かな希望を持っていたが、結婚してからは二人に近づいたりしていない。きちんとクリジアン家の妻として努め、娘も産んだ。これから先、ルイソードと歩んでいく決意をちゃんとしていた。
それなのに今さら、『私が決めたことではない』『意義があるなら王家に伝えたらいい』ということ以外、サリーは何も言い返すことはなかった。叩かれても、突き飛ばしても、やり返しても来なかった。
ペルガメント侯爵家はサリーに興味がなく、不遇な扱いをされていると聞いていたので、親に言うことは無いだろうと思っていた。案の定、苦情はなかった。まさか診断書を貰っているとは思わなかった。
不貞のことは明かしては、もし正妃になれても、ルイソードと結婚することになっても、どちらにせよ不利になることは分かっていた。サリーは見たと言っていたが、それなのに何も行動には移さなかった。何も思わなかったのだろうか、それとも悲しくて、悔しくて涙したのだろうか。
それから、ずっと執念深く、復讐のチャンスを待っていたのか。あの時、罰されていた場合とどちらが良かったのだろうか。
「私は妃殿下に会う際には話し掛けていたが、どんなお気持ちだったのだろうか…辛い気持ちを思い出させていたのだろうか」
「それを言うなら、私よ。本来なら、守る側の人間が、責める方の親だなんて、申し訳なくて。顔も見たくなかったでしょうに」
「私もいつかお話が出来たらと思っておりましたが、叶わなくなりました。もう近づくことも許されません」
父親も母親も、弟も正常である。おかしかったのは、自分のことばかりで、人の気持ちを考えられない、愚かなルアンナだけであった。
ティファナは伯爵家の令嬢であった、両親は優秀なティファナに王太子妃になれるのではないかと期待していた。親戚も同じであった。
「本当だったの…」
「当たり前でしょう!あんな天才を私は見たことがありませんよ。あなたが一習っている内に、妃殿下は十は進みます。これが教える側にとって喜ばしいことはありません。私が自分で育て立派にするより、どんどん吸収していく妃殿下に、学ばせたくなる性だったのでしょうね…そこは私の責任です。そして、妃殿下があなたのように褒めて付け上がるような方ではないと知っておりました、ですが王妃様から無暗に褒めることはしないように言われていたからです」
ルアンナにはサリーと比べるようなことはせず、自身が教えることもあったが、母親よりは別の者が教える方がいいのではないかと、家庭教師も雇った。それが見限った、褒められたいと強く思うようにもなったのかもしれない。それでも妃殿下は既に婚約者であったのだ、候補者であったなら分かるが、そうではない。
「そんな…」
「我が両親も幼い頃はルアンナを褒めていたからね、妃殿下を見た後ではおずおずと黙るようになったがな」
「義両親は理解したのですから、それよりも私の両親の責任です。私が王妃になれると思っていた愚か者ですから」
ローサムはティファナが咄嗟に外国語が出ないことを知っており、実の両親にも欠点を話していたが、理解して貰えてず、今度は孫に期待するようになってしまい、過剰に褒めるようになっていた。止めさせて、実家に行くのも控えていたが、ルアンナには記憶として残ってしまったのだろう。
王太子妃教育も本来は任される器ではないことも分かっていた。だが尊敬する王妃様から頼まれたとなれば、断る選択肢はなかっただけであった。
「私もノーリスに話したいのですが、殿下に伺ってから方がいいでしょうか」
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「ああ、そうだな。こんな娘がいる家は嫌だと言われたら、引くしかないな」
「ええ、みすみす不幸にするわけには参りません」
「…えっ、そんな」
「私も明日、お会いできれば、王妃様に辞意を伝えて参ります」
「ああ、それがいいな」
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殿下とサリーが結婚するまでは微かな希望を持っていたが、結婚してからは二人に近づいたりしていない。きちんとクリジアン家の妻として努め、娘も産んだ。これから先、ルイソードと歩んでいく決意をちゃんとしていた。
それなのに今さら、『私が決めたことではない』『意義があるなら王家に伝えたらいい』ということ以外、サリーは何も言い返すことはなかった。叩かれても、突き飛ばしても、やり返しても来なかった。
ペルガメント侯爵家はサリーに興味がなく、不遇な扱いをされていると聞いていたので、親に言うことは無いだろうと思っていた。案の定、苦情はなかった。まさか診断書を貰っているとは思わなかった。
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