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サリーが使ったプラ語は新たに取得した言語である。
プラ語を母国語とするプラト王国から貿易の話が出て、王太子夫妻と、外交担当の大臣が対応することになった。これまでも何度か、話は出ていたが、なかなか具体的な話にまで辿り着くことはなかった国である。
繊維、穀物、お茶やスパイスが有名で、こちらも油や豆、魚介類を輸出が出来るようになれば、互いに良き相手となる。
やって来たのは外交担当の大臣と、通訳の女性である。
『初めまして、ようこそおいでくださいました(プラ語)』
リール殿下は挨拶だけは必死で覚えて挑み、通訳の女性を介して、互いに自己紹介を行って、席に着いた。
『発音は習っておりませんので、聞きヅライかもしれませんが、殿下と大臣へは私が通訳をさせていただきます。よろしくお願いいたします(プラ語)』
大臣と通訳は目を見開いている。
殿下はこちらも通訳を雇わなくてはと思っていたが、試しにサリーに聞いてみると、発音は習ったことがないが、教本と辞書は持っており、日常会話なら聞いたことがあり、覚えていると言い、改めて酷く驚いた。反応を見る限り、相手の大臣も通訳も相当驚いており、誇らしい気持ちであった。
『え?凄い、どうして。失礼しました、ほとんど完璧でございます。発音を習っていないとしても、なぜ…(プラ語)』
『前に話す方に何人かお会いしたことがございまして、その後に教本を読みました。お越しいただけるということで復習しました(プラ語)』
『文字も読めるのでしょうか?(プラ語)』
『難しいものは、辞書を引かせてもらうかもしれませんが、一般的な文なら読めると思います(プラ語)』
『恐れ入りました、まさか既にお出来になられるとは(プラ語)』
輸出入の話をしながら、殿下の言葉を通訳が外交担当に訳し、サリーが外交担当の言葉を殿下と大臣に訳しながら、量や価格などは大臣に意見を聞きながら、数字に強い殿下が進め、順調に進んだ。
『最後に失礼を承知でお話しさせてください。『コルボリット』の翻訳版を我が国にもと思っておりまして、ルアース・ベルア氏には妃殿下に任せると文を預かっております(プラ語)』
封筒を渡されて、開くとそこには間違いなくルアース・ベルア氏の字で、サリーに任せる、面倒だったら断ってもいいと書かれていた。
『まあ、そうでしたの。私に出来るかしら?(プラ語)』
「概ね完璧だと思います。発音は心配であれば、この通訳を残しますので、習うというのはいかがでしょうか。滞在場所も費用もこちらで持ちますので、勿論、お時間もそちらに合わせます(プラ語)』
『まあ、それは嬉しいわ(プラ語)』「殿下、プラ語を通訳の方が教えてくれると言うのだけど、受けてもいいかしら?」
殿下が久しぶりに見たサリーの心からの笑顔であった。
「サリーがそうしたいならいいんじゃないか、習いたかったのか?」
「ええ、でも先生がいなくて、諦めていたの。ルアース様に話したことがあったの、だから受けてくれたんだと思うわ」
「受けたらいいよ」
『では、よろしくお願いします(プラ語)』
『ありがとうございます。この者は父が王弟、公爵家の出で、現侯爵家の者でして、教師や翻訳、通訳をしておりました。身元は我が国で保証します(プラ語)』
通訳の女性はハリン・パシスといい、サリーよりひと回りくらい年上で、清潔感のある美しい人であった。彼女も『コルボリット』のファンで、トワイ語とノワンナ語が出来るため、サリーの訳したトワイ語の翻訳版を読んでいたそうだ。
『改めまして、よろしくお願いいたします。妃殿下は、おそらく、今もどんどん憶えてらっしゃいますよね?(プラ語)』
『はい、お二人の言葉を聞きながら、習っておりました(プラ語)』
『素晴らしいです。あまり直すことはないと思いますので、そこまで時間は必要ないかと思います(プラ語)』
記憶力がいいということは噂で聞いていたが、これほどまでとは思わなかった。発音も聞きながら、直せるほどの順応性もある。
『でも折角だから、しっかり教えていただきたいです(プラ語)』
『はい、お任せください。妃殿下に御教え出来るなんて、夢のようです(プラ語)』
真剣な顔つきで通訳を務めていたハリンは、ようやく表情を緩め、嬉しそうに笑みを浮かべている。
『彼女は立候補したのです、自分に是非行かせて欲しいと(プラ語)』
『そうでしたの、光栄です(プラ語)』
『もちろん、ルアース・ベルア氏のファンですが、妃殿下のファンでもあります。お会い出来ただけでも、嬉しゅうございます(プラ語)』
『こらこら、落ち着きなさい(プラ語)』
貿易よりも実は我が国にも『コルボリット』を!という要望が多いことが理由で、ルアース・ベルア氏を経て、サリーにお伺いにやって来たというのが、本来の目的であるようであった。
大臣が陛下に報告をすると、こんなにあっさり決まったのかと言いながら、サリーの偉大さに溜息を漏らしたという。
サリーはハリン先生にプラ語の他に、教師だった知識を活かし、プラト王国の歴史についても学び、非常に感激した。ハリンもこれほどまでに優秀な生徒に教えたことがなく、腕が鳴った。そして、我が国にも是非いらしてくださいと、再会を約束して、授業は一ヶ月で終了した。現在も手紙のやり取りをしている。
そんなこともあり、国外は勿論、国内でもペルガメント侯爵家から見放されたとしても、サリーは既に五大公爵家の義姉のノーラ公爵家、ルイソードのクリジアン公爵家という後ろ盾を得ている。
エモンド公爵家もミアローズのせいで評判が悪くなり、嫡男が継いで代替わりし、クリンピア公爵家はレベッカ側妃見習いの母親の生家で、マリーヌ王女の後ろ盾になっており、あと一つはアン王妃の生家であるスワン公爵家である。
そして、アズラー侯爵家も表向きは変わらない。嫡男であったルトアスは婚約者・ノーリス、伯爵家に事情を説明した上で、無事結婚した。
サリーはもはや習慣となってしまった、知識欲だけは衰えることなく、快適な日々を送っていた。
「妃殿下、エマ・ネイリーがまたやって来ております。いかがしますか」
「え?」
「何しに来たのか聞いてみませんか、面白そうじゃないですか」
「そうね、お通しして頂戴。あと、どうせ殿下絡みだろうから、殿下にもお知らせしてくれるかしら」
「は!」
そこへまたやって来たのがあの男装もどき、エマ・ネイリーであった。
プラ語を母国語とするプラト王国から貿易の話が出て、王太子夫妻と、外交担当の大臣が対応することになった。これまでも何度か、話は出ていたが、なかなか具体的な話にまで辿り着くことはなかった国である。
繊維、穀物、お茶やスパイスが有名で、こちらも油や豆、魚介類を輸出が出来るようになれば、互いに良き相手となる。
やって来たのは外交担当の大臣と、通訳の女性である。
『初めまして、ようこそおいでくださいました(プラ語)』
リール殿下は挨拶だけは必死で覚えて挑み、通訳の女性を介して、互いに自己紹介を行って、席に着いた。
『発音は習っておりませんので、聞きヅライかもしれませんが、殿下と大臣へは私が通訳をさせていただきます。よろしくお願いいたします(プラ語)』
大臣と通訳は目を見開いている。
殿下はこちらも通訳を雇わなくてはと思っていたが、試しにサリーに聞いてみると、発音は習ったことがないが、教本と辞書は持っており、日常会話なら聞いたことがあり、覚えていると言い、改めて酷く驚いた。反応を見る限り、相手の大臣も通訳も相当驚いており、誇らしい気持ちであった。
『え?凄い、どうして。失礼しました、ほとんど完璧でございます。発音を習っていないとしても、なぜ…(プラ語)』
『前に話す方に何人かお会いしたことがございまして、その後に教本を読みました。お越しいただけるということで復習しました(プラ語)』
『文字も読めるのでしょうか?(プラ語)』
『難しいものは、辞書を引かせてもらうかもしれませんが、一般的な文なら読めると思います(プラ語)』
『恐れ入りました、まさか既にお出来になられるとは(プラ語)』
輸出入の話をしながら、殿下の言葉を通訳が外交担当に訳し、サリーが外交担当の言葉を殿下と大臣に訳しながら、量や価格などは大臣に意見を聞きながら、数字に強い殿下が進め、順調に進んだ。
『最後に失礼を承知でお話しさせてください。『コルボリット』の翻訳版を我が国にもと思っておりまして、ルアース・ベルア氏には妃殿下に任せると文を預かっております(プラ語)』
封筒を渡されて、開くとそこには間違いなくルアース・ベルア氏の字で、サリーに任せる、面倒だったら断ってもいいと書かれていた。
『まあ、そうでしたの。私に出来るかしら?(プラ語)』
「概ね完璧だと思います。発音は心配であれば、この通訳を残しますので、習うというのはいかがでしょうか。滞在場所も費用もこちらで持ちますので、勿論、お時間もそちらに合わせます(プラ語)』
『まあ、それは嬉しいわ(プラ語)』「殿下、プラ語を通訳の方が教えてくれると言うのだけど、受けてもいいかしら?」
殿下が久しぶりに見たサリーの心からの笑顔であった。
「サリーがそうしたいならいいんじゃないか、習いたかったのか?」
「ええ、でも先生がいなくて、諦めていたの。ルアース様に話したことがあったの、だから受けてくれたんだと思うわ」
「受けたらいいよ」
『では、よろしくお願いします(プラ語)』
『ありがとうございます。この者は父が王弟、公爵家の出で、現侯爵家の者でして、教師や翻訳、通訳をしておりました。身元は我が国で保証します(プラ語)』
通訳の女性はハリン・パシスといい、サリーよりひと回りくらい年上で、清潔感のある美しい人であった。彼女も『コルボリット』のファンで、トワイ語とノワンナ語が出来るため、サリーの訳したトワイ語の翻訳版を読んでいたそうだ。
『改めまして、よろしくお願いいたします。妃殿下は、おそらく、今もどんどん憶えてらっしゃいますよね?(プラ語)』
『はい、お二人の言葉を聞きながら、習っておりました(プラ語)』
『素晴らしいです。あまり直すことはないと思いますので、そこまで時間は必要ないかと思います(プラ語)』
記憶力がいいということは噂で聞いていたが、これほどまでとは思わなかった。発音も聞きながら、直せるほどの順応性もある。
『でも折角だから、しっかり教えていただきたいです(プラ語)』
『はい、お任せください。妃殿下に御教え出来るなんて、夢のようです(プラ語)』
真剣な顔つきで通訳を務めていたハリンは、ようやく表情を緩め、嬉しそうに笑みを浮かべている。
『彼女は立候補したのです、自分に是非行かせて欲しいと(プラ語)』
『そうでしたの、光栄です(プラ語)』
『もちろん、ルアース・ベルア氏のファンですが、妃殿下のファンでもあります。お会い出来ただけでも、嬉しゅうございます(プラ語)』
『こらこら、落ち着きなさい(プラ語)』
貿易よりも実は我が国にも『コルボリット』を!という要望が多いことが理由で、ルアース・ベルア氏を経て、サリーにお伺いにやって来たというのが、本来の目的であるようであった。
大臣が陛下に報告をすると、こんなにあっさり決まったのかと言いながら、サリーの偉大さに溜息を漏らしたという。
サリーはハリン先生にプラ語の他に、教師だった知識を活かし、プラト王国の歴史についても学び、非常に感激した。ハリンもこれほどまでに優秀な生徒に教えたことがなく、腕が鳴った。そして、我が国にも是非いらしてくださいと、再会を約束して、授業は一ヶ月で終了した。現在も手紙のやり取りをしている。
そんなこともあり、国外は勿論、国内でもペルガメント侯爵家から見放されたとしても、サリーは既に五大公爵家の義姉のノーラ公爵家、ルイソードのクリジアン公爵家という後ろ盾を得ている。
エモンド公爵家もミアローズのせいで評判が悪くなり、嫡男が継いで代替わりし、クリンピア公爵家はレベッカ側妃見習いの母親の生家で、マリーヌ王女の後ろ盾になっており、あと一つはアン王妃の生家であるスワン公爵家である。
そして、アズラー侯爵家も表向きは変わらない。嫡男であったルトアスは婚約者・ノーリス、伯爵家に事情を説明した上で、無事結婚した。
サリーはもはや習慣となってしまった、知識欲だけは衰えることなく、快適な日々を送っていた。
「妃殿下、エマ・ネイリーがまたやって来ております。いかがしますか」
「え?」
「何しに来たのか聞いてみませんか、面白そうじゃないですか」
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