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番外編1
マリーズ・ヒルダ2
殿下は好きだ、愛しているとは言ってくれないが、時折、可愛いと言ってくれて、私を触る手つきはとても優しい。
「私たちは離れてしまう関係でしょう?だからそれまでは、もっと時間を作って、恋人のように過ごしたいの」
「恋人?」
「そう、想い合う2人は恋人でしょう?」
「それは出来ないよ」
「えっ、どうして?」
分かったよといつものように微笑んでくれると思っていた。
「恋人ではないからだよ、もう会うのは止めよう」
「えっ、どうして。違う、少し、国を離れるから寂しくなってしまっただけなの。ごめんなさい」
「そうだったのか」
取り繕って言いわけをしたが、殿下は信用していないようで、会う頻度は格段に減り、関係を持つこともなくなっていった。
王太子妃には沢山の語学力が必要なことは知っていたので、私が最高の教育を受けられる生まれだったらと何度も考えた、今からでも正式な婚約者として、変わることが出来たはずだと生まれを恨むようになった。
「殿下には愛を持って出会った私が、相応しいと思うの。そうでしょう?今ね、養女にしてくれる高位貴族を探してくれているのよ」
「養女ですか」
「ええ、公爵家だったら、あなたよりも上になってしまうわね」
公爵家の人に近づいたこともなければ、養女になっても婚約者にはなれないのに、殿下にも会えず焦るあまり、サリーに言ってしまっていた。
さらに卒業が迫り、周りは結婚や、仕事に就くことが決まっている人たちに、縁談も仕事の当てもない私はさらに焦りを感じるようになっていた。
「一緒になるには死を選ぶしかないのかしら」
気付くと、サリーにそんなことを口走っていた。すると初めて顔色を変えて、余裕がなくなったのだと感じ、心の中でほくそ笑んだ。
「国王陛下に相談してみたらいかがでしょうか」
「っえ、どうして陛下に」
会えるわけないじゃないないか、遠くから見たことしかない。
「婚約の異議を唱えるならば、陛下ではありませんか。殿下とお親しいようですから、殿下に頼んで、お時間を作って貰ってはいかがですか」
「えっ、でもそんなことをすれば、あなたはいいの?」
「何がでしょうか?」
「なんで、そんなに冷静なのよ!私が選ばれたら、あなた捨てられるのよ?」
「当たり前ではありませんか、個人の想いよりも、国の話なのですから」
「…」
急に身体が冷えたように感じた、幼稚な好きだ嫌いだの話よりも、国の話と言われたら、目の前が真っ暗になったように思えた。
卒業すると、殿下に会う機会もなくなり、それでも帝国に行く前に会いたいと王宮にも押し掛けてみたが、会うことも出来なかった。対応したのは殿下の側近だと聞いていたクリコット・バーンズ。
「最後に会いたいのです」
「お引き取りください、それとも拘束されたいですか」
「お願いよ、会わせてくれるだけでいいの」
会うことができれば、殿下はいつものように優しく、寄り添って来るはずだ。それだけでも感じたい。
「拘束を希望ですね」
「ちが、ちがうわ!」
「ならば、今とても大事な会議をしている殿下を呼び出し、責任を取れる、もしくは呼び出す価値のある人間なのですね?」
「っえ、あ、分かりました、帰ります」
そんな会議なら言ってくれればいいじゃないと文句を言いながら帰るしかなかった。結局、帝国に行こうともせず、友人と一緒に行った店で、留学する予定がお金が足りなくなって行けないのだと言うと、援助してくれる人が現れた。
別の人にも言っていたら、お金は増えて、そのお金で装飾品を買ったり、遊んだり、また足りないと貰えばいい、でもそろそろ、きちんと留学もしようと思っていた矢先、詐欺で逮捕されることになってしまった。
「王太子殿下にも愛された価値のある女なのよ!」
思わずそう叫んだが、鼻で笑われただけであった。素朴で、派手な女性ではなかったので、まさか詐欺だとは思わなかったと、被害者は口々に言ったそうだ。
詐欺なんてするつもりはなかったと話したが、やったことは詐欺だと言われれば、そうだった。
「私たちは離れてしまう関係でしょう?だからそれまでは、もっと時間を作って、恋人のように過ごしたいの」
「恋人?」
「そう、想い合う2人は恋人でしょう?」
「それは出来ないよ」
「えっ、どうして?」
分かったよといつものように微笑んでくれると思っていた。
「恋人ではないからだよ、もう会うのは止めよう」
「えっ、どうして。違う、少し、国を離れるから寂しくなってしまっただけなの。ごめんなさい」
「そうだったのか」
取り繕って言いわけをしたが、殿下は信用していないようで、会う頻度は格段に減り、関係を持つこともなくなっていった。
王太子妃には沢山の語学力が必要なことは知っていたので、私が最高の教育を受けられる生まれだったらと何度も考えた、今からでも正式な婚約者として、変わることが出来たはずだと生まれを恨むようになった。
「殿下には愛を持って出会った私が、相応しいと思うの。そうでしょう?今ね、養女にしてくれる高位貴族を探してくれているのよ」
「養女ですか」
「ええ、公爵家だったら、あなたよりも上になってしまうわね」
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さらに卒業が迫り、周りは結婚や、仕事に就くことが決まっている人たちに、縁談も仕事の当てもない私はさらに焦りを感じるようになっていた。
「一緒になるには死を選ぶしかないのかしら」
気付くと、サリーにそんなことを口走っていた。すると初めて顔色を変えて、余裕がなくなったのだと感じ、心の中でほくそ笑んだ。
「国王陛下に相談してみたらいかがでしょうか」
「っえ、どうして陛下に」
会えるわけないじゃないないか、遠くから見たことしかない。
「婚約の異議を唱えるならば、陛下ではありませんか。殿下とお親しいようですから、殿下に頼んで、お時間を作って貰ってはいかがですか」
「えっ、でもそんなことをすれば、あなたはいいの?」
「何がでしょうか?」
「なんで、そんなに冷静なのよ!私が選ばれたら、あなた捨てられるのよ?」
「当たり前ではありませんか、個人の想いよりも、国の話なのですから」
「…」
急に身体が冷えたように感じた、幼稚な好きだ嫌いだの話よりも、国の話と言われたら、目の前が真っ暗になったように思えた。
卒業すると、殿下に会う機会もなくなり、それでも帝国に行く前に会いたいと王宮にも押し掛けてみたが、会うことも出来なかった。対応したのは殿下の側近だと聞いていたクリコット・バーンズ。
「最後に会いたいのです」
「お引き取りください、それとも拘束されたいですか」
「お願いよ、会わせてくれるだけでいいの」
会うことができれば、殿下はいつものように優しく、寄り添って来るはずだ。それだけでも感じたい。
「拘束を希望ですね」
「ちが、ちがうわ!」
「ならば、今とても大事な会議をしている殿下を呼び出し、責任を取れる、もしくは呼び出す価値のある人間なのですね?」
「っえ、あ、分かりました、帰ります」
そんな会議なら言ってくれればいいじゃないと文句を言いながら帰るしかなかった。結局、帝国に行こうともせず、友人と一緒に行った店で、留学する予定がお金が足りなくなって行けないのだと言うと、援助してくれる人が現れた。
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思わずそう叫んだが、鼻で笑われただけであった。素朴で、派手な女性ではなかったので、まさか詐欺だとは思わなかったと、被害者は口々に言ったそうだ。
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