文字の大きさ
大
中
小
109 / 203
番外編1
ミサモエス・ラーダ2
「殿下、私が婚約者だったらって思うことはありませんか」
「まさか自分が婚約者だったらと思っているのかい?」
殿下が顔を顰めたことで、そうだとは言ってはいけないと本能で感じた。
「そうではないけど、殿下がもしかしたら考えているのではないかと思ったの」
「それはないよ」
「どうして?」
「私が婚約したのは六歳の時だよ?君は十一歳じゃないか、縁組としてはまずないだろう?」
確かに幼い縁組だと女性が三歳以上も年上ということはほぼない。でもそんなことが聞きたいのではない、いくら言えない立場でも、二人きりの時くらい本音を言えばいいのにと、自分本位に考えていた。
それからも殿下に何を言っても、具体的な言葉は言ってくれず、エマ・ネイリーが現れてからは会うこともなくなっていった。ミサモエスはエマにも矛先を向けた。
「子爵令嬢がどうして殿下の側にいらっしゃるの?」
「殿下の希望でございます」
「相応しくないとは思わないの?」
「そうだとしても、私ではなく殿下におっしゃってください」
エマには殿下が側にいることが多いので、殿下の前では言えない。そのぶつけようのない気持ちはサリーへと向き、発言はどんどん過激なものになっていく。
「私が正妃になれるようにしなさい!居座り続けるなんて、なんて図々しいの!」
「私にそのような権限はありません」
「可愛くて愛される私が側にいるべきなの!どうして分からないの」
「殿下にお伝えください」
会えばそのようなやり取りがあり、五歳も年上の女性が言うことではないが、グリズナーで慣れていたサリーは呆れるしかなかった。
結婚をした後も続き、サリーはトワイ語以外で返そうかとも思ったが、何を言っているか分からないと、怒り出すをことは目に見えていたのでしなかった。
「私こそが殿下の運命の相手なのよ!私の席を奪った泥棒め!」
「何度も言うようですが、私にそのような権限はありません」
「そんなこと知らないわよ、私がやれと言えば、やるのが当たり前なのよ」
「では、陛下にお伝えしてみてはいかがですか」
「陛下、そうね、陛下にお伝えするわ」
ミサモエスはいい案だと思い、父の執務室に押し掛け、部屋には兄もいたが、陛下に会いたいと告げた。
「陛下に?どんな用件で会うのだい?簡単に会える方ではないのだよ?」
「私の王太子殿下の関係について話したいの」
「は?」
「何の関係だ?」
「何度も愛してあっている関係よ」
いくら溺愛している父でもミサモエスが言っていることが分からなかった。
「何を言っているんだ、王太子殿下は結婚していらっしゃるんだよ」
「誰かと勘違いしているんじゃないのか!」
「そんなわけないじゃない!」
「本当だっていうのか…」
嫡男・ソースルは王太子殿下が何も中身のない、こんな愚かな妹と関係を持つことが信じられなかった。
「だからね、陛下に会って、私が王太子妃になるとお話ししたいの」
「何を言っているんだ…そんなことはさすがにミサの願いでも出来ないよ」
「嘘だろ…」
「どうして、私が愛されているのに」
ようやく父と兄はミサモエスが王太子殿下を関係を持っていたこと、そのせいで王太子妃になれると思っていることに気付いた。
「ミサ、いくらお前が可愛い娘でも王太子妃にも、側妃にもなれることはない」
「どうしてよ!側妃は嫌よ」
「側妃ですら無理だ、愛妾などにはさせたくない」
「私は王太子妃になるの!」
「嘘だろ…そこまで愚かだったのか!父上のせいですよ、ちゃんと躾けるように何度言いましたか。姉と妹に連絡をして来ます。それは閉じ込めておいてください」
さすがの父もミサモエスを外から鍵のかかる部屋に閉じ込めた、勝手に王城に行くでもしたら大変なことになる。妻に話すと、きっと間違いだと言い出すが、王太子殿下に口止めされていたという侍女がおり、揺るぎない事実となった。
「まさか自分が婚約者だったらと思っているのかい?」
殿下が顔を顰めたことで、そうだとは言ってはいけないと本能で感じた。
「そうではないけど、殿下がもしかしたら考えているのではないかと思ったの」
「それはないよ」
「どうして?」
「私が婚約したのは六歳の時だよ?君は十一歳じゃないか、縁組としてはまずないだろう?」
確かに幼い縁組だと女性が三歳以上も年上ということはほぼない。でもそんなことが聞きたいのではない、いくら言えない立場でも、二人きりの時くらい本音を言えばいいのにと、自分本位に考えていた。
それからも殿下に何を言っても、具体的な言葉は言ってくれず、エマ・ネイリーが現れてからは会うこともなくなっていった。ミサモエスはエマにも矛先を向けた。
「子爵令嬢がどうして殿下の側にいらっしゃるの?」
「殿下の希望でございます」
「相応しくないとは思わないの?」
「そうだとしても、私ではなく殿下におっしゃってください」
エマには殿下が側にいることが多いので、殿下の前では言えない。そのぶつけようのない気持ちはサリーへと向き、発言はどんどん過激なものになっていく。
「私が正妃になれるようにしなさい!居座り続けるなんて、なんて図々しいの!」
「私にそのような権限はありません」
「可愛くて愛される私が側にいるべきなの!どうして分からないの」
「殿下にお伝えください」
会えばそのようなやり取りがあり、五歳も年上の女性が言うことではないが、グリズナーで慣れていたサリーは呆れるしかなかった。
結婚をした後も続き、サリーはトワイ語以外で返そうかとも思ったが、何を言っているか分からないと、怒り出すをことは目に見えていたのでしなかった。
「私こそが殿下の運命の相手なのよ!私の席を奪った泥棒め!」
「何度も言うようですが、私にそのような権限はありません」
「そんなこと知らないわよ、私がやれと言えば、やるのが当たり前なのよ」
「では、陛下にお伝えしてみてはいかがですか」
「陛下、そうね、陛下にお伝えするわ」
ミサモエスはいい案だと思い、父の執務室に押し掛け、部屋には兄もいたが、陛下に会いたいと告げた。
「陛下に?どんな用件で会うのだい?簡単に会える方ではないのだよ?」
「私の王太子殿下の関係について話したいの」
「は?」
「何の関係だ?」
「何度も愛してあっている関係よ」
いくら溺愛している父でもミサモエスが言っていることが分からなかった。
「何を言っているんだ、王太子殿下は結婚していらっしゃるんだよ」
「誰かと勘違いしているんじゃないのか!」
「そんなわけないじゃない!」
「本当だっていうのか…」
嫡男・ソースルは王太子殿下が何も中身のない、こんな愚かな妹と関係を持つことが信じられなかった。
「だからね、陛下に会って、私が王太子妃になるとお話ししたいの」
「何を言っているんだ…そんなことはさすがにミサの願いでも出来ないよ」
「嘘だろ…」
「どうして、私が愛されているのに」
ようやく父と兄はミサモエスが王太子殿下を関係を持っていたこと、そのせいで王太子妃になれると思っていることに気付いた。
「ミサ、いくらお前が可愛い娘でも王太子妃にも、側妃にもなれることはない」
「どうしてよ!側妃は嫌よ」
「側妃ですら無理だ、愛妾などにはさせたくない」
「私は王太子妃になるの!」
「嘘だろ…そこまで愚かだったのか!父上のせいですよ、ちゃんと躾けるように何度言いましたか。姉と妹に連絡をして来ます。それは閉じ込めておいてください」
さすがの父もミサモエスを外から鍵のかかる部屋に閉じ込めた、勝手に王城に行くでもしたら大変なことになる。妻に話すと、きっと間違いだと言い出すが、王太子殿下に口止めされていたという侍女がおり、揺るぎない事実となった。
感想
あなたにおすすめの小説
私が使うはずだった部屋に病弱令嬢を寝かせた婚約者とは、白紙に戻します
さんけい王家の意向で進められた婚約。
リーゼロッテ・エーレンフェルトは、婚約者ヒューバート・ラドクリフの屋敷を訪れた日、婚礼後に自分が使うはずだった部屋で、病弱な男爵令嬢アネットが眠っているのを見る。
「君なら分かってくれると思った」
ヒューバートはそう言った。
けれどリーゼロッテが問いたいのは、アネットが可哀想かどうかではない。
弱い方を助けるために、なぜ私の部屋を使ったのですか。
なぜ私の席を、あなたの優しさのために差し出したのですか。
部屋、席、茶会、呼び名。
少しずつずらされた扱いを、リーゼロッテは一つずつ確認していく。
善意を理由に他人の場所を使う婚約者とは、白紙に戻します。
※初日以外は6時・17時の更新といたします。
私のことはお気になさらず
みおな 侯爵令嬢のティアは、婚約者である公爵家の嫡男ケレスが幼馴染である伯爵令嬢と今日も仲睦まじくしているのを見て決意した。
そんなに彼女が好きなのなら、お二人が婚約すればよろしいのよ。
私のことはお気になさらず。
【完結】ずっと、ずっとあなたを愛していました 〜後悔も、懺悔も今更いりません〜
高瀬船リスティアナ・メイブルムには二歳年上の婚約者が居る。
婚約者は、国の王太子で穏やかで優しく、婚約は王命ではあったが仲睦まじく関係を築けていた。
それなのに、突然ある日婚約者である王太子からは土下座をされ、婚約を解消して欲しいと願われる。
何故、そんな事に。
優しく微笑むその笑顔を向ける先は確かに自分に向けられていたのに。
婚約者として確かに大切にされていたのに何故こうなってしまったのか。
リスティアナの思いとは裏腹に、ある時期からリスティアナに悪い噂が立ち始める。
悪い噂が立つ事など何もしていないのにも関わらず、リスティアナは次第に学園で、夜会で、孤立していく。
どうぞお好きになさってください
みおな学園に入学して一ヶ月。
婚約者の第一王子殿下は言った。
「学園にいる間くらい自由にさせてくれないか。君が王太子妃になることは決定事項だ。だから、せめて学園に通う二年間は、僕はひとりの男として自由に過ごしたい」
公爵令嬢はその綺麗な顔に冷酷な笑みを浮かべる。
「好きになさればよろしいわ」
彼女の離縁とその波紋
豆狸夫にとって魅力的なのは、今も昔も恋人のあの女性なのでしょう。こうして私が悩んでいる間もふたりは楽しく笑い合っているのかと思うと、胸にぽっかりと穴が開いたような気持ちになりました。
※子どもに関するセンシティブな内容があります。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi(がっち)13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
はっきり言ってカケラも興味はございません
みおな 私の婚約者様は、王女殿下の騎士をしている。
病弱でお美しい王女殿下に常に付き従い、婚約者としての交流も、マトモにしたことがない。
まぁ、好きになさればよろしいわ。
私には関係ないことですから。