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番外編1
ルアンナ・アズラー1
『本来なら、私がリール殿下の婚約者でしたのよ。
そろそろ身の程を弁えたかしら、私が正妃になりますから、あなたは病気になったとでも言って下がりなさい。
語学力だけではどうにもならないこともあるのよ?その点、私は全てに置いて優れているの。だから身を引きなさい。 —ルアンナ・アズラー—』
領地で伯母・スーミラの元で、軟禁生活となったルアンナ・クリジアンではなく、ルアンナ・アズラー。食事も部屋で一人きり、お風呂の支度はしてくれるが、服は自分で着られる物だけになった。
「どうして私がこんなことに…シュリア…シュリアに会いたい…」
つい先日まではこの手に抱いていた娘、シュリアはいない。
ルイソード・クリジアンと結婚して、シュリアが生まれて、幸せな家族だったはずなのに。今はどこにもない。
親同士が決めた婚約で、二つ年上だったこともあって、穏やかで真面目な人。結婚するならきっとこんな人がいいのだろうという相手ではあった。でも私はリール殿下を諦められなかった、サリーのことは入学した時から目の敵にしていた。そして、ルイソードが卒業して、学園にいなくなった頃から殿下にじわじわと接近した。
でも結婚して、公にルイソードの横に立つようになって、夫が爵位の高さだけではなく、皆に羨ましいと思われる相手だと分かった。令嬢や夫人が寄って来るルイソードが、自身のことを愛してくれたおかげで、ルアンナは満たされるようになった。
そして、何よりも可愛い娘、シュリア。
ルイソードに怒られたのは初めてであった。真面目な性格からして、許してはくれないだろう。私を愛していたからこそ、怒りは相当なものだったはずだ。愛する人を一時的でも奪われていた、彼を傷付けたのだから。
でもルイソードとは無理でも、シュリアには会いたい。私の娘だ。再婚して、引き取れないだろうか、せめて会わせて貰うことくらい。私が泣いているように、あの子も泣いているはずだ。
全ては代理の指名のせいで、なくなってしまった。サリーのせいだ。黙っていればいいものを、話すなんて、信じられない。全て今さらじゃないか。あの時までサリーが、歯向かてくるなどと考えたこともなかった。
始まりは王宮から王太子妃の代理の指名の文が届いたことだった。
『ルアンナ・クリジアンをルーゴ王国での式典へ、サリー・オールソン王太子妃殿下の代理として指名する。サリー・オールソン』
何度読んでも意味が分からなかった、入っていたのはその一文と、式典の日程の説明だけである。サリーは絶対に私にいい気持ちを持っていないはずだ。それならば、これは復讐なのではないか。サリーと親しい母に取り成してもらおうと、なりふり構わず実家に急いで向かった。
丁度、母も邸におり、こんなものが届いたと見せると、ティファナの眉間にくっきりと皺が寄った。
「どうしてあなたが?」
「どうして私なのか本当に分からないの」
「式典ともなれば、あなたでは無理だわ。向こうはアペラ語よ、あなた出来ないでしょう?サリー様はどうしてこんなものを」
「同じ年で、丁度いいかと思われたのかしら」
母はサリーと関わりがないことを知っているので、苦し紛れの理由であった。
「いいえ、あなたである必要がないわ。王妃様は大臣を指名してらしたし、前王妃様も大臣か、王太子妃候補だった方を指名してらしたわ。何か心当たりはないの?」
「ないわ、お母様から取り消してもらうように言って欲しいの」
「ルイソード殿も知っているの?」
「ルイはいなかったから、まだ話していないわ」
「私が聞いてみましょう」
「ありがとう、お母様」
だが後日、母に呼び出されると、既にいい予感ではない顔であった。父も並んでいる。私は間違えてしまったのだろうか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
お読みいただきありがとうございます。
ルアンナ・アズラーの回となります。
まだ執筆中ですので、何話になるかは未定です。
よろしくお願いいたします。
そろそろ身の程を弁えたかしら、私が正妃になりますから、あなたは病気になったとでも言って下がりなさい。
語学力だけではどうにもならないこともあるのよ?その点、私は全てに置いて優れているの。だから身を引きなさい。 —ルアンナ・アズラー—』
領地で伯母・スーミラの元で、軟禁生活となったルアンナ・クリジアンではなく、ルアンナ・アズラー。食事も部屋で一人きり、お風呂の支度はしてくれるが、服は自分で着られる物だけになった。
「どうして私がこんなことに…シュリア…シュリアに会いたい…」
つい先日まではこの手に抱いていた娘、シュリアはいない。
ルイソード・クリジアンと結婚して、シュリアが生まれて、幸せな家族だったはずなのに。今はどこにもない。
親同士が決めた婚約で、二つ年上だったこともあって、穏やかで真面目な人。結婚するならきっとこんな人がいいのだろうという相手ではあった。でも私はリール殿下を諦められなかった、サリーのことは入学した時から目の敵にしていた。そして、ルイソードが卒業して、学園にいなくなった頃から殿下にじわじわと接近した。
でも結婚して、公にルイソードの横に立つようになって、夫が爵位の高さだけではなく、皆に羨ましいと思われる相手だと分かった。令嬢や夫人が寄って来るルイソードが、自身のことを愛してくれたおかげで、ルアンナは満たされるようになった。
そして、何よりも可愛い娘、シュリア。
ルイソードに怒られたのは初めてであった。真面目な性格からして、許してはくれないだろう。私を愛していたからこそ、怒りは相当なものだったはずだ。愛する人を一時的でも奪われていた、彼を傷付けたのだから。
でもルイソードとは無理でも、シュリアには会いたい。私の娘だ。再婚して、引き取れないだろうか、せめて会わせて貰うことくらい。私が泣いているように、あの子も泣いているはずだ。
全ては代理の指名のせいで、なくなってしまった。サリーのせいだ。黙っていればいいものを、話すなんて、信じられない。全て今さらじゃないか。あの時までサリーが、歯向かてくるなどと考えたこともなかった。
始まりは王宮から王太子妃の代理の指名の文が届いたことだった。
『ルアンナ・クリジアンをルーゴ王国での式典へ、サリー・オールソン王太子妃殿下の代理として指名する。サリー・オールソン』
何度読んでも意味が分からなかった、入っていたのはその一文と、式典の日程の説明だけである。サリーは絶対に私にいい気持ちを持っていないはずだ。それならば、これは復讐なのではないか。サリーと親しい母に取り成してもらおうと、なりふり構わず実家に急いで向かった。
丁度、母も邸におり、こんなものが届いたと見せると、ティファナの眉間にくっきりと皺が寄った。
「どうしてあなたが?」
「どうして私なのか本当に分からないの」
「式典ともなれば、あなたでは無理だわ。向こうはアペラ語よ、あなた出来ないでしょう?サリー様はどうしてこんなものを」
「同じ年で、丁度いいかと思われたのかしら」
母はサリーと関わりがないことを知っているので、苦し紛れの理由であった。
「いいえ、あなたである必要がないわ。王妃様は大臣を指名してらしたし、前王妃様も大臣か、王太子妃候補だった方を指名してらしたわ。何か心当たりはないの?」
「ないわ、お母様から取り消してもらうように言って欲しいの」
「ルイソード殿も知っているの?」
「ルイはいなかったから、まだ話していないわ」
「私が聞いてみましょう」
「ありがとう、お母様」
だが後日、母に呼び出されると、既にいい予感ではない顔であった。父も並んでいる。私は間違えてしまったのだろうか。
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お読みいただきありがとうございます。
ルアンナ・アズラーの回となります。
まだ執筆中ですので、何話になるかは未定です。
よろしくお願いいたします。
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