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番外編1
ミアローズ・エモンド8
「何をしたんだ?どうせミアローズだろう?」
「顔に劇薬を掛けられたんだ…目は無事だったんだが、片側が酷く爛れてしまったんだ。泣き喚いて暮らしているんだ」
「はあ、何をしたんだと聞いています」
「心配じゃないのか!」
「どうせ、婚約者がいる相手か既婚者に手を出したんでしょう?」
「知っていたのか?」
「そのくらい想像できるでしょう?今までは父上が洩らさないようにしていたんでしょう?相手が公爵令嬢ですから、泣き寝入りするしかなかったでしょうからね」
これまでの相手は社交界で知り合った者だった。確かに婚約者がいる者、既婚者もいたが、洩れることはなかったが、疑惑だけでも恨む者は多かっただろう。
「既婚者で妊婦だったんだ…夫と揉めて流産してしまって、もう子は産めないだろうと…それで劇薬を掛けたそうだ」
「酷いな、劇薬を掛けられても仕方ないですね」
妻の敵は夫ではなく、ミアローズとなったのだろう。
「お前は何てことを言うんだ!」
「相手に慰謝料を支払うべきでしょう」
「既に自害した…」
「何てことを…ミアローズなんかのせいで」
相手は名ばかりでも公爵家の人間、自害する気で劇薬を掛けたのだろう。
「お前はっ!ミアを心配するべきだろう!」
「まだ分かっていないのですか?あなた方のせいでもあるのですよ、なぜ止めなかったのですか、なぜお姫様扱いを続けているのですか、あれは何も考えることの出来ない者になっているのですよ」
「そんなことはない」
これまで信じて、変わらず、続けていたのだ。私が何を言っても無駄だろうが、それでも言いたかった。
「父上が言ういい縁談がなかったのは、ミアローズのせいですよ!結婚して欲しかったなら、管理してくれるような人に嫁がせることが最善でした」
「管理などと…」
「医者は派遣するようにしましょう。治療費は私が出しますから、相手に請求しないように」
「あの女が!」
「不貞をしたのはミアローズです」
「知らなかったと」
「知らなかったら、何をしてもいいわけではないのですよ。父上は責任を持って、ミアローズの世話をしてください。それがあなたの務めです」
エディンは妻の方の家族に会いに行き、謝罪と慰謝料を渡した。男爵家の令嬢で、夫は騎士伯だった。
男爵家の方々は怒りを持ちながらも、相手は公爵の妹。こちらも劇薬を掛ける引け目があるようではあったが、子どもは結婚五年目でようやく授かった子で、子ども好きで、毎日楽しみに待っていたと、それなのに夫は不貞を犯した。ミアローズも夫もお互いが相手が誘ったと言っている。エディンはその話を真摯に聞いた。
妊娠中で精神は不安定だったのだろう、他にもこんな女性がいたのではないか。ミアローズは公爵令嬢の地位が間違いだったのだろう。
エディンはミアローズに会いに行くことはしなかったが、派遣した医師によると、左側が溶け爛れているような状態だという。化粧で隠すことは不可能、しかも領内で噂になって、夫の方は姿を消していた。
ミアローズもさすがに外に出ることが出来なくなり、望んだ幽閉にはなったが、一人の女性と胎児の命を引き換えにしたようで、後味の悪い辛さが残った。
それからミアローズは可哀想な私に酔い、我儘放題で過ごし、反省することもなかった。だが両親が亡くなって、相手をしてくれる者すらいなくなった。顔以外は元気であるため、暴れるようになり、療養所に入れることにした。
最初は暴れていたが、ならば世話はもうしない、籍を抜くと言えば、仕方なく留まった。爛れた顔で行くところなどない。若い男性を舐めるように見るようになるも、年を取った、爛れた女を相手にするはずもなく、あっけなく感染症で亡くなった。
顔の傷の影響のせいかもしれないと言われ、会ったこともないが、あの時の自害した妻が長い時間を掛けて、仇を取ったのではないかと思えた。享年四十七であった。
エディンはサリー妃殿下が亡くなった時は早すぎると思ったが、ミアローズは遅すぎるくらいだと思えた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
お読みいただきありがとうございます。
これにてようやくミアローズ編、終了です。
長くなって申し訳ありません。
次はルアンナ・アズラーを書いていきます。
よろしくお願いいたします。
「顔に劇薬を掛けられたんだ…目は無事だったんだが、片側が酷く爛れてしまったんだ。泣き喚いて暮らしているんだ」
「はあ、何をしたんだと聞いています」
「心配じゃないのか!」
「どうせ、婚約者がいる相手か既婚者に手を出したんでしょう?」
「知っていたのか?」
「そのくらい想像できるでしょう?今までは父上が洩らさないようにしていたんでしょう?相手が公爵令嬢ですから、泣き寝入りするしかなかったでしょうからね」
これまでの相手は社交界で知り合った者だった。確かに婚約者がいる者、既婚者もいたが、洩れることはなかったが、疑惑だけでも恨む者は多かっただろう。
「既婚者で妊婦だったんだ…夫と揉めて流産してしまって、もう子は産めないだろうと…それで劇薬を掛けたそうだ」
「酷いな、劇薬を掛けられても仕方ないですね」
妻の敵は夫ではなく、ミアローズとなったのだろう。
「お前は何てことを言うんだ!」
「相手に慰謝料を支払うべきでしょう」
「既に自害した…」
「何てことを…ミアローズなんかのせいで」
相手は名ばかりでも公爵家の人間、自害する気で劇薬を掛けたのだろう。
「お前はっ!ミアを心配するべきだろう!」
「まだ分かっていないのですか?あなた方のせいでもあるのですよ、なぜ止めなかったのですか、なぜお姫様扱いを続けているのですか、あれは何も考えることの出来ない者になっているのですよ」
「そんなことはない」
これまで信じて、変わらず、続けていたのだ。私が何を言っても無駄だろうが、それでも言いたかった。
「父上が言ういい縁談がなかったのは、ミアローズのせいですよ!結婚して欲しかったなら、管理してくれるような人に嫁がせることが最善でした」
「管理などと…」
「医者は派遣するようにしましょう。治療費は私が出しますから、相手に請求しないように」
「あの女が!」
「不貞をしたのはミアローズです」
「知らなかったと」
「知らなかったら、何をしてもいいわけではないのですよ。父上は責任を持って、ミアローズの世話をしてください。それがあなたの務めです」
エディンは妻の方の家族に会いに行き、謝罪と慰謝料を渡した。男爵家の令嬢で、夫は騎士伯だった。
男爵家の方々は怒りを持ちながらも、相手は公爵の妹。こちらも劇薬を掛ける引け目があるようではあったが、子どもは結婚五年目でようやく授かった子で、子ども好きで、毎日楽しみに待っていたと、それなのに夫は不貞を犯した。ミアローズも夫もお互いが相手が誘ったと言っている。エディンはその話を真摯に聞いた。
妊娠中で精神は不安定だったのだろう、他にもこんな女性がいたのではないか。ミアローズは公爵令嬢の地位が間違いだったのだろう。
エディンはミアローズに会いに行くことはしなかったが、派遣した医師によると、左側が溶け爛れているような状態だという。化粧で隠すことは不可能、しかも領内で噂になって、夫の方は姿を消していた。
ミアローズもさすがに外に出ることが出来なくなり、望んだ幽閉にはなったが、一人の女性と胎児の命を引き換えにしたようで、後味の悪い辛さが残った。
それからミアローズは可哀想な私に酔い、我儘放題で過ごし、反省することもなかった。だが両親が亡くなって、相手をしてくれる者すらいなくなった。顔以外は元気であるため、暴れるようになり、療養所に入れることにした。
最初は暴れていたが、ならば世話はもうしない、籍を抜くと言えば、仕方なく留まった。爛れた顔で行くところなどない。若い男性を舐めるように見るようになるも、年を取った、爛れた女を相手にするはずもなく、あっけなく感染症で亡くなった。
顔の傷の影響のせいかもしれないと言われ、会ったこともないが、あの時の自害した妻が長い時間を掛けて、仇を取ったのではないかと思えた。享年四十七であった。
エディンはサリー妃殿下が亡くなった時は早すぎると思ったが、ミアローズは遅すぎるくらいだと思えた。
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お読みいただきありがとうございます。
これにてようやくミアローズ編、終了です。
長くなって申し訳ありません。
次はルアンナ・アズラーを書いていきます。
よろしくお願いいたします。
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