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番外編1
ルアンナ・アズラー11
「ティファナ先生にもいつか顔を見せて欲しいとお伝えください」
「ですが、私もですが、妻に怒りはないのですか」
「初めて言われた時は、ティファナ先生もさすがに同意見かと思っておりましたよ。でも授業を受ければ分かります。真剣に取り組んでおられましたから、娘と取り替えようと思っている態度ではなかったですから」
「妻も一度も考えたことはなかったと思います」
「一度も?」
一度くらいは考えただろうと思われていたのか、不思議そうな顔をしている。ティファナは誇りを持って教育に当たっていた、私欲などあり得ない。
「はい、妻も妻の両親には期待されていましたが、妃殿下は妻の欠点に気付いてらっしゃるのではないでしょうか」
「…ええ、会話、ですね」
酷く言いにくい様子で、誰もわざわざ欠点を指摘したくはないだろう。いや、ルアンナだったら、武器のように指摘するかもしれない。
「はい、何度も両親にも話したそうですが、書いたりや基本的なことは話せたので、理解できなかったそうです。妻もおそらく妃殿下は私の欠点に気付いているけど、指摘することはしないと、本来なら教える立場で情けないことだけど、自分の出来ることを妃殿下にお伝えしたいと。何も分かっていないのは娘だけでした」
「ティファナ先生は良き先生でしたよ、それだけは確かです」
「勿体ない言葉です…申し訳ございませんでした…これからのことで償いとさせてください。よろしくお願いいたします」
「はい」
ルトアスはノーリスと無事結婚し、アズラー公爵夫妻は領地を行き来しながら、手応えのないままルアンナと対話を続けた。
そして、数十年後、妃殿下が体調を悪くしているということが耳に入るも、ティファナは会いに行くことはせず、教会に祈りに行くようになった。私も一緒に行ける時は一緒に行き、息子夫妻と孫と、力いっぱい祈り続けた。
しかし、無情にも弔いの鐘が鳴り響くと、ティファナは今まで声を上げて泣くようなところは一度も見たことがなかったが、立った姿勢のまま、勢いよく膝をついて、床を叩きながら、泣き叫んだ。
「さりーさまあああああああああああああああ!ああああああああああ!」
ローサムはただただその姿を涙を拭いながら、見守ることしか出来なかった。ティファナは世界中の誰よりも、サリーの幸せと安寧を願い続けていた。
葬儀には静かに参列した、見渡す限りの人が悲しみの表情を浮かべ、涙を流している者も多く、早過ぎる死を嘆いていた。
しばらくして、ティファナがようやく落ち着いた頃、スーミラからすぐに来て欲しいと言われ、領地に駆け付けた。
「切り捨てる時が来たわ」
「何があったのですか」
「あれは人間じゃないわ。妃殿下が亡くなったことを知って、何て言ったと思う?『死んだのね、じゃあ私への罰も終わりね。早く死んでくれて、良かった。王都に戻れるかしら』そう言ったの」
「何だと!」
ティファナは目を見開き、すぐさま立ち上がって、ルアンナの部屋を開けると、ベットに横になっていたルアンナの襟を持って、バチンと引っ叩いた。ルアンナは自身はサリーに暴力を振るっていたのに、人に叩かれたのは初めてあった。
「痛っ!何するの」
「もう娘じゃない。修道院に行ってもらいます」
「はあ?」
「北の修道院に行ってもらう。そこで人生を終えなさい」
「何を言ってるのよ」
「決定だ、もう娘だとは思わない。消えてくれ」
「じゃあ、出て行くわよ」
「ならば籍を抜くから、好きにしたらいい。今すぐ出て行ってくれ」
「待って、落ち着いてよ。どうしたの?妃殿下も死んだんだから、私の罰が終わりなのは分かるけど、修道院、籍を抜くって、親としての責任はどうしたのよ」
親の責任だからと対話を続けていた。それも無意味だったのだろう。
「どうするんだ、修道院か、このまま放り出されるか、どちらかだ」
「っな、何よ冗談は止めてよ」
「冗談じゃないわ、どちらか選びなさい」
「じゃあ、シュリアのところに行くわ。そこまで連れて行って」
「クリジアン公爵令嬢には、二度と会いたくないと言われている。平民がのこのこ行けば、牢に入れられるだろうが、我々はもう関係ない。行きたければ、自分の力で行きなさい」
クリジアン公爵家には先に連絡をして、警備を厳重にし、通報してもらって構わないと伝えればいい。
「そんなはずないわ、もう孫に会わせてあげないんだから、後悔しても遅いわよ」
「ですが、私もですが、妻に怒りはないのですか」
「初めて言われた時は、ティファナ先生もさすがに同意見かと思っておりましたよ。でも授業を受ければ分かります。真剣に取り組んでおられましたから、娘と取り替えようと思っている態度ではなかったですから」
「妻も一度も考えたことはなかったと思います」
「一度も?」
一度くらいは考えただろうと思われていたのか、不思議そうな顔をしている。ティファナは誇りを持って教育に当たっていた、私欲などあり得ない。
「はい、妻も妻の両親には期待されていましたが、妃殿下は妻の欠点に気付いてらっしゃるのではないでしょうか」
「…ええ、会話、ですね」
酷く言いにくい様子で、誰もわざわざ欠点を指摘したくはないだろう。いや、ルアンナだったら、武器のように指摘するかもしれない。
「はい、何度も両親にも話したそうですが、書いたりや基本的なことは話せたので、理解できなかったそうです。妻もおそらく妃殿下は私の欠点に気付いているけど、指摘することはしないと、本来なら教える立場で情けないことだけど、自分の出来ることを妃殿下にお伝えしたいと。何も分かっていないのは娘だけでした」
「ティファナ先生は良き先生でしたよ、それだけは確かです」
「勿体ない言葉です…申し訳ございませんでした…これからのことで償いとさせてください。よろしくお願いいたします」
「はい」
ルトアスはノーリスと無事結婚し、アズラー公爵夫妻は領地を行き来しながら、手応えのないままルアンナと対話を続けた。
そして、数十年後、妃殿下が体調を悪くしているということが耳に入るも、ティファナは会いに行くことはせず、教会に祈りに行くようになった。私も一緒に行ける時は一緒に行き、息子夫妻と孫と、力いっぱい祈り続けた。
しかし、無情にも弔いの鐘が鳴り響くと、ティファナは今まで声を上げて泣くようなところは一度も見たことがなかったが、立った姿勢のまま、勢いよく膝をついて、床を叩きながら、泣き叫んだ。
「さりーさまあああああああああああああああ!ああああああああああ!」
ローサムはただただその姿を涙を拭いながら、見守ることしか出来なかった。ティファナは世界中の誰よりも、サリーの幸せと安寧を願い続けていた。
葬儀には静かに参列した、見渡す限りの人が悲しみの表情を浮かべ、涙を流している者も多く、早過ぎる死を嘆いていた。
しばらくして、ティファナがようやく落ち着いた頃、スーミラからすぐに来て欲しいと言われ、領地に駆け付けた。
「切り捨てる時が来たわ」
「何があったのですか」
「あれは人間じゃないわ。妃殿下が亡くなったことを知って、何て言ったと思う?『死んだのね、じゃあ私への罰も終わりね。早く死んでくれて、良かった。王都に戻れるかしら』そう言ったの」
「何だと!」
ティファナは目を見開き、すぐさま立ち上がって、ルアンナの部屋を開けると、ベットに横になっていたルアンナの襟を持って、バチンと引っ叩いた。ルアンナは自身はサリーに暴力を振るっていたのに、人に叩かれたのは初めてあった。
「痛っ!何するの」
「もう娘じゃない。修道院に行ってもらいます」
「はあ?」
「北の修道院に行ってもらう。そこで人生を終えなさい」
「何を言ってるのよ」
「決定だ、もう娘だとは思わない。消えてくれ」
「じゃあ、出て行くわよ」
「ならば籍を抜くから、好きにしたらいい。今すぐ出て行ってくれ」
「待って、落ち着いてよ。どうしたの?妃殿下も死んだんだから、私の罰が終わりなのは分かるけど、修道院、籍を抜くって、親としての責任はどうしたのよ」
親の責任だからと対話を続けていた。それも無意味だったのだろう。
「どうするんだ、修道院か、このまま放り出されるか、どちらかだ」
「っな、何よ冗談は止めてよ」
「冗談じゃないわ、どちらか選びなさい」
「じゃあ、シュリアのところに行くわ。そこまで連れて行って」
「クリジアン公爵令嬢には、二度と会いたくないと言われている。平民がのこのこ行けば、牢に入れられるだろうが、我々はもう関係ない。行きたければ、自分の力で行きなさい」
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「そんなはずないわ、もう孫に会わせてあげないんだから、後悔しても遅いわよ」
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