【完結】愛しくない、あなた

野村にれ

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【テイラー】ローズミー妃1

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 原因は不明だが、感染するような病気ではないとされているが、掻きむしった痕があるように、その際に血や膿を撒き散らすこともあるために、ディオエルの側に近付けることは禁止されている。

「とても悪いわ、どうして私がこんな目に遭わなければならないの…」
「そうか、だが病なのだから仕方ない」
「薬もちっとも効かないの!きっと酷い顔をしているわよね、恥ずかしいわ。皆が鏡を見せてもくれないのよ」
「そうか…」
「我が子にも会えないのよ?おかしいでしょう?」
「そうか」

 ローズミーに子どもはいないのだが、子どもがいると思っていることもあるように、心の病も患っている。

 ゆえに、ディオエルに近付けないことも、分かっているようで、分かっていない。

 私は妃なのに、側に行けないなんてと、どうしてなのか問い詰めるような時もあるが、説明しても病気じゃないと言ったり、そんな私は死ぬのねと言う日もあったり、さまざまである。

 今は奇声を上げたりすることもあるために、人通りの少ない部屋で、隔離されて暮らしている。

「あの子はどうしているの?ママに会いたくて、寂しがっていないかしら」
「そう思うなら、許可を取って会いに行くといい」
「本当?ディオエルも一緒に行きましょう」
「私は一人で会いに行っている」
「どうして私を誘ってくれないのよぉ!ディオエルも、みんなもおかしいわ」

 おかしいのはローズミーなのだが、ローズミーには理解が出来ないというよりは、理解したくないことで受け入れられないのだろうと思っている。

 実は、ローズミーはアイルーンが亡くなって一年が経つ前に、ディオエルの子どもを奇跡的に妊娠していた。

 ローズミーは喜び、これで私が正妃となるのだと喜びようは凄まじかった。実際、正妃となる皇妃は子どもが無事に生まれてからになるのだが、ローズミーはすっかりその気になっていた。

 皆に自慢して回りたかったが、アイルーンの時のようなことがあってはならないと、妊娠は無事に生まれるまで秘匿されることになった。

 それでも、皇帝宮ではイオリクを中心に、ローズミーが皇妃になる前提で動き始めてもいた。

 実際、番ではない妃が妊娠する可能性は5~10%だと言われており、待望の後継者を宿していた番が病死したことで、暗い影を落とした皇帝宮には明るい話題ではあった。ゆえに、細心の注意が払われて、妊娠生活が始まった。

 ローズミーもお腹が大きくなれば、言わなくても分かると思っていたが、お腹はあまり大きくならないまま、産み月を迎えた。

 それでもローズミーはこれでたった一人の皇妃になれると、陣痛が来ないので、陣痛を促して出産をしたが、子どもは死産であった。

 ディオエルが行っていると言っていたのは子どもの墓のことで、ローズミーと一緒に行くと、発狂するので、一緒に行くことはなくなっていた。

 加えてローズミーのお腹が大きくならなかったように、生まれた子はあまりに小さく、奇形と呼ばれる様な姿であった。

 その赤子を見たローズミーは、発狂しおかしくなり、さらには容姿までも変わり始め、血尿や血便、体の痒み、歩行不良などさまざまな症状が出始めた。

 子どもを失ったローズミーにディオエルは寄り添ったが、それでも暇ではないために、ずっと一緒にいることは出来ない。

 その後は悪化の一途を辿り、今となってはローズミーと会うこともあまりない。

 寵妃と紹介されたローズミーではあったが、実際は名ばかりであった。

 豊かな伯爵家ではなかったために、ローズミーの母親は皇帝宮で働いていた。その間、ローズミーのような子どもたちは学び舎に預けられていた。

 そのおかげでディオエルとは幼い頃から面識があり、ディオエルも年の差もあって、子どもだからと優しく接していた。


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本日もお読みいただきありがとうございます。

2月22日、猫の日ということで、
本日は、1日2話、投稿させていただきます。
いつもの17時に、もう1話投稿します。

どうぞよろしくお願いいたします。
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