113 / 344
【テイラー】以後
しおりを挟む
ライシードは、クラードのことをディオエルに報告を行った。
「クラードは我が家の領地へ向かいました」
「死ぬ気だったか?」
「はい…縄を握り締めておりました」
「そうか…」
同じ罰を受けようと考えていたのだろうと、ディオエルもすぐに分かった。
「だが、良かった」
「はい、ペジリーの実家は関係ない、縁は切れているなどとわざわざ言っているようです」
ペジリーの実家は確かに関与はしていなかったために、罰などはなかったが、クラードを思いやることもなく、エウオン伯爵家とは関係ないと言っており、前はローズミーが妃になったことを自慢していたことから、逆に反感を買っている。
「謝罪することもなく…」
「こういった時に人柄が出ますね」
クラードの正直な人柄も勿論だったが、ペジリーやローズミーと関わっていなかったということも、多くの者が知っていたこともあった。
それなのに、まさに正直者が馬鹿を見る結果になってしまい、家族として責任を取らなくてはならないが、二人は処刑されるのだから、どうにかならないかと、多くの者が考えていた。
ペジリーの実家も、クラードに親身になっていた方が、まだ良かっただろう。
悪いのはエウオン伯爵家だと、嫁いだせいで娘はおかしくなったと言っており、クラードには二度と会うことがないことだけは確かである。
「ああ、他の者はどうだ?」
「ドアソア侯爵家は、きちんと受け止めているということで、社交も当分控えるとのことです。キリー家は親戚を頼って、住まいを移したようです」
「そうか」
「医師たちやテシー家は、ペジリーと同じです。関係ないと言っているようです。ハソン家は本当にリリノとは縁が切れているような形だったようで、何をしていたかも知らなかったようです」
全員ではないかもしれないが、現状で分かる限りの関与していた者は、テイラー嬢のおかげで、見つけ出すことが出来たと言える。
ディオエルだけであったなら、自白剤を手あたり次第使えば違ったかもしれないが、ローズミーとペジリーとラオイだけで終わっていただろう。
「ミリオン王国にも話をしに行かなくてはならないな…」
「はい。支払いも断れていますが、もう一度話した方がいいでしょう」
「ああ…こちらで預かっているだけだからな」
デリア侯爵家に賠償金を支払いたいと加害者家族が言っていることを伝えたが、テイラーが受け取らないと言った以上、受け取る気はないと返事を貰っていた。
おそらく、前に貰った賠償金も返したいと思っているくらいだろう。
だが、エウオン伯爵家、キリー男爵家、ドアソア公爵家から賠償金を国で預かっており、ベースレイ伯爵家も領地を隣接した領が買ってくれたことで、賠償金を支払うことが出来る。
その他は申し出すらなかったことも、伝えて置きたいと思っていた。
「王家とデリア侯爵に、お伺いをさせていただくようにしますか?」
「ああ、そうしてくれ」
「承知いたしました」
テイラー嬢のことは、敢えてライシードは口にしなかった。彼女に強要することは、二度としてはならないと感じていたからである。
そして、日程が合い、ミリオン王国へ再び向かうことになった。
ミリオン王国でも、アイルーン・デリアが病死ではなく、殺されたことが分かったと発表されたことで、混乱が起きていた。
同世代は酷く悲しみ、怒りを持つ者も多かった。どうして、アイルーンが殺されなくてはならなかったのか。
当時、妊娠していたことは、病死だったことから、アイルーンに責任が向かぬように隠されていたことも、ようやく公になった。
しかも、疑似番を行って、多くの関与者がいたことにも驚かされることになり、皆がアイルーンを利用しようとした結果である。
だが、犯人は見付かり、実行犯は処刑され、関与した者も罰を与えられた。
「クラードは我が家の領地へ向かいました」
「死ぬ気だったか?」
「はい…縄を握り締めておりました」
「そうか…」
同じ罰を受けようと考えていたのだろうと、ディオエルもすぐに分かった。
「だが、良かった」
「はい、ペジリーの実家は関係ない、縁は切れているなどとわざわざ言っているようです」
ペジリーの実家は確かに関与はしていなかったために、罰などはなかったが、クラードを思いやることもなく、エウオン伯爵家とは関係ないと言っており、前はローズミーが妃になったことを自慢していたことから、逆に反感を買っている。
「謝罪することもなく…」
「こういった時に人柄が出ますね」
クラードの正直な人柄も勿論だったが、ペジリーやローズミーと関わっていなかったということも、多くの者が知っていたこともあった。
それなのに、まさに正直者が馬鹿を見る結果になってしまい、家族として責任を取らなくてはならないが、二人は処刑されるのだから、どうにかならないかと、多くの者が考えていた。
ペジリーの実家も、クラードに親身になっていた方が、まだ良かっただろう。
悪いのはエウオン伯爵家だと、嫁いだせいで娘はおかしくなったと言っており、クラードには二度と会うことがないことだけは確かである。
「ああ、他の者はどうだ?」
「ドアソア侯爵家は、きちんと受け止めているということで、社交も当分控えるとのことです。キリー家は親戚を頼って、住まいを移したようです」
「そうか」
「医師たちやテシー家は、ペジリーと同じです。関係ないと言っているようです。ハソン家は本当にリリノとは縁が切れているような形だったようで、何をしていたかも知らなかったようです」
全員ではないかもしれないが、現状で分かる限りの関与していた者は、テイラー嬢のおかげで、見つけ出すことが出来たと言える。
ディオエルだけであったなら、自白剤を手あたり次第使えば違ったかもしれないが、ローズミーとペジリーとラオイだけで終わっていただろう。
「ミリオン王国にも話をしに行かなくてはならないな…」
「はい。支払いも断れていますが、もう一度話した方がいいでしょう」
「ああ…こちらで預かっているだけだからな」
デリア侯爵家に賠償金を支払いたいと加害者家族が言っていることを伝えたが、テイラーが受け取らないと言った以上、受け取る気はないと返事を貰っていた。
おそらく、前に貰った賠償金も返したいと思っているくらいだろう。
だが、エウオン伯爵家、キリー男爵家、ドアソア公爵家から賠償金を国で預かっており、ベースレイ伯爵家も領地を隣接した領が買ってくれたことで、賠償金を支払うことが出来る。
その他は申し出すらなかったことも、伝えて置きたいと思っていた。
「王家とデリア侯爵に、お伺いをさせていただくようにしますか?」
「ああ、そうしてくれ」
「承知いたしました」
テイラー嬢のことは、敢えてライシードは口にしなかった。彼女に強要することは、二度としてはならないと感じていたからである。
そして、日程が合い、ミリオン王国へ再び向かうことになった。
ミリオン王国でも、アイルーン・デリアが病死ではなく、殺されたことが分かったと発表されたことで、混乱が起きていた。
同世代は酷く悲しみ、怒りを持つ者も多かった。どうして、アイルーンが殺されなくてはならなかったのか。
当時、妊娠していたことは、病死だったことから、アイルーンに責任が向かぬように隠されていたことも、ようやく公になった。
しかも、疑似番を行って、多くの関与者がいたことにも驚かされることになり、皆がアイルーンを利用しようとした結果である。
だが、犯人は見付かり、実行犯は処刑され、関与した者も罰を与えられた。
4,569
あなたにおすすめの小説
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
王宮侍女は穴に落ちる
斑猫
恋愛
婚約破棄されたうえ養家を追い出された
アニエスは王宮で運良く職を得る。
呪われた王女と呼ばれるエリザベ―ト付き
の侍女として。
忙しく働く毎日にやりがいを感じていた。
ところが、ある日ちょっとした諍いから
突き飛ばされて怪しい穴に落ちてしまう。
ちょっと、とぼけた主人公が足フェチな
俺様系騎士団長にいじめ……いや、溺愛され
るお話です。
間違えられた番様は、消えました。
夕立悠理
恋愛
※小説家になろう様でも投稿を始めました!お好きなサイトでお読みください※
竜王の治める国ソフームには、運命の番という存在がある。
運命の番――前世で深く愛しあい、来世も恋人になろうと誓い合った相手のことをさす。特に竜王にとっての「運命の番」は特別で、国に繁栄を与える存在でもある。
「ロイゼ、君は私の運命の番じゃない。だから、選べない」
ずっと慕っていた竜王にそう告げられた、ロイゼ・イーデン。しかし、ロイゼは、知っていた。
ロイゼこそが、竜王の『運命の番』だと。
「エルマ、私の愛しい番」
けれどそれを知らない竜王は、今日もロイゼの親友に愛を囁く。
いつの間にか、ロイゼの呼び名は、ロイゼから番の親友、そして最後は嘘つきに変わっていた。
名前を失くしたロイゼは、消えることにした。
妹がいなくなった
アズやっこ
恋愛
妹が突然家から居なくなった。
メイドが慌ててバタバタと騒いでいる。
お父様とお母様の泣き声が聞こえる。
「うるさくて寝ていられないわ」
妹は我が家の宝。
お父様とお母様は妹しか見えない。ドレスも宝石も妹にだけ買い与える。
妹を探しに出掛けたけど…。見つかるかしら?
【完結】赤ちゃんが生まれたら殺されるようです
白崎りか
恋愛
もうすぐ赤ちゃんが生まれる。
ドレスの上から、ふくらんだお腹をなでる。
「はやく出ておいで。私の赤ちゃん」
ある日、アリシアは見てしまう。
夫が、ベッドの上で、メイドと口づけをしているのを!
「どうして、メイドのお腹にも、赤ちゃんがいるの?!」
「赤ちゃんが生まれたら、私は殺されるの?」
夫とメイドは、アリシアの殺害を計画していた。
自分たちの子供を跡継ぎにして、辺境伯家を乗っ取ろうとしているのだ。
ドラゴンの力で、前世の記憶を取り戻したアリシアは、自由を手に入れるために裁判で戦う。
※1話と2話は短編版と内容は同じですが、設定を少し変えています。
公爵令嬢の辿る道
ヤマナ
恋愛
公爵令嬢エリーナ・ラナ・ユースクリフは、迎えた5度目の生に絶望した。
家族にも、付き合いのあるお友達にも、慕っていた使用人にも、思い人にも、誰からも愛されなかったエリーナは罪を犯して投獄されて凍死した。
それから生を繰り返して、その度に自業自得で凄惨な末路を迎え続けたエリーナは、やがて自分を取り巻いていたもの全てからの愛を諦めた。
これは、愛されず、しかし愛を求めて果てた少女の、その先の話。
※暇な時にちょこちょこ書いている程度なので、内容はともかく出来についてはご了承ください。
追記
六十五話以降、タイトルの頭に『※』が付いているお話は、流血表現やグロ表現がございますので、閲覧の際はお気を付けください。
【完結】番である私の旦那様
桜もふ
恋愛
異世界であるミーストの世界最強なのが黒竜族!
黒竜族の第一皇子、オパール・ブラック・オニキス(愛称:オール)の番をミースト神が異世界転移させた、それが『私』だ。
バールナ公爵の元へ養女として出向く事になるのだが、1人娘であった義妹が最後まで『自分』が黒竜族の番だと思い込み、魅了の力を使って男性を味方に付け、なにかと嫌味や嫌がらせをして来る。
オールは政務が忙しい身ではあるが、溺愛している私の送り迎えだけは必須事項みたい。
気が抜けるほど甘々なのに、義妹に邪魔されっぱなし。
でも神様からは特別なチートを貰い、世界最強の黒竜族の番に相応しい子になろうと頑張るのだが、なぜかディロ-ルの侯爵子息に学園主催の舞踏会で「お前との婚約を破棄する!」なんて訳の分からない事を言われるし、義妹は最後の最後まで頭お花畑状態で、オールを手に入れようと男の元を転々としながら、絡んで来ます!(鬱陶しいくらい来ます!)
大好きな乙女ゲームや異世界の漫画に出てくる「私がヒロインよ!」な頭の変な……じゃなかった、変わった義妹もいるし、何と言っても、この世界の料理はマズイ、不味すぎるのです!
神様から貰った、特別なスキルを使って異世界の皆と地球へ行き来したり、地球での家族と異世界へ行き来しながら、日本で得た知識や得意な家事(食事)などを、この世界でオールと一緒に自由にのんびりと生きて行こうと思います。
前半は転移する前の私生活から始まります。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる