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【テイラー】葬儀2
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葬儀中にも関わらず、ラオナはにやにやしながら、エレサーレ王太子殿下に話し掛けようと、歩き始めていた。
当然、要注意人物として、見張られていたラオナは、ナナリーとデリア侯爵家の騎士たちに確保された。
「何よ!触らないでよ!」
「黙りなさい!こちらもあなたになど触れたくもないわ!」
ナナリーが抑えた低い声で、ピシャリと言い切った。
「申し訳ございません、すぐに帰らせます」
駆け寄ったソラードは抑えた声で、低姿勢に謝った。フアナも横で、同じように頭を下げており、だがラオナは大きな声で抵抗した。
「はあ?折角、来てあげたのに!私は別に来たくもないのに、来てやったのよ!」
「いい加減にしろと言っているだろう」
「終わるまで、馬車に乗せて置きなさい」
「「は!」」
騎士に連れられたラオナを馬車に乗せて、外から開かないようにした。念のために警備を頼んでいたので、監視するように指示をした。
ラオナは開こうとして、ガチャガチャと暴れていたが、ご両親は葬儀くらい最後までいたいだろうというナナリーの配慮であった。
「注意を受けていたのに、申し訳ございませんでした」
「こんなことになるのではないかと思っておりました」
「申し訳ございません、いいわけもございません」
ナナリーはきっと両親は説明したのだろうが、ラオナには姉が亡くなったということですら、何も響かなかったのだろう。
王太子殿下に近付こうとする会話が聞こえて、早々に見限ることにした。
「ですが、お二人は最後まで出席されたいでしょうから、戻りましょう」
「ありがとうございます」
「ありがとうございます」
ソラードとフアナは帰りたくはないが、ラオナのせいで帰らなくてはならないと忌々しい思いだったが、ナナリーの配慮に小さく頭を下げた。
残された親戚もラオナの様子に、恥ずかしくてたまらなかった。
その他の者も、ラオナの声に驚きはしたが、あれかと思い、無視した。
そして、その後はラオナのような者はいないために、静かに葬儀は進み、無事に終わった。
ソラードとフアナは、埋葬があるために、ラオナは大人しく参列することはないだろうから、先に邸に帰して、馬車を戻ってくるようにしようと考えていた。
ナナリーにも事情を話し、こちらは構わないと言ってもらい、ラオナに話をするために扉を開けると、勢いよく飛び出した。
宛てもなく飛び出したのだろうが、物凄いスピードで、ディオエルのそばまで走っていた。当然、護衛が立ち塞がったが、おかげでラオナは知らない人だが、この人は高貴な方なのではないかと思った。
「ディオエル様」
ライシードの呼び掛けに、ラオナは皇帝陛下と気付いた。
さすがにテイラーが番かもしれないと聞いた時に、どんな顔なのか知りたくて、姿絵を探した。結局、見付からなかったが、名前だけは調べていた。
「え!皇帝陛下ですか!本物?えっ、凄い。私、ラオナ・エイクです!ええ、凄く格好いいですね!初めて見た、凄い~」
ラオナは初めて見るディオエルの精悍さに、くねくねと、しなを作りながら、媚びを売り始めた。
「…」
「あっ、そうだ!お姉様が番だなんて嘘だったんですよね?えっ、でも葬儀にどうしているの?あっ、可哀想だから?確かに可哀想な人ですもんね。ふふっ」
「…」
「もしかして、番を間違えたんですか?そんなことあるんですか?間違えるにしても、お姉様と間違えるなんて最悪ですよ?あっ、もうお姉様なんかじゃなかったわ!ただの平民だものね、ふふっ」
「は?」
ディオエルの声は、明らかに冷え切っていたが、捲し立てるラオナは気付かない。ソラードとフアナはあまりのスピードだったために、追い付けないでいた。
「テイラー嬢は、私の番だっ!!」
思わず、ディオエルは叫んでいた。
周りも驚いたが、その言葉にどうしてここにいるのかを静かに理解した。
当然、要注意人物として、見張られていたラオナは、ナナリーとデリア侯爵家の騎士たちに確保された。
「何よ!触らないでよ!」
「黙りなさい!こちらもあなたになど触れたくもないわ!」
ナナリーが抑えた低い声で、ピシャリと言い切った。
「申し訳ございません、すぐに帰らせます」
駆け寄ったソラードは抑えた声で、低姿勢に謝った。フアナも横で、同じように頭を下げており、だがラオナは大きな声で抵抗した。
「はあ?折角、来てあげたのに!私は別に来たくもないのに、来てやったのよ!」
「いい加減にしろと言っているだろう」
「終わるまで、馬車に乗せて置きなさい」
「「は!」」
騎士に連れられたラオナを馬車に乗せて、外から開かないようにした。念のために警備を頼んでいたので、監視するように指示をした。
ラオナは開こうとして、ガチャガチャと暴れていたが、ご両親は葬儀くらい最後までいたいだろうというナナリーの配慮であった。
「注意を受けていたのに、申し訳ございませんでした」
「こんなことになるのではないかと思っておりました」
「申し訳ございません、いいわけもございません」
ナナリーはきっと両親は説明したのだろうが、ラオナには姉が亡くなったということですら、何も響かなかったのだろう。
王太子殿下に近付こうとする会話が聞こえて、早々に見限ることにした。
「ですが、お二人は最後まで出席されたいでしょうから、戻りましょう」
「ありがとうございます」
「ありがとうございます」
ソラードとフアナは帰りたくはないが、ラオナのせいで帰らなくてはならないと忌々しい思いだったが、ナナリーの配慮に小さく頭を下げた。
残された親戚もラオナの様子に、恥ずかしくてたまらなかった。
その他の者も、ラオナの声に驚きはしたが、あれかと思い、無視した。
そして、その後はラオナのような者はいないために、静かに葬儀は進み、無事に終わった。
ソラードとフアナは、埋葬があるために、ラオナは大人しく参列することはないだろうから、先に邸に帰して、馬車を戻ってくるようにしようと考えていた。
ナナリーにも事情を話し、こちらは構わないと言ってもらい、ラオナに話をするために扉を開けると、勢いよく飛び出した。
宛てもなく飛び出したのだろうが、物凄いスピードで、ディオエルのそばまで走っていた。当然、護衛が立ち塞がったが、おかげでラオナは知らない人だが、この人は高貴な方なのではないかと思った。
「ディオエル様」
ライシードの呼び掛けに、ラオナは皇帝陛下と気付いた。
さすがにテイラーが番かもしれないと聞いた時に、どんな顔なのか知りたくて、姿絵を探した。結局、見付からなかったが、名前だけは調べていた。
「え!皇帝陛下ですか!本物?えっ、凄い。私、ラオナ・エイクです!ええ、凄く格好いいですね!初めて見た、凄い~」
ラオナは初めて見るディオエルの精悍さに、くねくねと、しなを作りながら、媚びを売り始めた。
「…」
「あっ、そうだ!お姉様が番だなんて嘘だったんですよね?えっ、でも葬儀にどうしているの?あっ、可哀想だから?確かに可哀想な人ですもんね。ふふっ」
「…」
「もしかして、番を間違えたんですか?そんなことあるんですか?間違えるにしても、お姉様と間違えるなんて最悪ですよ?あっ、もうお姉様なんかじゃなかったわ!ただの平民だものね、ふふっ」
「は?」
ディオエルの声は、明らかに冷え切っていたが、捲し立てるラオナは気付かない。ソラードとフアナはあまりのスピードだったために、追い付けないでいた。
「テイラー嬢は、私の番だっ!!」
思わず、ディオエルは叫んでいた。
周りも驚いたが、その言葉にどうしてここにいるのかを静かに理解した。
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