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私の恋、あなたの愛
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月日は流れ、ルノーとシエルは会うこともなく、ルノーは相変わらずだったが、シエルにも恋人が出来たり、上手くいかなくなって別れたり、また恋人が出来たが、遠距離になって別れてしまったりしていた。
マイニーも恋人が出来たが、喧嘩して別れてしまい、また番探しのパーティーに行くことになった。マイニーの場合は、ほぼ食事を目当てで行っているが、最低限の恋人がいない時だけということは守っている。
翌日、血相を変えたマイニーがシエルの元へ飛び込んで来た。
「番だって言われたの!」
「は?誰に?」
「マリオス・サンドール」
「っわ、大物!」
「そうなの、私でも顔は知っているし、侯爵家じゃない?私、子爵家」
マイニーは子爵家の令嬢で、弟がいるので、爵位は弟が継ぐことになっている。
マリオス・サンドールは五歳年上で、サンドール侯爵家の長男である。近衛騎士団に所属しており、黒髪に黒い瞳の端正な顔立ちをしており、上級生にも下級生にも人気があったと言われ、シエルやマイニーでも顔は知っている。
「待って、人柄はどうなの?」
「それが、良さそうなのよ。番が見付からないから、恋人がいたことはあるそうなんだけど…」
「今まで会わなかったってことよね?マイニーもそんなに参加していないものね」
「そうなの、パーティーで会ったのは初めて」
パーティーでは優生者は抑制剤を服用するが、番の感覚が薄い優生者でない者は抑制剤を服用せずに参加することになっている。ゆえにパーティー外で会った場合、相手が抑制剤を服用していると分からない。
パーティー以外でも見付けて欲しいと抑制剤を服用しない人もいるが、恋人や婚約者がいる場合は抑制剤を服用することがマナーである。
「私のことなら気にしないでね、いい人で、お互い結婚しているわけでもないんだから、マイニーが良いなら、お祝いするわよ」
「うーん、でも私、働きたいじゃない?そのために頑張って来たわけだし」
二人とも卒業後は働くために、医療看護科に在籍しており、もし結婚することになっても、子どもが生まれても働くつもりだった。
「でも、確かサンドール侯爵家って、お姉さんが継ぐのよね?」
「そう聞いたことがあるけど、聞いていない。でも番って…外出させてくれないとかも聞くじゃない?」
「ああ…」
他の誰にも見せたくないと、外出をさせず、社交界にも必要な場合は一人で行くという人もいる。生きているのかと疑われて、調査が入ることもある。
「昨日だって、番の確認が終わったら、そのまま侯爵家に連れて行かれそうになって、保留でって逃げて来ちゃったの」
「きちんと話してみたら?条件にしてみるとか?」
番で結婚して、働きに出ている人もいるが、裕福であればあるほど、わざわざ働かなくてもと思われることは多い。
「そうね、今日は邸に来るそうだから、話してみるわ。まさかこんなことになるとは思わなかったから、関わりたくないとか思わないでくれる?」
「当たり前じゃない」
「良かった…シエルに嫌われたらどうしようと思っていたの」
「マイニーは不可抗力じゃない」
シエルには番探しのパーティーに参加しないこと、番とは結婚したくないと言っている理由がある。
「それでも、やっぱり嫌かなって」
「マイニーが幸せなら、その方が嬉しいに決まっているじゃない」
「うーん、まだ実感はないけど…」
まんざらでもなさそうなマイニーに、きっと好意まではいかなくとも、これから育んでいけるくらいの良さは感じているのだろうと思った。
マイニーの幸せは私の幸せでもある。
マイニーも恋人が出来たが、喧嘩して別れてしまい、また番探しのパーティーに行くことになった。マイニーの場合は、ほぼ食事を目当てで行っているが、最低限の恋人がいない時だけということは守っている。
翌日、血相を変えたマイニーがシエルの元へ飛び込んで来た。
「番だって言われたの!」
「は?誰に?」
「マリオス・サンドール」
「っわ、大物!」
「そうなの、私でも顔は知っているし、侯爵家じゃない?私、子爵家」
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「待って、人柄はどうなの?」
「それが、良さそうなのよ。番が見付からないから、恋人がいたことはあるそうなんだけど…」
「今まで会わなかったってことよね?マイニーもそんなに参加していないものね」
「そうなの、パーティーで会ったのは初めて」
パーティーでは優生者は抑制剤を服用するが、番の感覚が薄い優生者でない者は抑制剤を服用せずに参加することになっている。ゆえにパーティー外で会った場合、相手が抑制剤を服用していると分からない。
パーティー以外でも見付けて欲しいと抑制剤を服用しない人もいるが、恋人や婚約者がいる場合は抑制剤を服用することがマナーである。
「私のことなら気にしないでね、いい人で、お互い結婚しているわけでもないんだから、マイニーが良いなら、お祝いするわよ」
「うーん、でも私、働きたいじゃない?そのために頑張って来たわけだし」
二人とも卒業後は働くために、医療看護科に在籍しており、もし結婚することになっても、子どもが生まれても働くつもりだった。
「でも、確かサンドール侯爵家って、お姉さんが継ぐのよね?」
「そう聞いたことがあるけど、聞いていない。でも番って…外出させてくれないとかも聞くじゃない?」
「ああ…」
他の誰にも見せたくないと、外出をさせず、社交界にも必要な場合は一人で行くという人もいる。生きているのかと疑われて、調査が入ることもある。
「昨日だって、番の確認が終わったら、そのまま侯爵家に連れて行かれそうになって、保留でって逃げて来ちゃったの」
「きちんと話してみたら?条件にしてみるとか?」
番で結婚して、働きに出ている人もいるが、裕福であればあるほど、わざわざ働かなくてもと思われることは多い。
「そうね、今日は邸に来るそうだから、話してみるわ。まさかこんなことになるとは思わなかったから、関わりたくないとか思わないでくれる?」
「当たり前じゃない」
「良かった…シエルに嫌われたらどうしようと思っていたの」
「マイニーは不可抗力じゃない」
シエルには番探しのパーティーに参加しないこと、番とは結婚したくないと言っている理由がある。
「それでも、やっぱり嫌かなって」
「マイニーが幸せなら、その方が嬉しいに決まっているじゃない」
「うーん、まだ実感はないけど…」
まんざらでもなさそうなマイニーに、きっと好意まではいかなくとも、これから育んでいけるくらいの良さは感じているのだろうと思った。
マイニーの幸せは私の幸せでもある。
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