16 / 131
男爵令嬢
しおりを挟む
エルドールとカイロスは教師に、オマリー・トドック男爵令嬢が異性の腕に触れることがあるので、無意識だとしても今後のためにも注意をして欲しいと話した。
オマリーのクラス担任であるケイズも、シックス侯爵令嬢とトドック男爵令嬢の揉め事があったことは把握していた
うるさかったようで、オズラール公爵令嬢までも怒らせてしまい、その後から学園にも来なくなってしまった。
どうするべきかと思っていたが、オズラール公爵令嬢は忙しく、学園はしばらく休む、その後も通うか分からないと、公爵家からも王家からも連絡が入った。
大丈夫なのかと思ったが、オズラール公爵令嬢のことは考えなくていいと学園長から通達があり、二人については様子を見ることにしていた。
だが、同じ生徒会の第二王子と公爵令息、当事者から訴えが出れば、話は変わって来る。副担任であるジーディーと共に、オマリーと話をすることにした。
「トドック男爵令嬢に許可を得ず、異性の腕に触れることがある。止めて欲しいという訴えが出ております」
「えっ?」
オマリーは大きな目を、零れ落ちそうなほど大きく見開いた。
「身に覚えがありますか?」
「えっ、いえ」
オマリーは思い出しているのか、右上を見ながら考え始めた。
「もしかしたら、無意識にしていたかもしれません。申し訳ございません」
「無意識ですか?」
「はい。子どもの頃に声が小さいと言われることが多くて、腕や手を持って呼ぶことがあったので、そのせいかもしれません。申し訳ありません」
「目上の方、婚約者がいる方にそのようなことをすれば、最悪、不審者として扱われることもあります」
「そんな…何てことを」
両手で口元を押さえて、オマリーは驚いた表情をし、どうしようどうしようと、小さな声で言った。
「理解は出来ましたか?許可も得ず、勝手に触れてはいけません」
「はい、今後は気を付けます。申し訳ありませんでした」
「よろしくお願いします、もう戻っていいですよ」
出て行く前に、オマリーはもう一度謝罪し、さらに一言付け加えた。
「婚約者の方に申し訳ありませんでしたと、お伝えください」
オマリーはそのまま出て行ったが、ケイズとジーディーは、訝し気な顔になり、ゆっくりと顔を見合わせた。
「今のは…本当に無意識なのでしょうか?」
「ああ、一気に怪しくなりましたね。令嬢から訴えがあったと思っているのか、それとも令息から訴えがあり、謝っているのか…」
令息の婚約者である令嬢から訴えがあり、謝罪しているのか。婚約者のいる令息に触れてしまって、申し訳ないという意味なのか。ケイズは眉間に皺を寄せた。
「大丈夫でしょうか?」
「まともな令嬢だと思っていたのだけどね…気に入られたいのか」
「そう言った部分は、頭が良くても関係ありませんからね。子どもの頃の話も、最もらしいことを言っていましたが、怪しいと思ってしまいました」
「ええ、まあどんな理由でも許されることでありませんからね。改めないようであれば、また考えましょう」
「そうですね」
注意をして、理解をしたと言った以上、ひとまず信じるしかない。
エルドールとカイロスも、ケイズ先生から注意をして、本人も理解したと話したと聞き、この問題は終わりになると思っていた。
オマリーは周りに人がいる場合は、触れたりすることはなくなったが、周りの人目がないと、やはり呼ぶ際に腕に触れて来るようになったのである。
エルドールとカイロスも注意したり、振り払ったりすれば、生徒会に居づらくなるだろうと、どうしたものかと思っていた。
もう一度、教師に注意して貰おうかとも思ったが、二人きりは元々あまりなかったが、エルドールとカイロスは一緒に行動し、オマリーとは距離を取ることにした。
オマリーのクラス担任であるケイズも、シックス侯爵令嬢とトドック男爵令嬢の揉め事があったことは把握していた
うるさかったようで、オズラール公爵令嬢までも怒らせてしまい、その後から学園にも来なくなってしまった。
どうするべきかと思っていたが、オズラール公爵令嬢は忙しく、学園はしばらく休む、その後も通うか分からないと、公爵家からも王家からも連絡が入った。
大丈夫なのかと思ったが、オズラール公爵令嬢のことは考えなくていいと学園長から通達があり、二人については様子を見ることにしていた。
だが、同じ生徒会の第二王子と公爵令息、当事者から訴えが出れば、話は変わって来る。副担任であるジーディーと共に、オマリーと話をすることにした。
「トドック男爵令嬢に許可を得ず、異性の腕に触れることがある。止めて欲しいという訴えが出ております」
「えっ?」
オマリーは大きな目を、零れ落ちそうなほど大きく見開いた。
「身に覚えがありますか?」
「えっ、いえ」
オマリーは思い出しているのか、右上を見ながら考え始めた。
「もしかしたら、無意識にしていたかもしれません。申し訳ございません」
「無意識ですか?」
「はい。子どもの頃に声が小さいと言われることが多くて、腕や手を持って呼ぶことがあったので、そのせいかもしれません。申し訳ありません」
「目上の方、婚約者がいる方にそのようなことをすれば、最悪、不審者として扱われることもあります」
「そんな…何てことを」
両手で口元を押さえて、オマリーは驚いた表情をし、どうしようどうしようと、小さな声で言った。
「理解は出来ましたか?許可も得ず、勝手に触れてはいけません」
「はい、今後は気を付けます。申し訳ありませんでした」
「よろしくお願いします、もう戻っていいですよ」
出て行く前に、オマリーはもう一度謝罪し、さらに一言付け加えた。
「婚約者の方に申し訳ありませんでしたと、お伝えください」
オマリーはそのまま出て行ったが、ケイズとジーディーは、訝し気な顔になり、ゆっくりと顔を見合わせた。
「今のは…本当に無意識なのでしょうか?」
「ああ、一気に怪しくなりましたね。令嬢から訴えがあったと思っているのか、それとも令息から訴えがあり、謝っているのか…」
令息の婚約者である令嬢から訴えがあり、謝罪しているのか。婚約者のいる令息に触れてしまって、申し訳ないという意味なのか。ケイズは眉間に皺を寄せた。
「大丈夫でしょうか?」
「まともな令嬢だと思っていたのだけどね…気に入られたいのか」
「そう言った部分は、頭が良くても関係ありませんからね。子どもの頃の話も、最もらしいことを言っていましたが、怪しいと思ってしまいました」
「ええ、まあどんな理由でも許されることでありませんからね。改めないようであれば、また考えましょう」
「そうですね」
注意をして、理解をしたと言った以上、ひとまず信じるしかない。
エルドールとカイロスも、ケイズ先生から注意をして、本人も理解したと話したと聞き、この問題は終わりになると思っていた。
オマリーは周りに人がいる場合は、触れたりすることはなくなったが、周りの人目がないと、やはり呼ぶ際に腕に触れて来るようになったのである。
エルドールとカイロスも注意したり、振り払ったりすれば、生徒会に居づらくなるだろうと、どうしたものかと思っていた。
もう一度、教師に注意して貰おうかとも思ったが、二人きりは元々あまりなかったが、エルドールとカイロスは一緒に行動し、オマリーとは距離を取ることにした。
5,335
あなたにおすすめの小説
「君は地味な裏方だ」と愛人を優遇するサイコパス気質の夫。〜私が去った後、商会の技術が全て私の手によるものだと気づいても、もう手遅れです〜
水上
恋愛
「君は地味だから裏方に徹しろ」
効率主義のサイコパス気質な夫は、妻であるクララの磨いた硝子を愛人の手柄にし、クララを工房に幽閉した。
彼女は感情を捨て、機械のように振る舞う。
だが、クララの成果を奪い取り、夫が愛人を壇上に上げた夜、クララの心は完全に凍りついた。
彼に残した書き置きは一通のみ。
クララが去った後、商会の製品はただの石ころに戻り、夫の計算は音を立てて狂い始める。
これは、深い絶望と、遅すぎた後悔の物語。
【完結】え、別れましょう?
須木 水夏
恋愛
「実は他に好きな人が出来て」
「は?え?別れましょう?」
何言ってんだこいつ、とアリエットは目を瞬かせながらも。まあこちらも好きな訳では無いし都合がいいわ、と長年の婚約者(腐れ縁)だったディオルにお別れを申し出た。
ところがその出来事の裏側にはある双子が絡んでいて…?
だる絡みをしてくる美しい双子の兄妹(?)と、のんびりかつ冷静なアリエットのお話。
※毎度ですが空想であり、架空のお話です。史実に全く関係ありません。
ヨーロッパの雰囲気出してますが、別物です。
【完結】長い眠りのその後で
maruko
恋愛
伯爵令嬢のアディルは王宮魔術師団の副団長サンディル・メイナードと結婚しました。
でも婚約してから婚姻まで一度も会えず、婚姻式でも、新居に向かう馬車の中でも目も合わせない旦那様。
いくら政略結婚でも幸せになりたいって思ってもいいでしょう?
このまま幸せになれるのかしらと思ってたら⋯⋯アレッ?旦那様が2人!!
どうして旦那様はずっと眠ってるの?
唖然としたけど強制的に旦那様の為に動かないと行けないみたい。
しょうがないアディル頑張りまーす!!
複雑な家庭環境で育って、醒めた目で世間を見ているアディルが幸せになるまでの物語です
全50話(2話分は登場人物と時系列の整理含む)
※他サイトでも投稿しております
ご都合主義、誤字脱字、未熟者ですが優しい目線で読んで頂けますと幸いです
※表紙 AIアプリ作成
手放してみたら、けっこう平気でした。
朝山みどり
恋愛
エリザ・シスレーは伯爵家の後継として、勉強、父の手伝いと努力していた。父の親戚の婚約者との仲も良好で、結婚する日を楽しみしていた。
そんなある日、父が急死してしまう。エリザは学院をやめて、領主の仕事に専念した。
だが、領主として努力するエリザを家族は理解してくれない。彼女は家族のなかで孤立していく。
公爵令嬢は結婚式当日に死んだ
白雲八鈴
恋愛
今日はとある公爵令嬢の結婚式だ。幸せいっぱいの公爵令嬢の前に婚約者のレイモンドが現れる。
「今日の結婚式は俺と番であるナタリーの結婚式に変更だ!そのドレスをナタリーに渡せ!」
突然のことに公爵令嬢は何を言われたのか理解できなかった。いや、したくなかった。
婚約者のレイモンドは番という運命に出逢ってしまったという。
そして、真っ白な花嫁衣装を脱がされ、そのドレスは番だという女性に着させられる。周りの者達はめでたいと大喜びだ。
その場所に居ることが出来ず公爵令嬢は外に飛び出し……
生まれ変わった令嬢は復讐を誓ったのだった。
婚約者とその番という女性に
『一発ぐらい思いっきり殴ってもいいですわね?』
そして、つがいという者に囚われた者の存在が現れる。
*タグ注意
*不快であれば閉じてください。
三年の想いは小瓶の中に
月山 歩
恋愛
結婚三周年の記念日だと、邸の者達がお膳立てしてくれた二人だけのお祝いなのに、その中心で一人夫が帰らない現実を受け入れる。もう彼を諦める潮時かもしれない。だったらこれからは自分の人生を大切にしよう。アレシアは離縁も覚悟し、邸を出る。
※こちらの作品は契約上、内容の変更は不可であることを、ご理解ください。
【完結】私は側妃ですか? だったら婚約破棄します
hikari
恋愛
レガローグ王国の王太子、アンドリューに突如として「側妃にする」と言われたキャサリン。一緒にいたのはアトキンス男爵令嬢のイザベラだった。
キャサリンは婚約破棄を告げ、護衛のエドワードと侍女のエスターと共に実家へと帰る。そして、魔法使いに弟子入りする。
その後、モナール帝国がレガローグに侵攻する話が上がる。実はエドワードはモナール帝国のスパイだった。後に、エドワードはモナール帝国の第一皇子ヴァレンティンを紹介する。
※ざまあの回には★がついています。
白い結婚の末、離婚を選んだ公爵夫人は二度と戻らない』
鍛高譚
恋愛
白い結婚の末、「白い結婚」の末、私は冷遇され、夫は愛人を溺愛していた――ならば、もう要らないわ」
公爵令嬢 ジェニファー・ランカスター は、王弟 エドワード・クラレンス公爵 のもとへ政略結婚として嫁ぐ。
だが、その結婚生活は冷たく空虚なものだった。夫は愛人 ローザ・フィッツジェラルド に夢中になり、公爵夫人であるジェニファーは侮辱され、無視され続ける日々。
――それでも、貴族の娘は耐えなければならないの?
何の愛もなく、ただ飾り物として扱われる結婚に見切りをつけたジェニファーは 「離婚」 を決意する。
しかし、王弟であるエドワードとの離婚は容易ではない。実家のランカスター家は猛反対し、王宮の重臣たちも彼女の決断を 「公爵家の恥」 と揶揄する。
それでも、ジェニファーは負けない。弁護士と協力し、着々と準備を進めていく。
そんな折、彼女は北方の大国 ヴォルフ公国の大公、アレクサンダー・ヴォルフ と出会う。
温かく誠実な彼との交流を通じて、ジェニファーは 「本当に大切にされること」 を知る。
そして、彼女の決断は、王都の社交界に大きな波紋を呼ぶこととなる――。
「公爵夫人を手放したことを、いつか後悔しても遅いわ」
「私はもう、あなたたちの飾り人形じゃない」
離婚を巡る策略、愛人の凋落、元夫の後悔――。
そして、新たな地で手にした 「愛される結婚」。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる