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抗議4
「ずっとあのような状態なのか?」
「いえ、ずっとということはなかったのですが……ただ、その再婚したいとは思っていたようです……」
「いなかったのか?」
「はい、お話はあるにはあったのですが、上手くいかなかったのです」
若くに離縁になったために再婚の話がなかったわけではなかった。ポーリンクが断る場合もあったが、向こうから断れることもあった。
「失礼だが、離縁は子息女のせいだったのか?」
正直、ポーリンクの離縁の理由に興味はないが、事実を知っておきたかった。
「はい……子どもが産めなかったからと言われていたのも事実ですが、ポーリンクに問題があったわけではないのです。それよりも自分が望まれて結婚したからと、横柄な態度を取っていたようで……そのような状態では子どもができるような行為も難しくなると言いますか……」
マクシューとメイファスは深堀する気はないが、なんとなくの様子が分かった。
「そうだったのか」
「求められて結婚したのですか?」
メイファスも仮婚約がなくなってから、早い段階で婚約をしたとは思っていたが、それでも願われて結婚したのなら、聞いた離縁の理由は不思議であった。だが、横柄な態度に嫌になったのかと相手のことを考えていた。
「実はそれも利害関係の一致だったのです。ですが、結婚した時のポーリンクは望まれたと思っておりまして、今はそうではなかったと分かっていると思います」
「それで利害が一致すると言っていたのですね」
子どもが産めないからという理由かと思っていたが、それだけではなく元夫への当て擦りだったのか。
「そのようなことを、失礼いたしました……」
「伯爵は分かっていなかったのか?」
「これまでも再婚を断られることはあったのです。それでも受け入れてきたので、二度目は特に強く叱りつけました。王女殿下が嫁がれるような家に受け入れてもらえるはずがないと……本人も分かったと言っておりました。ですが……」
「仮婚約せいか?」
「はい。大変恐れ多いことでございますが、娘の中で自分勝手な勝算があると考えたのだと思います」
仮婚約をしていた関係ではあったが、その時から大きな爵位の差があった。しかも仮婚約ということで、様子を見ることも含まれるために積極的に両家は親しくなる機会を設けたりすることもなかった。
ゆえにマクシューとメイファス、アジスラは今も昔も他人と変わらず、同じ関係性のままである。
そして、メイファスとポーリンクも仮婚約の際も恋人のような関係でもなく、爛れた関係を持っていた彼も彼女とはそう言った男女の関係には一切なっていない。
手を出す気はなかったが、今となっては本当に良かったと思っている。
「下に見られたものだな、孫は王女殿下の息子だというのに」
「はい、お孫様にもご迷惑をお掛けして申し訳ございません」
「どうするつもりだ?」
「はい、あの……ご希望はございますか?」
アジスラは二人が訪ねて来てから、ポーリンクをどうするべきかとはずっと頭の中にあった。だが、モンカール公爵家の意向を聞くべきではないかと、恐る恐る問うことにした。
「こちらは子息女がモンカール公爵家に関わって来なければいい。さすがに伯爵もこのままにはしないだろう?」
「はい、勿論です。以前は遠くに嫁がせることも考えていたのですが、修道院へ入れるのがいいと考えております」
「そうか」
「申し訳ございません。最初から遠くにやっていれば、このようなことにはならなかったと思っております」
一度目に注意をした際に、すぐに遠くに再婚ではなく離しておけば良かったと後悔はずっと感じていた。二度目は妻と息子と一緒に叱りつけ、さすがに反省しているようだった。
さすがに年若い娘でもないために理解したと思っていたが、見誤っていた。
「いえ、ずっとということはなかったのですが……ただ、その再婚したいとは思っていたようです……」
「いなかったのか?」
「はい、お話はあるにはあったのですが、上手くいかなかったのです」
若くに離縁になったために再婚の話がなかったわけではなかった。ポーリンクが断る場合もあったが、向こうから断れることもあった。
「失礼だが、離縁は子息女のせいだったのか?」
正直、ポーリンクの離縁の理由に興味はないが、事実を知っておきたかった。
「はい……子どもが産めなかったからと言われていたのも事実ですが、ポーリンクに問題があったわけではないのです。それよりも自分が望まれて結婚したからと、横柄な態度を取っていたようで……そのような状態では子どもができるような行為も難しくなると言いますか……」
マクシューとメイファスは深堀する気はないが、なんとなくの様子が分かった。
「そうだったのか」
「求められて結婚したのですか?」
メイファスも仮婚約がなくなってから、早い段階で婚約をしたとは思っていたが、それでも願われて結婚したのなら、聞いた離縁の理由は不思議であった。だが、横柄な態度に嫌になったのかと相手のことを考えていた。
「実はそれも利害関係の一致だったのです。ですが、結婚した時のポーリンクは望まれたと思っておりまして、今はそうではなかったと分かっていると思います」
「それで利害が一致すると言っていたのですね」
子どもが産めないからという理由かと思っていたが、それだけではなく元夫への当て擦りだったのか。
「そのようなことを、失礼いたしました……」
「伯爵は分かっていなかったのか?」
「これまでも再婚を断られることはあったのです。それでも受け入れてきたので、二度目は特に強く叱りつけました。王女殿下が嫁がれるような家に受け入れてもらえるはずがないと……本人も分かったと言っておりました。ですが……」
「仮婚約せいか?」
「はい。大変恐れ多いことでございますが、娘の中で自分勝手な勝算があると考えたのだと思います」
仮婚約をしていた関係ではあったが、その時から大きな爵位の差があった。しかも仮婚約ということで、様子を見ることも含まれるために積極的に両家は親しくなる機会を設けたりすることもなかった。
ゆえにマクシューとメイファス、アジスラは今も昔も他人と変わらず、同じ関係性のままである。
そして、メイファスとポーリンクも仮婚約の際も恋人のような関係でもなく、爛れた関係を持っていた彼も彼女とはそう言った男女の関係には一切なっていない。
手を出す気はなかったが、今となっては本当に良かったと思っている。
「下に見られたものだな、孫は王女殿下の息子だというのに」
「はい、お孫様にもご迷惑をお掛けして申し訳ございません」
「どうするつもりだ?」
「はい、あの……ご希望はございますか?」
アジスラは二人が訪ねて来てから、ポーリンクをどうするべきかとはずっと頭の中にあった。だが、モンカール公爵家の意向を聞くべきではないかと、恐る恐る問うことにした。
「こちらは子息女がモンカール公爵家に関わって来なければいい。さすがに伯爵もこのままにはしないだろう?」
「はい、勿論です。以前は遠くに嫁がせることも考えていたのですが、修道院へ入れるのがいいと考えております」
「そうか」
「申し訳ございません。最初から遠くにやっていれば、このようなことにはならなかったと思っております」
一度目に注意をした際に、すぐに遠くに再婚ではなく離しておけば良かったと後悔はずっと感じていた。二度目は妻と息子と一緒に叱りつけ、さすがに反省しているようだった。
さすがに年若い娘でもないために理解したと思っていたが、見誤っていた。
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