【完結】メイド・マイ・デイ

野村にれ

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誰のせい

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「そんな、叔母さん大丈夫よね」
「そう信じるしかないじゃない。誠一叔父さんは何しているの?」
「どこかで煙草でも吸っているんじゃないか?」
「はあ……」

 姉妹も美里のことは手を焼いていたが、注意しても、その場ではごめんごめんというが、直ることはないと思っていた。

 誠一は色んな部屋をうろうろとしていたが、握っていたスマートフォンが鳴り始めて、表示画面を見ると、詠と表示されていた。

「もしもし」
「お母さん、亡くなったよ」
「は?死んだのか?」

 誠一の声しか聞こえないが、その言葉に皆、作業や動きを止めた。

「そうよ。ストレス、過労、睡眠不足が原因だって」
「睡眠不足?」

 その言葉に準備をしていた美里は、ビクリとした。

「美里伯母さんが連日、長電話して来ていたんだって、美里叔母さんは専業主婦だからいいけど、お母さんはパートにも行って、そんな状態で酷いストレスが掛かって、心臓に負担が掛かったせいだろうって」

 詠が病院に到着した時には、心臓マッサージをされている状態で、話もできないまま美月は死亡確認をされた。

 京は泣いてはいなかったが、苦しそうな顔をしていた。

 心臓に持病はないか聞かされたが、聞いたことはないことを話すと、かかりつけ医を伝えると、連絡を取ってくれたようで、関係するような病気はなかった。

 それでも、心臓も心電図を取ったことがあったくらいで、詳しく調べたことはなく、もしかしたら悪くなっていたのかもしれない。

 さらに、京は美里と話していた時に倒れたことを話すと、ストレスが引き金になったのだとも言われることになった。

 詠は誠一よりも先に、祖母にも連絡をしていた。

 美月から美里から毎日長電話で、睡眠時間が減って困っていると聞かされていたことを聞き、医師に話すと睡眠不足と過労もあったのでしょうと、説明を受けた。

「そんなこと、元から悪かったんじゃないか」
「そうだとしても、亡くなったのは負担のせいだってお医者さんが言っているの」
「お前は何でそんなに落ち着いている」
「冷静に話さないと分からないでしょう、怒鳴り付けられたいの?」
「美里のせいだっていうのか!」

 電話に集中していた誠一は思わず、電話に怒鳴っていたが、周りは美里のせいだということなのかという空気が流れ始めた。

「ポケットに入っていたお母さんのスマホ見たら、美里伯母さんの名前が並んでいたわ。メッセージ画面もメッセージや写真がいっぱいよ?自慢の宝庫」
「っな」
「お父さん知らなかったの?お母さんに相談されたんじゃないの?」
「知らん」

 本当は誠一は美月に美里から連日電話がかかって来て、困っていると聞いていた。だが、花穂の妊娠のことで聞きたいことがあるのだろうと、相談くらい乗ってやれと言ったのである。

「葬儀はどうするの?どちらに運べばいいかって」
「お前ッ!そんなことを立て続けに言われても決められるわけがないだろう!」
「じゃあ、誰かに代わってよ」
「いや、葬儀社に連絡をする」
「こざと葬儀社?」
「ああ」
「じゃあ、こっちから連絡するわ。来てもらわないといけないから」

 そのまま、詠は通話を終えて、誠一はその場にまた立ち尽くした。

「誠一、美月さん、亡くなったの?」
「ああ」
「そんな」
「ああ!何なんだよ!」
「お前は行かなくていいの?」
「詠が連絡するってさ、今日は父さんの誕生日祝いだったのに!何なんだよ!」

 皆、美里のせいという言葉に怪訝な目を向けていたが、誠一にも同じように向けられることになった。

「そんなこと言っても、仕方ないのないことでしょう。また今度改めてにしましょう、ねっ」

 誠一と美里の母親である加奈代は、誠一を落ち着かせようと言ったことであったが、それも場違いであった。

 今日の主役だった力人は、何も言わないまま、その様子をずっと見ていた。
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