【完結】メイド・マイ・デイ

野村にれ

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ついに

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「遅れてしまい申し訳ありません、皆様もうお集りですよね」

 英仁の目が大きく開かれ、言葉にならないまま、口を開いた。

「君だ……」
「そんな!嘘っ!そんなはずないわ!嫌よ、ふざけないで」

 涼希は大きな声で叫び、半狂乱になり、皆もどうするのだと、孫世代はそんなまさかと絶望の瞬間であった。

「英仁、認識しているのか?」
「ああ、彼女こそが……ああ、運命の相手だ」

 皆の視線が、詠に集まり、その間も涼希は半狂乱のままで、花穂が抱きしめて、背中を擦っていた。

「どうされたのですか?」
「詠が英仁さんの運命の相手だと言っているんだ」

 誠一だけが目を血走らせながら、詠を見つめて言った。

「え?彼は涼ちゃんの夫でしょう?」
「間違いだったんだ」
「間違いだったって決まったわけではないわ!そうですよね?」

 美里が誠一の言葉を遮った。

「はい、まだ運命の相手と認識をされたってことだけです。詠さん、何か心当たりがありますか?」
「心当たり、ですか?」

 詠は不思議そうな顔をして、光峯を見つめた。

「英仁は涼希さんを運命の相手の認識できなくなっているのは聞いていますよね?」
「ええ」
「今、涼希さんではなく、あなたを運命の相手だと認識していることについてです」
「運命の……」
「そうだ、君が運命の相手だ」
「英仁さんッ!そんなこと、間違いでしょう!」

 涼希は詠を睨み、英仁に向かって訴えたが、英仁はもう詠しか見ておらず、風蓮が抑えているが、抱きしめに行きたい衝動でいっぱいであった。

「詠……三島詠」
「違うわ、史南ふみな詠よ!結婚しているの!子どももいるの!おかしいわ!」
「そうでしたね、結婚して、子どももいらっしゃる」

 光峯はまだ血縁者にいることは半信半疑であったために、従姉妹である詠が認識されると思っておらず、夫と子供がいることを忘れていた。

「そうです!何かが狂っただけです!私が運命の相手よ!五年も一緒にいたのよ!」
「そうです!涼希ではなく、詠だなんて……あり得ないわ」
「そんな、そんなはずないわ」

 まるで台詞のように言ったのは、涼希ではなく、詠であり、皆は冗談を言うようなタイプでもないのに、どうしたのかと、少し呆気に取られた。

「違うに決まっています」
「いや、現状、あなたが運命の相手だと認識されていることは間違いないでしょう」
「私が運命の相手なんて、涼ちゃんの旦那様なのに」
「姉さん……?」
「詠……?」

 いつも落ち着いている詠も動揺しているのかと思ったが、どこか様子のおかしさを感じていた。

「だってそうでしょう?妖様の運命の相手なのに、そんな私だなんて」
「まだ決まったわけではありません」

 光峯は普段の詠を知らないために、騒いでいるのだと思い、忠告を行った。

「そうだったのですか?申し訳ありません」

 やはりわざとだったのかと、落ち着いた様子に戻って謝罪した。だが、そんなことをした理由が分からない。

「とんでもないことになりましたね、間違いの可能性はどのくらいあるのですか?」
「それはまだ分かりません」
「分からないのですか?妖様のことなのに、分からないのですか?」
「こんなことは、まずないことですから」

 詠はさすがにフフッと笑い始め、堪えきれなくなった。

「あははははははは」
「詠ちゃん?」
「もういいかしらね、馬鹿馬鹿しくなって来ちゃった」
「詠?」
「詠ちゃん?」

 祖父母世代も、親世代も、孫世代も詠の言葉に何を言っているのかと、自分の未来を思い、おかしくなったのかと思った。

「ああ、面白い。最高のフィナーレになりそうね」
「どういう……」
「どういうことですか、あなたは何か知っているのですか」

 涼希と美里は茫然とし、皆も困惑していたが、光峯は英仁のような感情はないために、強い口調で問い掛けた。
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