【完結】メイド・マイ・デイ

野村にれ

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不妊治療2

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「もっと早くから始めていたら、違ったかもしれないじゃない!ママの言うことを聞かないからよ!もうだから言ったじゃない……」
「そんなの分からないでしょう!ママは医者なの?もうそんなことばかり言うなら、もういい」
「っあ、もう言わないわ」

 涼希と美里は会っていなかったわけではないが、妊娠のことは聞いても、その話はしたくないと話すことはなかった。ようやく話してくれたのに、また話してくれなくなったら困ると思い、我慢することにした。

「それで、不妊治療をしているのね」
「そうよ」
「だったらきっとできるわよ、できるまで続ければいいんだから。何かあったら、ママが付き合うから」

 また自分が出すわけではないのに、当然のように言うことに腹は立ったが、言い返すことはしなかった。

「ママはいいよ、そうやって口だけ出したいだけでしょう?結局、お金のことからは逃げたものね」
「逃げたわけじゃないわ、でももっと早く言ってくれていたら、お金以外のことだったら、力になれたのに」
「話をしただけだから、送り迎えもしてくれるし」
「でも、辛いのでしょう?ママが付き添うわ」
「大丈夫だから」

 美里が黙っているはずもなく、あれこれ言われる方が、ストレスになる。

「分かったわ、じゃあ、ママにも教えて頂戴ね」
「分かったわ」

 駄目だった場合に報告することが、どれだけ辛いか美里は分かっていない。だが美里にずっと黙っているのもと思い、話すことにしたが、既に後悔していた。

 涼希も英仁と結婚して、絶対に幸せになれると思った。

 英仁は優し過ぎるほどで、家事などもお手伝いさんが既にいたために、ほとんど家事などしたことのなかった涼希が困るようなこともなかった。

 それでも、料理は喜んでもらえるのではないかと、時々作るようにしている。

 それこそ、ドラマや映画、漫画でしかあり得ない君は何もしなくていい、いてくれるだけでいいという生活。欲しいものは何でも手に入る生活である。

 妖様と結婚したことで、友人たちからも連絡は多く、英仁が仕事で忙しい時でも、寂しさを感じることはあまりなかった。

 友人たちは口々に羨ましいと言い、最初は優越感もあったが、涼希も本当にそう思っている。

 ただ、英仁に長生きして欲しいとだけは言われており、健康診断はもちろんのこと、少しでも具合が悪いとすぐに往診や、病院に行くように言われる。

 それほどに愛されている。

 だが、当たり前にいずれできると思っていた子どもだけは、いつまで経ってもできなかった。美里の思惑のようで嫌だったが、検査は受けた。

 問題ないとされてから、生理が遅れることがある度に、もしかしてと思ったが、できていたことはなかった。

 それに加えて、天宮家側は何も言うことはなく、父や姉、田生家側は何も言って来ないが、美里と祖父母の子どもはまだかばかりで辛かった。

 花穂は子どもを産んでいることから、涼希に気を使っている様子すらあった。だが、涼希も姪は可愛いので、よく会いに行っていた。

 誠一も前は会う度に言って来ていたが、美月が亡くなってからは言って来ることはなくなった。

 特に美里は本当に嫌だった、子どもができて当たり前から、次は知ったかぶりの不妊治療。ついに花穂の病室で、限界を迎えた。

 いつものことだが、美月のことがあったのに、反省する様子もなく、この人は変わらないのだと思い知った。

 英仁は子どものことも子孫がいることもあるが、それは表向きで、涼希の体に負担を掛けたくないということの方が強く、不妊治療も前向きではなかった。

 それでも涼希も愛する人との子どもが欲しいと訴えて、行うことになった。

 だが、体外受精を三回行っても、成功することはなく、しばらく休むことになった。その間に、涼希は30歳を迎えていた。
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