17 / 70
不妊治療2
しおりを挟む
「もっと早くから始めていたら、違ったかもしれないじゃない!ママの言うことを聞かないからよ!もうだから言ったじゃない……」
「そんなの分からないでしょう!ママは医者なの?もうそんなことばかり言うなら、もういい」
「っあ、もう言わないわ」
涼希と美里は会っていなかったわけではないが、妊娠のことは聞いても、その話はしたくないと話すことはなかった。ようやく話してくれたのに、また話してくれなくなったら困ると思い、我慢することにした。
「それで、不妊治療をしているのね」
「そうよ」
「だったらきっとできるわよ、できるまで続ければいいんだから。何かあったら、ママが付き合うから」
また自分が出すわけではないのに、当然のように言うことに腹は立ったが、言い返すことはしなかった。
「ママはいいよ、そうやって口だけ出したいだけでしょう?結局、お金のことからは逃げたものね」
「逃げたわけじゃないわ、でももっと早く言ってくれていたら、お金以外のことだったら、力になれたのに」
「話をしただけだから、送り迎えもしてくれるし」
「でも、辛いのでしょう?ママが付き添うわ」
「大丈夫だから」
美里が黙っているはずもなく、あれこれ言われる方が、ストレスになる。
「分かったわ、じゃあ、ママにも教えて頂戴ね」
「分かったわ」
駄目だった場合に報告することが、どれだけ辛いか美里は分かっていない。だが美里にずっと黙っているのもと思い、話すことにしたが、既に後悔していた。
涼希も英仁と結婚して、絶対に幸せになれると思った。
英仁は優し過ぎるほどで、家事などもお手伝いさんが既にいたために、ほとんど家事などしたことのなかった涼希が困るようなこともなかった。
それでも、料理は喜んでもらえるのではないかと、時々作るようにしている。
それこそ、ドラマや映画、漫画でしかあり得ない君は何もしなくていい、いてくれるだけでいいという生活。欲しいものは何でも手に入る生活である。
妖様と結婚したことで、友人たちからも連絡は多く、英仁が仕事で忙しい時でも、寂しさを感じることはあまりなかった。
友人たちは口々に羨ましいと言い、最初は優越感もあったが、涼希も本当にそう思っている。
ただ、英仁に長生きして欲しいとだけは言われており、健康診断はもちろんのこと、少しでも具合が悪いとすぐに往診や、病院に行くように言われる。
それほどに愛されている。
だが、当たり前にいずれできると思っていた子どもだけは、いつまで経ってもできなかった。美里の思惑のようで嫌だったが、検査は受けた。
問題ないとされてから、生理が遅れることがある度に、もしかしてと思ったが、できていたことはなかった。
それに加えて、天宮家側は何も言うことはなく、父や姉、田生家側は何も言って来ないが、美里と祖父母の子どもはまだかばかりで辛かった。
花穂は子どもを産んでいることから、涼希に気を使っている様子すらあった。だが、涼希も姪は可愛いので、よく会いに行っていた。
誠一も前は会う度に言って来ていたが、美月が亡くなってからは言って来ることはなくなった。
特に美里は本当に嫌だった、子どもができて当たり前から、次は知ったかぶりの不妊治療。ついに花穂の病室で、限界を迎えた。
いつものことだが、美月のことがあったのに、反省する様子もなく、この人は変わらないのだと思い知った。
英仁は子どものことも子孫がいることもあるが、それは表向きで、涼希の体に負担を掛けたくないということの方が強く、不妊治療も前向きではなかった。
それでも涼希も愛する人との子どもが欲しいと訴えて、行うことになった。
だが、体外受精を三回行っても、成功することはなく、しばらく休むことになった。その間に、涼希は30歳を迎えていた。
「そんなの分からないでしょう!ママは医者なの?もうそんなことばかり言うなら、もういい」
「っあ、もう言わないわ」
涼希と美里は会っていなかったわけではないが、妊娠のことは聞いても、その話はしたくないと話すことはなかった。ようやく話してくれたのに、また話してくれなくなったら困ると思い、我慢することにした。
「それで、不妊治療をしているのね」
「そうよ」
「だったらきっとできるわよ、できるまで続ければいいんだから。何かあったら、ママが付き合うから」
また自分が出すわけではないのに、当然のように言うことに腹は立ったが、言い返すことはしなかった。
「ママはいいよ、そうやって口だけ出したいだけでしょう?結局、お金のことからは逃げたものね」
「逃げたわけじゃないわ、でももっと早く言ってくれていたら、お金以外のことだったら、力になれたのに」
「話をしただけだから、送り迎えもしてくれるし」
「でも、辛いのでしょう?ママが付き添うわ」
「大丈夫だから」
美里が黙っているはずもなく、あれこれ言われる方が、ストレスになる。
「分かったわ、じゃあ、ママにも教えて頂戴ね」
「分かったわ」
駄目だった場合に報告することが、どれだけ辛いか美里は分かっていない。だが美里にずっと黙っているのもと思い、話すことにしたが、既に後悔していた。
涼希も英仁と結婚して、絶対に幸せになれると思った。
英仁は優し過ぎるほどで、家事などもお手伝いさんが既にいたために、ほとんど家事などしたことのなかった涼希が困るようなこともなかった。
それでも、料理は喜んでもらえるのではないかと、時々作るようにしている。
それこそ、ドラマや映画、漫画でしかあり得ない君は何もしなくていい、いてくれるだけでいいという生活。欲しいものは何でも手に入る生活である。
妖様と結婚したことで、友人たちからも連絡は多く、英仁が仕事で忙しい時でも、寂しさを感じることはあまりなかった。
友人たちは口々に羨ましいと言い、最初は優越感もあったが、涼希も本当にそう思っている。
ただ、英仁に長生きして欲しいとだけは言われており、健康診断はもちろんのこと、少しでも具合が悪いとすぐに往診や、病院に行くように言われる。
それほどに愛されている。
だが、当たり前にいずれできると思っていた子どもだけは、いつまで経ってもできなかった。美里の思惑のようで嫌だったが、検査は受けた。
問題ないとされてから、生理が遅れることがある度に、もしかしてと思ったが、できていたことはなかった。
それに加えて、天宮家側は何も言うことはなく、父や姉、田生家側は何も言って来ないが、美里と祖父母の子どもはまだかばかりで辛かった。
花穂は子どもを産んでいることから、涼希に気を使っている様子すらあった。だが、涼希も姪は可愛いので、よく会いに行っていた。
誠一も前は会う度に言って来ていたが、美月が亡くなってからは言って来ることはなくなった。
特に美里は本当に嫌だった、子どもができて当たり前から、次は知ったかぶりの不妊治療。ついに花穂の病室で、限界を迎えた。
いつものことだが、美月のことがあったのに、反省する様子もなく、この人は変わらないのだと思い知った。
英仁は子どものことも子孫がいることもあるが、それは表向きで、涼希の体に負担を掛けたくないということの方が強く、不妊治療も前向きではなかった。
それでも涼希も愛する人との子どもが欲しいと訴えて、行うことになった。
だが、体外受精を三回行っても、成功することはなく、しばらく休むことになった。その間に、涼希は30歳を迎えていた。
650
あなたにおすすめの小説
嘘が愛を試す時 〜君を信じたい夜に〜
月山 歩
恋愛
サラとマリウス・ハンプトン侯爵夫婦のもとに、衝撃的な告白を携えた男が訪れる。「隠れてサラと愛し合っている。」と。
身に覚えのない不貞の証拠に、いくらサラが誤解だと訴えてもマリウスは次第に疑念を深めてゆく。
男の目的はただ一つ、サラを奪うこと。
*こちらはアルファポリス版です。
完結 王族の醜聞がメシウマ過ぎる件
音爽(ネソウ)
恋愛
王太子は言う。
『お前みたいなつまらない女など要らない、だが優秀さはかってやろう。第二妃として存分に働けよ』
『ごめんなさぁい、貴女は私の代わりに公儀をやってねぇ。だってそれしか取り柄がないんだしぃ』
公務のほとんどを丸投げにする宣言をして、正妃になるはずのアンドレイナ・サンドリーニを蹴落とし正妃の座に就いたベネッタ・ルニッチは高笑いした。王太子は彼女を第二妃として迎えると宣言したのである。
もちろん、そんな事は罷りならないと王は反対したのだが、その言葉を退けて彼女は同意をしてしまう。
屈辱的なことを敢えて受け入れたアンドレイナの真意とは……
*表紙絵自作
いつか彼女を手に入れる日まで
月山 歩
恋愛
伯爵令嬢の私は、婚約者の邸に馬車で向かっている途中で、馬車が転倒する事故に遭い、治療院に運ばれる。医師に良くなったとしても、足を引きずるようになると言われてしまい、傷物になったからと、格下の私は一方的に婚約破棄される。私はこの先誰かと結婚できるのだろうか?
婚約破棄の代償
nanahi
恋愛
「あの子を放って置けないんだ。ごめん。婚約はなかったことにしてほしい」
ある日突然、侯爵令嬢エバンジェリンは婚約者アダムスに一方的に婚約破棄される。破局に追い込んだのは婚約者の幼馴染メアリという平民の儚げな娘だった。
エバンジェリンを差し置いてアダムスとメアリはひと時の幸せに酔うが、婚約破棄の代償は想像以上に大きかった。
君は妾の子だから、次男がちょうどいい〜long version
月山 歩
恋愛
侯爵家のマリアは婚約中だが、彼は王都に住み、彼女は片田舎で遠いため会ったことはなかった。でもある時、マリアは妾の子であると知られる。そんな娘は大事な子息とは結婚させられないと、病気療養中の次男との婚約に一方的に変えさせられる。そして次の日には、迎えの馬車がやって来た。
*こちらは元の小説の途中に、エピソードを追加したものです。
文字数が倍になっています。
三年目の離婚から始まる二度目の人生
あい
恋愛
三年子ができなければ、無条件で離婚できる――王国の制度。
三年目の夜、オーレリアは自らその条文を使い、公爵ルートヴィッヒに離婚を告げた。
理由はただ一つ。
“飾り”として生きるのをやめ、自分の手で商いをしたいから。
女性が公の場で立てる服を作るため、彼女は屋敷を去り、仕立て屋〈オーレリア・テイラーズ〉を開く。
店は順調に軌道に乗り、ついに王女の式典衣装を任されることに。
だが、その夜――激しい雨の中、彼女は馬車事故に遭い命を落とす。
(あと少し早く始めていたら、もっと夢を叶えられたのに……)
そう思った瞬間、目を覚ますと――三年前、ルートヴィッヒと結婚する前の世界に戻っていた。
これは、“三年目の離婚”から始まる、二度目の人生。
今度こそ、自分の人生を選び取るために。
ーーー
不定期更新になります。
全45話前後で完結予定です、よろしくお願いします🙇
だって悪女ですもの。
とうこ
恋愛
初恋を諦め、十六歳の若さで侯爵の後妻となったルイーズ。
幼馴染にはきつい言葉を投げつけられ、かれを好きな少女たちからは悪女と噂される。
だが四年後、ルイーズの里帰りと共に訪れる大きな転機。
彼女の選択は。
小説家になろう様にも掲載予定です。
僕は君を思うと吐き気がする
月山 歩
恋愛
貧乏侯爵家だった私は、お金持ちの夫が亡くなると、次はその弟をあてがわれた。私は、母の生活の支援もしてもらいたいから、拒否できない。今度こそ、新しい夫に愛されてみたいけど、彼は、私を思うと吐き気がするそうです。再び白い結婚が始まった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる