【完結】メイド・マイ・デイ

野村にれ

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絶望

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「決まったわけではないけど、そうなってもお金に困ることはないわよ。ママも支えるから、ねっ」
「ママ、酷い!私が捨てられるみたいじゃない」
「そういう意味じゃないわ。母親になるんだから、ちゃんと考えて、養育費も慰謝料だって払ってもらわないといけないでしょう」
「離婚なんて……」
「ママも離婚なんてして欲しくないわよ、でも考えておかないとならないでしょう」

 花穂はその会話を聞きながら、美里の言葉は不用意ではあったが、自分も他人ごとではない気持ちにもなっていた。

「検査なんてしないわ」
「でも、できているかもしれないでしょう」
「嫌よ、今は知りたくないわ」

 涼希はこんな状態で、検査をしてどちらであっても、複雑な気持ちになるためにしたくなかった。

「ママ、今、調べなくてもいいでしょう……」
「ハッキリさせて、ちゃんと話合わなくちゃ」
「こんな状態で調べても、涼希も複雑でしょう」
「でも、一人で育てることになるかもしれないのよ……」
「まだ分からないんだから」

 花穂も美里に言いながらも、自分にも同じ状況になるかもしれないと思いながら、まだ口にはしたくない気持ちであったが、事実だったら話さないとならない。

 則人はその間も田生家に連絡をしており、どういうことなのかと言われたが、聞きたいのはこちらであったために、集まって欲しいとだけ伝えるしかなかった。

「三島には美里が話すか?」
「っえ、そうね……私が話すわ」

 美里は両親に連絡をしたが、案の定、血圧が上がるのではないかと言うほど、騒いでいたが、分からないと答えるしかなかった。

「今日はどうする?涼希はここにいる?」

 花穂が問い掛けると涼希は部屋を見渡しながら、黙り込んだ。

「実家に帰る?」
「でも……」
「ここでも困ることはないと思うけど……実家に帰るなら私も子どもたちを連れて一緒に帰るわ」

 花穂は子どもたちを迎えに行かなくてはならないが、まだハッキリしないために、夫に話すのは先延ばしにしたかった。

 涼希のことが心配ではあったが、それならば、実家に帰ると言うのが一番理想的であった。

「うん……そうね……ここにいると何か辛い」
「じゃあ、家に帰りましょう。とりあえず、要るものだけ取って来なさい」

 美里は涼希を促し、部屋に向かった。

「お姉ちゃんはどうする?先に迎えに行く?」
「そうだね、先に迎えに行って、実家に向かうわ」
「分かったわ、気を付けてね」

 花穂は別の車出来たために先に出たが、頭の中はどうしたらいいのかということで頭がいっぱいだった。

 血縁が関係していると話していたせいか、夫を呼ぶようには言わなかった。呼ぶように言われていたら、話すしかなかったが、まだ話さなくてもどうにかなる。

 今日は義両親には黙っておいて、夫には実家に帰ると言えばいいが、黙っていれば分からないとは思うが、それが今後のために良い方向に向かうのかが分からない。

 愛し合って結婚した夫婦なら、思いのまま話せたかもしれないが、花穂はそうではないことは理解している。

 もしも、涼希が運命の相手ではないと決定したら、縁を切られるのか。それこそ、美里が言うように子どもができていたら、微かな繋がりがあるかもしれないが、妊娠には興味を示さなかったところを見ると、どうでもいいのかもしれない。

 花穂も子どもたちを育てられればいい方で、もしかしたら夫に奪われるかもしれないことも頭にあった。

 そんなことを考えながら、義両親の家に着き、お礼を言って、訊ねられはしたが、私にはまだよく分からなくて、話を聞くために実家に帰って来ると話した。

 夫にはメッセージで涼希の話を聞くために実家に帰ることを伝え、娘を二人連れて実家に帰った。二人はお泊りだと言えば、喜んでいたが、胸の奥に重たいものが圧し掛かっていた。


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