【完結】メイド・マイ・デイ

野村にれ

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復讐1

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「なかった世界では花穂ちゃんは結婚していなかったの、だから子どももいなかったのに。どうして結婚してしまったの?」
「っ」

 花穂はようやく詠が言った言葉の意味が理解はできなかったが、繋がった。

「子、子どもも呪われると言うの?」
「そう、何の罪もないけど、叔母である涼ちゃんが契約をしてしまったから」
「呪いの内容は……」
「それは本人に聞いたら?」

 再び、涼希に視線が集まったが、その視線は不快なものであった。だが、涼希は目を左右に動かしてはいるものの、話せるような状態ではなかった。

「涼希ッ!そんなことしていないわよね?」
「…」
「答えられないのね、自分がした契約なのに」
「どうしてそんな契約を……」

 どのようなものなのかは分からないが、ガタガタと震え続ける涼希に、ただならぬ状況であることは美里も感じていた。

「美里叔母さんのせいでもあるのよ」
「っな、私は知らないわ」
「あなたが涼ちゃんを追い詰めたの」
「そんなこと」

 涼希は詠を最初から代わりたいと思っていたわけではない。

 だが、花穂は結婚しておらず、涼希は詠と同い年ということで、美月は比べるようなことはしなかったが、美里は自分の娘の方が勝っていると思いたかった。

「今回、涼ちゃんが運命の相手だと選ばれて、あなたは自慢して、周りを馬鹿にして、浮かれていたわよね?」
「馬鹿になんてしていないわ、喜ぶのは当然じゃない」
「でも、それが私だったらどう?今だって、面白くない気持ちなのではない?」
「それは当然でしょう?涼希が運命の相手だと言われたんだから」

 全く知らない人でも面白くなかったが、詠だと分かって、頭に血が上っていた。

「選ばれていなくても、母に何度も何度も、涼希なら分かるが、どうして詠なのかとずって言っていたのよ。涼希の間違いではないかとね……」
「そんなの知らないわ」

 確かに美里はなかった世界を知らない。だが、美月にストレスと与えたのは、同様であった。

「娘が運命の相手に選ばれて、羨ましくて仕方なかったの。待遇も、お金も、立場も、自分が欲しいと思っていたの。その気持ちから母へストレスを与えたの」
「そんなことは知らないわ」
「でも、殺したのは私なの……」
「えっ」

 声を上げたのは、京であった。

「私は結婚していたのよ、離婚なんてしたくなかった。それなのに、お父さんも京も、お母さんも結婚を強要したわ。それで言い合いになって、母は今回と同じように亡くなったわ。時期は少し伸びていたけど」
「俺も……」
「亡くなると思っていたのか?だったら」

 誠一は分かっていたのなら、どうして美月を助けなかったのかと詠を見つめた。

「あの時もストレスと言われたの。でも、私は今回選ばれていないのだから、私からのストレスはなかったはずよ。そうでしょう?」
「美里叔母さんのせいだったということか?」
「違うわ!」
「私も今回で、自分のせいだけではないことが分かったわ」

 自分もストレスを与えた一人だということは変わらないが、美里の電話がかなりのストレスと睡眠を妨害していたことが分かった。

「助けようと思わなかったのか?」
「具合を聞いたり、気になることがあったら病院に行くようには言っていたわ。お父さんにも美里叔母さんが自慢するために電話をしていると話したわよね?」
「それは……」

 詠は美月から電話のことを聞き、誠一にも話をしていた。

「お父さんは喜ばしいことなんだから、そのくらいと言ったわ。でも度が過ぎている、お母さんのストレスになっていると話したけど……そんなこと喜べない方がおかしいと言ったわ」

 詠も美月を死ねばいいと思っていたわけではない。

 だが、自分が運命の相手に選ばれていないのだから、大丈夫だと思っていたこと。なくなった時期を過ぎていた、それでも念のためにフォローしていた。
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