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さようなら
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「その通りだな、私はたちはこちらの意見だけを押し付けている。長く生きることで、何もかも手に入れて、崇められて、傲慢になっている。だが、死ぬことなんて、それだけはやめて欲しい……」
英仁はようやく冷静に、嘆くだけではなく、これが最後なのだから、きちんと詠と話をしなくてはならないと、しっかりと詠の目を見つめて告げた。
「そうだ。殺すなんて、あり得ないことなのだ。英仁にとって、本来できることではないのだ。だからこそ、壊れてしまったのだろう。それほどのことなんだ」
「でも、本当はなかった世界なんですよ?本当は天宮さんが最後の運命の相手を殺して、破壊して終わっていたんです」
「っっっ」
詠が記憶を戻していない人間は、なかった世界などのことを知らずに、これからも生きていくことになる。
特に何も関係ないのに、この辺りにいたという理由だけで、英仁によって亡くなった方は、何も知らずに生きていって欲しいと思っている。
だが、家族には記憶を戻すことも、詠にとって復讐であった。
呪いを受けない血縁者ではない妻にも伝えたのは、これからの家族を知ってもらうためであった。
「それはそうだが……」
「では、そろそろ、さようなら」
詠は急に立ち上がって、三人と距離を取った。
「っえ」
「待て」
「どういうことですか」
英仁も光峯も、風蓮も目がおかしくなったのかと思うほど、透けてきており、殺してくれと言っていたから殺すことはないから、詠が死ぬことはないとしか考えていなかった。
「どういうことだ」
「私はここで終わりってことです。自分を殺した相手の記憶を戻したら、しばらくして消えることになっていたの。事故死したことになるわ」
殺されないことは分かっていた。
だからこそ、復讐を選んだ時点で、揺らがないように終わりを決めていた。
神は生きる方法もある、邪神が入れ替えたせいで起きたことで、詠は死ぬ運命ではなかったと伝えたが、あの時の私は死んでもいい。いや、死にたいと思っていたと、そして復讐をするのだから生きているべきではないという意思を貫いた。
頼の将来のために事故死とすることにも決まっている。
消えた後、神の力で詠は事故に遭ったと、桐人に連絡が入る。そして、亡骸を確認することになる。
申し訳ない気持ちにはなるが、自分さえよければいい。自分の家族だけ守れればいい。艶零、崇景、絋琳が生まれることを奪った人間になったのだから、二人のそばにはいられない。
毎日が、本当に大事な一日だった。
「待て」
「そうだ、子ども、夫だって」
「夫にはちゃんと話してあります。息子には残すべき用意はしてある……生きているだけで、私はいいの」
30歳までに、詠はいなくなってもいいように準備をした。
お金も、少しずるいことではあるが、生命保険にも入っている。桐人と頼のために自分では稼げないお金が入ることになる。
だからこそ、妖からのお金など要らなかった。
桐人には遠慮なく、再婚するように伝えた。これは二度目で、なかった世界では詠の置かれた状況を汲んで、分かったと言ったが、桐人は再婚することはなかった。
頼と二人で生きて、殺されたのである。
それなのに、今回はしないよ、知っているだろうと笑い、詠は涙が止まらなかった。
桐人はなかった世界でも、今回も逃げようとも言ってくれた。だが、なかった世界では妖に自分ではなく、桐人と頼が何かされるのではないかと思うと、従うしかなかった。
今回はどちらにしても、30歳までしか生きられないことを伝えた。
どうしてと嘆いたが、優しい桐人のためにも、決めたことであった。それはあの日、殺された時、頼は立派に育っていた。
詠がいなくとも、立派に育っていることを知っている。だからこそ、桐人に胸をは張って任せられる。
どうか無事に生きて、寿命を全うして欲しい。
英仁はようやく冷静に、嘆くだけではなく、これが最後なのだから、きちんと詠と話をしなくてはならないと、しっかりと詠の目を見つめて告げた。
「そうだ。殺すなんて、あり得ないことなのだ。英仁にとって、本来できることではないのだ。だからこそ、壊れてしまったのだろう。それほどのことなんだ」
「でも、本当はなかった世界なんですよ?本当は天宮さんが最後の運命の相手を殺して、破壊して終わっていたんです」
「っっっ」
詠が記憶を戻していない人間は、なかった世界などのことを知らずに、これからも生きていくことになる。
特に何も関係ないのに、この辺りにいたという理由だけで、英仁によって亡くなった方は、何も知らずに生きていって欲しいと思っている。
だが、家族には記憶を戻すことも、詠にとって復讐であった。
呪いを受けない血縁者ではない妻にも伝えたのは、これからの家族を知ってもらうためであった。
「それはそうだが……」
「では、そろそろ、さようなら」
詠は急に立ち上がって、三人と距離を取った。
「っえ」
「待て」
「どういうことですか」
英仁も光峯も、風蓮も目がおかしくなったのかと思うほど、透けてきており、殺してくれと言っていたから殺すことはないから、詠が死ぬことはないとしか考えていなかった。
「どういうことだ」
「私はここで終わりってことです。自分を殺した相手の記憶を戻したら、しばらくして消えることになっていたの。事故死したことになるわ」
殺されないことは分かっていた。
だからこそ、復讐を選んだ時点で、揺らがないように終わりを決めていた。
神は生きる方法もある、邪神が入れ替えたせいで起きたことで、詠は死ぬ運命ではなかったと伝えたが、あの時の私は死んでもいい。いや、死にたいと思っていたと、そして復讐をするのだから生きているべきではないという意思を貫いた。
頼の将来のために事故死とすることにも決まっている。
消えた後、神の力で詠は事故に遭ったと、桐人に連絡が入る。そして、亡骸を確認することになる。
申し訳ない気持ちにはなるが、自分さえよければいい。自分の家族だけ守れればいい。艶零、崇景、絋琳が生まれることを奪った人間になったのだから、二人のそばにはいられない。
毎日が、本当に大事な一日だった。
「待て」
「そうだ、子ども、夫だって」
「夫にはちゃんと話してあります。息子には残すべき用意はしてある……生きているだけで、私はいいの」
30歳までに、詠はいなくなってもいいように準備をした。
お金も、少しずるいことではあるが、生命保険にも入っている。桐人と頼のために自分では稼げないお金が入ることになる。
だからこそ、妖からのお金など要らなかった。
桐人には遠慮なく、再婚するように伝えた。これは二度目で、なかった世界では詠の置かれた状況を汲んで、分かったと言ったが、桐人は再婚することはなかった。
頼と二人で生きて、殺されたのである。
それなのに、今回はしないよ、知っているだろうと笑い、詠は涙が止まらなかった。
桐人はなかった世界でも、今回も逃げようとも言ってくれた。だが、なかった世界では妖に自分ではなく、桐人と頼が何かされるのではないかと思うと、従うしかなかった。
今回はどちらにしても、30歳までしか生きられないことを伝えた。
どうしてと嘆いたが、優しい桐人のためにも、決めたことであった。それはあの日、殺された時、頼は立派に育っていた。
詠がいなくとも、立派に育っていることを知っている。だからこそ、桐人に胸をは張って任せられる。
どうか無事に生きて、寿命を全うして欲しい。
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