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理由
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「まず、私はレリリス伯爵令嬢と婚約をしたいと思って、縁談を申し込んだ。それは分かって欲しい」
「…はい」
スノーはなぜ自分なのかは腑に落ちなかったが、公爵家相手に問い詰めることは出来ないと、理解したように頷くしかなかった。
「どうしてユーフレット侯爵令嬢と婚約を解消したのか、気になっているのではないかと思うのだが?」
「はい、皆がどうしてなのかと言っておりましたので、人並みには気にはなっておりますが、私が聞くような話ではないことは、お話にならないでください」
秘密を握ることになる恐ろしさをスノーは、痛いほど知っている。
「君ならそういうのではないかと思っていた。実際、理由はまだ話すことは出来ないんだ。だが、婚約は仮初だったことは確かだ」
「仮初ですか」
「元々、解消することの出来る婚約であった。これはいずれローザ公爵家、ユーフレット侯爵家にも聞いて貰っても構わない」
リアンスはあっさり言ったが、スノーは公爵家や侯爵家相手に聞くことなんて出来るはずがないと、これが爵位の差なのだと思った。
「でも仲は良かったのではありませんか」
「元々、知り合いで、友人でもあったからね」
「幼なじみですか?」
「いや、そこまで幼い頃からの仲ではない」
母の言っていた幼なじみなのではないかと思ったが、そうではなかったらしい。
「学園に入る前に、互いに婚約者を持つように言われて、メ…ユーフレット侯爵令嬢と婚約を結んだんだ」
「嫌いになった、問題が起きたなどではないということですか」
「ああ、勿論だ。今でもというよりは、関係性は元から変わっていない」
だからこそ、今でも一緒にいれるのだろうと思った。
「恐れながら、お二人がご結婚される方が皆、納得するのではありませんか」
「それは…そうかもしれないが、私たちは互いに望んでいなかった。円満解消なんだ…いずれ、きちんと説明が出来ると思う」
「…」
「貴族としては、そう言った結婚も山ほどあると言いたいかな?」
「恐れながら…」
「私も理解していないわけではない。そういったこともあるとも分かっている」
「爵位の差がない方が、上手くいくのではありませんか。育った環境が近い方が、お互いに無理をしたり、窮屈な思いをすることが少ないはずです」
リアンスはじっとスノーを見つめた、真剣な眼差しだ。
「君はきっと私の親よりも、貴族らしい考えを持っている。悪いことではない、でも新しい考えを持つのもいいと思わないか」
「…」
「爵位の差は確かにある。だが君は侯爵家で過ごして来たはずだ」
「それは…」
スノーが生家で過ごしていなかったことは、皆が知っているわけではないが、高位貴族であれば知っていてもおかしくはない。
「過ごしていただけで、私は伯爵家の人間です」
スノーが過ごした祖父母の家は侯爵家であった。両親や兄、妹は良い暮らしをしていたと思っているが、そうではない。とても厳しい教育と規則正しい生活を送った。
「教育は侯爵家で受けたのではありませんか」
「それはそうですが…」
「爵位の差のことを言われるのは、交流する相手への礼儀やマナー、邸や領地の規模や、扱う商会、そういった部分が大きいと思っています」
「はい…」
「でも君は伯爵家の教育ではなく、侯爵家の教育を受けたのではありませんか」
確かにそうである、祖父母は嫁ぐ時に困るようなことになってはならないと、侯爵家の可能性もあるからと、嫡男に施したように、私に教育を行った。
「そうですが、それでも侯爵家です」
「それなら爵位の差は一つです。ランドマーク侯爵家ならば、ローザ公爵家と大きな差はないはずです」
ランドマーク侯爵家こそが、私の8歳から過ごした場所である。だが、私は居候だと思って、その場所にいた。
私には生家にも居場所がなかったが、侯爵家にも居場所はなかった。
「…はい」
スノーはなぜ自分なのかは腑に落ちなかったが、公爵家相手に問い詰めることは出来ないと、理解したように頷くしかなかった。
「どうしてユーフレット侯爵令嬢と婚約を解消したのか、気になっているのではないかと思うのだが?」
「はい、皆がどうしてなのかと言っておりましたので、人並みには気にはなっておりますが、私が聞くような話ではないことは、お話にならないでください」
秘密を握ることになる恐ろしさをスノーは、痛いほど知っている。
「君ならそういうのではないかと思っていた。実際、理由はまだ話すことは出来ないんだ。だが、婚約は仮初だったことは確かだ」
「仮初ですか」
「元々、解消することの出来る婚約であった。これはいずれローザ公爵家、ユーフレット侯爵家にも聞いて貰っても構わない」
リアンスはあっさり言ったが、スノーは公爵家や侯爵家相手に聞くことなんて出来るはずがないと、これが爵位の差なのだと思った。
「でも仲は良かったのではありませんか」
「元々、知り合いで、友人でもあったからね」
「幼なじみですか?」
「いや、そこまで幼い頃からの仲ではない」
母の言っていた幼なじみなのではないかと思ったが、そうではなかったらしい。
「学園に入る前に、互いに婚約者を持つように言われて、メ…ユーフレット侯爵令嬢と婚約を結んだんだ」
「嫌いになった、問題が起きたなどではないということですか」
「ああ、勿論だ。今でもというよりは、関係性は元から変わっていない」
だからこそ、今でも一緒にいれるのだろうと思った。
「恐れながら、お二人がご結婚される方が皆、納得するのではありませんか」
「それは…そうかもしれないが、私たちは互いに望んでいなかった。円満解消なんだ…いずれ、きちんと説明が出来ると思う」
「…」
「貴族としては、そう言った結婚も山ほどあると言いたいかな?」
「恐れながら…」
「私も理解していないわけではない。そういったこともあるとも分かっている」
「爵位の差がない方が、上手くいくのではありませんか。育った環境が近い方が、お互いに無理をしたり、窮屈な思いをすることが少ないはずです」
リアンスはじっとスノーを見つめた、真剣な眼差しだ。
「君はきっと私の親よりも、貴族らしい考えを持っている。悪いことではない、でも新しい考えを持つのもいいと思わないか」
「…」
「爵位の差は確かにある。だが君は侯爵家で過ごして来たはずだ」
「それは…」
スノーが生家で過ごしていなかったことは、皆が知っているわけではないが、高位貴族であれば知っていてもおかしくはない。
「過ごしていただけで、私は伯爵家の人間です」
スノーが過ごした祖父母の家は侯爵家であった。両親や兄、妹は良い暮らしをしていたと思っているが、そうではない。とても厳しい教育と規則正しい生活を送った。
「教育は侯爵家で受けたのではありませんか」
「それはそうですが…」
「爵位の差のことを言われるのは、交流する相手への礼儀やマナー、邸や領地の規模や、扱う商会、そういった部分が大きいと思っています」
「はい…」
「でも君は伯爵家の教育ではなく、侯爵家の教育を受けたのではありませんか」
確かにそうである、祖父母は嫁ぐ時に困るようなことになってはならないと、侯爵家の可能性もあるからと、嫡男に施したように、私に教育を行った。
「そうですが、それでも侯爵家です」
「それなら爵位の差は一つです。ランドマーク侯爵家ならば、ローザ公爵家と大きな差はないはずです」
ランドマーク侯爵家こそが、私の8歳から過ごした場所である。だが、私は居候だと思って、その場所にいた。
私には生家にも居場所がなかったが、侯爵家にも居場所はなかった。
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