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特技
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コリーもアリーも伯爵家と子爵家を解雇となった。
アリーは入れ替わった理由を、最初は侯爵家の侍女の学ぶためと言ったが、入れ替わっていたとコリーが証言した日に、用事もないのに、来客時にうろついていたことがあったと、コリーだと思っていたから、何か落としものでもしたのかと思っていたという証言が出て、見初められたかったことを白状した。
そして、メリーアンが妊娠中であるため、ダリアの相手をしてあげても良かったとまで言い出した。最近よく入れ替わって欲しいと言っていた理由だった。いつまで経っても、令息に手応えがなかったために、お手付きになろうとしていたのだ。
だが、何かあってもコリーに押し付けるためにも、あからさまな誘惑はせず、ダリアはよく話し掛けて来るようになったことを、心を開いてくれたくらいにしか思っておらず、何も伝わってはいなかった。メリーアンもダリアから聞いていた。
コリーにも知らされて、申し訳なさで、情状酌量の余地もあったが、素直に話してくれていれば良かったこともあり、コリーも解雇を望んだ。
スノーの元にも簡潔な結果がリアンスから届けられた。
メリーアンからもお礼をしたいと手紙を貰ったが、スノーは図書館の仕事が忙しく、お気遣いは不要ですと、何もなくて良かったですと返事をした。
スノーの仕事がようやく落ち着き、リアンスに会うことになった。恐れ多いが、最近は不本意ながらローズ公爵家で密会のような形になっている。
「ダリアとメリーアン夫人が感謝していた」
「何もなかったんですよね?」
「ああ、ダリアのお手付きを狙ってはいたようだが」
「そうなのですか…密偵の方が、納得が出来る気もしますが」
皆が気付かずに、騙すことを活かせるとすれば、密偵ではないかと考えていた。
「それも一応は疑っていたようだが、そのような様子はなかったようだ。しかし、驚いた。そんな、特技?があったんだな」
「特技というものではありませんが…」
「一度、見たら忘れないのか?」
「そう、ですね」
気付いたのはランドマーク侯爵家に行ってからだった。新しい使用人が入り、目で追っていたせいで、アンリ夫人に今回のように聞かれた。
新しい人だと話すと、よく覚えているくらいだったが、ランドマーク侯爵家の使用人にも双子がおり、スノーは二人を一度も間違えることはなかった。だからこそ、あの時に双子ではないかと言ったのだ。
その後もスノーは二度目に会う人は必ず分かること。ただし、名前がスッと思い出せるかと言うと、別である。
「それは特技ではない、能力だよ。凄いなぁ」
「ありがとうございます」
「誰か知っているのか?」
「ランドマーク侯爵家の祖父母、家庭教師は知っています」
一番に気付いたのは家庭教師だった。
一度見たら顔が覚えられるのではないかと指摘し、試してみると覚えていた。皆、そうなのではないかと思っていたので、その時に自覚をした。
「後は特に話したことがないので、知らないと思います。ですが、欠点もあります」
「欠点?」
「私は咄嗟に二人の顔が似ているとは思えないのです」
アンリ夫人は貴族名鑑を覚えられるのではないかと思ったが、動かない写真は同じ写真なら覚えられるが、実際に生きた人に会うと分からない。
そして、同時に似ていることに咄嗟に気付けないこと、名前を覚えるのは優れてはいないことも分かった。
「え?」
「分かり易く黒子だと言いましたが、私の場合は覚える際に表情なども関係しているようで、互いの顔を思い出して、違うところを指摘するしかないのです」
「だからあの時、侍女を一人しか覚えていなかった?」
「はい、あの時の子は侯爵家に残ったのかと思ったのです」
アリーは入れ替わった理由を、最初は侯爵家の侍女の学ぶためと言ったが、入れ替わっていたとコリーが証言した日に、用事もないのに、来客時にうろついていたことがあったと、コリーだと思っていたから、何か落としものでもしたのかと思っていたという証言が出て、見初められたかったことを白状した。
そして、メリーアンが妊娠中であるため、ダリアの相手をしてあげても良かったとまで言い出した。最近よく入れ替わって欲しいと言っていた理由だった。いつまで経っても、令息に手応えがなかったために、お手付きになろうとしていたのだ。
だが、何かあってもコリーに押し付けるためにも、あからさまな誘惑はせず、ダリアはよく話し掛けて来るようになったことを、心を開いてくれたくらいにしか思っておらず、何も伝わってはいなかった。メリーアンもダリアから聞いていた。
コリーにも知らされて、申し訳なさで、情状酌量の余地もあったが、素直に話してくれていれば良かったこともあり、コリーも解雇を望んだ。
スノーの元にも簡潔な結果がリアンスから届けられた。
メリーアンからもお礼をしたいと手紙を貰ったが、スノーは図書館の仕事が忙しく、お気遣いは不要ですと、何もなくて良かったですと返事をした。
スノーの仕事がようやく落ち着き、リアンスに会うことになった。恐れ多いが、最近は不本意ながらローズ公爵家で密会のような形になっている。
「ダリアとメリーアン夫人が感謝していた」
「何もなかったんですよね?」
「ああ、ダリアのお手付きを狙ってはいたようだが」
「そうなのですか…密偵の方が、納得が出来る気もしますが」
皆が気付かずに、騙すことを活かせるとすれば、密偵ではないかと考えていた。
「それも一応は疑っていたようだが、そのような様子はなかったようだ。しかし、驚いた。そんな、特技?があったんだな」
「特技というものではありませんが…」
「一度、見たら忘れないのか?」
「そう、ですね」
気付いたのはランドマーク侯爵家に行ってからだった。新しい使用人が入り、目で追っていたせいで、アンリ夫人に今回のように聞かれた。
新しい人だと話すと、よく覚えているくらいだったが、ランドマーク侯爵家の使用人にも双子がおり、スノーは二人を一度も間違えることはなかった。だからこそ、あの時に双子ではないかと言ったのだ。
その後もスノーは二度目に会う人は必ず分かること。ただし、名前がスッと思い出せるかと言うと、別である。
「それは特技ではない、能力だよ。凄いなぁ」
「ありがとうございます」
「誰か知っているのか?」
「ランドマーク侯爵家の祖父母、家庭教師は知っています」
一番に気付いたのは家庭教師だった。
一度見たら顔が覚えられるのではないかと指摘し、試してみると覚えていた。皆、そうなのではないかと思っていたので、その時に自覚をした。
「後は特に話したことがないので、知らないと思います。ですが、欠点もあります」
「欠点?」
「私は咄嗟に二人の顔が似ているとは思えないのです」
アンリ夫人は貴族名鑑を覚えられるのではないかと思ったが、動かない写真は同じ写真なら覚えられるが、実際に生きた人に会うと分からない。
そして、同時に似ていることに咄嗟に気付けないこと、名前を覚えるのは優れてはいないことも分かった。
「え?」
「分かり易く黒子だと言いましたが、私の場合は覚える際に表情なども関係しているようで、互いの顔を思い出して、違うところを指摘するしかないのです」
「だからあの時、侍女を一人しか覚えていなかった?」
「はい、あの時の子は侯爵家に残ったのかと思ったのです」
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