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あの人
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「スノー嬢には別人なのにと思ったのだな?」
「ええ、そうです。黒子で覚えていたわけではないのです」
「だが、言われた通りの場所に黒子があったそうだ」
「信じてもらうために言っただけです」
もっと目の色や髪の色が違えばいいが、一卵性の双子だとそうはいかない。
「いや、前にパーデュラスの店員も、新しい人だと気付いていたこともあったものな。ようやく、理解した」
「申し訳ありません、初めて見る人をじっと見てしまうのが癖で…」
「無意識に観察してしまうんだろうな。ダリアとメリーアンが、どうしても御礼がしたいと言っているから、受け取ってやって欲しい」
リアンスはダリアとメリーアンから、何度も手紙を出すのは心苦しいから、約束を取り付けて来て欲しいと頼まれていた。
「受け取らないと、ずっと言われますよね…」
「そうだな」
「承知しました、伺わせていただきますとお伝えください」
そして、スノーはリアンスと再びオスレ伯爵家に行くことになった。メリーアンのお腹は目立つようになっていた。
「スノーさん、本当にありがとう」
「ありがとうございました」
応接室に行くと、二人は改めて揃って、同じタイミングで頭を下げた。その姿にスノーは夫婦なのだなと思った。
「いいえ、何もなくて良かったです」
「知り合いと言うわけではなかったのに、凄い洞察力をお持ちなのね」
「い、いえ」
貴族名鑑を覚えられるわけではない、手配犯を見付けられるわけでもないことから、スノーは特別だとは思っていない。
「下手に話したりはしていないから安心して」
「いえ、顔を覚えているだけなので」
「そんなことないわ。私なんて2年も一緒にいたのに、全く気付かなかったなんて…情けなくて、本当にそっくりだなんだもの。うちの両親もとても感謝しているの」
「何か起きていたらと思うと、背筋が凍ったよ」
ダリアはそう言いながら、メリーアンの腹部を心配そうに見つめた。
「恐れ多いことでございます」
「それで、本が好きだと聞いたから、歴史書なのですが…」
ダリアがスノーの目の前に置いたのは、スノーの給料何ヶ月か、高価なドレスと同じくらいする有名な歴史書だった。図書館でも読むことは出来るが、貸出は禁止となっている。
「このような高価な物は…」
「いいの、気持ちなの。私もダリアも読まないから、貰っていただけないと無駄になってしまうの」
「…では、お言葉に甘えて、いただきます」
「ええ、是非貰って頂戴。あとお夕食も楽しみにしておいてね」
「はい、ありがとうございます」
御礼はオスレ伯爵家での食事会ということだったが、歴史書を贈られるとは思わなかった。スノーは本は好きだったが、特に歴史書や、辞書、図鑑などを好んでいた。
リアンスには話していたので、おそらく聞いたのだろう。
「随分、お腹が大きくなったでしょう?」
「はい、順調なのですね」
「おかげさまで、きっとこの子もスノーさんに感謝しているわ」
「勿体ないお言葉でございます」
そんな話をしていると、邸に来客があったようで、騒がしくなった。執事か使用人が対応をしているようだが、どんどん声は近付いていた。
応接室に入った来た女性を見て、スノーは息が止まった―――。
年は取っているが、幼い子どもから急に大人、大人から急に年寄りになると判別は難しくなるが、許容範囲であったため、強く見覚えのある女性だった。
トイズのことを知りたいと、きっかけがあればダリアに聞こうかと思っていたが、口にしなくて良かった。
なぜ彼女がここに来ているのか、まだ関わりがあったのかと考えていると、その女性をメリーアンが呼んだ。
「お母様」
「お母様?」
思わず呟いてしまった。聞こえたリアンスが説明をしようと思ったが、その前にメリーアンが紹介を始めた。
「ええ、そうです。黒子で覚えていたわけではないのです」
「だが、言われた通りの場所に黒子があったそうだ」
「信じてもらうために言っただけです」
もっと目の色や髪の色が違えばいいが、一卵性の双子だとそうはいかない。
「いや、前にパーデュラスの店員も、新しい人だと気付いていたこともあったものな。ようやく、理解した」
「申し訳ありません、初めて見る人をじっと見てしまうのが癖で…」
「無意識に観察してしまうんだろうな。ダリアとメリーアンが、どうしても御礼がしたいと言っているから、受け取ってやって欲しい」
リアンスはダリアとメリーアンから、何度も手紙を出すのは心苦しいから、約束を取り付けて来て欲しいと頼まれていた。
「受け取らないと、ずっと言われますよね…」
「そうだな」
「承知しました、伺わせていただきますとお伝えください」
そして、スノーはリアンスと再びオスレ伯爵家に行くことになった。メリーアンのお腹は目立つようになっていた。
「スノーさん、本当にありがとう」
「ありがとうございました」
応接室に行くと、二人は改めて揃って、同じタイミングで頭を下げた。その姿にスノーは夫婦なのだなと思った。
「いいえ、何もなくて良かったです」
「知り合いと言うわけではなかったのに、凄い洞察力をお持ちなのね」
「い、いえ」
貴族名鑑を覚えられるわけではない、手配犯を見付けられるわけでもないことから、スノーは特別だとは思っていない。
「下手に話したりはしていないから安心して」
「いえ、顔を覚えているだけなので」
「そんなことないわ。私なんて2年も一緒にいたのに、全く気付かなかったなんて…情けなくて、本当にそっくりだなんだもの。うちの両親もとても感謝しているの」
「何か起きていたらと思うと、背筋が凍ったよ」
ダリアはそう言いながら、メリーアンの腹部を心配そうに見つめた。
「恐れ多いことでございます」
「それで、本が好きだと聞いたから、歴史書なのですが…」
ダリアがスノーの目の前に置いたのは、スノーの給料何ヶ月か、高価なドレスと同じくらいする有名な歴史書だった。図書館でも読むことは出来るが、貸出は禁止となっている。
「このような高価な物は…」
「いいの、気持ちなの。私もダリアも読まないから、貰っていただけないと無駄になってしまうの」
「…では、お言葉に甘えて、いただきます」
「ええ、是非貰って頂戴。あとお夕食も楽しみにしておいてね」
「はい、ありがとうございます」
御礼はオスレ伯爵家での食事会ということだったが、歴史書を贈られるとは思わなかった。スノーは本は好きだったが、特に歴史書や、辞書、図鑑などを好んでいた。
リアンスには話していたので、おそらく聞いたのだろう。
「随分、お腹が大きくなったでしょう?」
「はい、順調なのですね」
「おかげさまで、きっとこの子もスノーさんに感謝しているわ」
「勿体ないお言葉でございます」
そんな話をしていると、邸に来客があったようで、騒がしくなった。執事か使用人が対応をしているようだが、どんどん声は近付いていた。
応接室に入った来た女性を見て、スノーは息が止まった―――。
年は取っているが、幼い子どもから急に大人、大人から急に年寄りになると判別は難しくなるが、許容範囲であったため、強く見覚えのある女性だった。
トイズのことを知りたいと、きっかけがあればダリアに聞こうかと思っていたが、口にしなくて良かった。
なぜ彼女がここに来ているのか、まだ関わりがあったのかと考えていると、その女性をメリーアンが呼んだ。
「お母様」
「お母様?」
思わず呟いてしまった。聞こえたリアンスが説明をしようと思ったが、その前にメリーアンが紹介を始めた。
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