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「こちらでも裏付けも取れましたね」
「でも、妻は直接、見たわけではありませんから」
ローザ公爵の言葉に焦ったのは、ツートであった。このままでは、亡くなっているとはいえ、ジーリスが罪に問われてしまうと思った。
「ええ、そうですね。やはりメリーアンの父親を調べることにしましょう。疑い続けるよりも、ハッキリした方がいいでしょう」
「ですが!」
「ダリア・オスレが、望んでもいるのです」
「ダリア殿が…」
「ええ、ダリアは出来ればハッキリさせて欲しいと言っています」
その言葉に否定することは出来ないと、カーサスは思ったが、ツートは違った。
「ですが、トイズ・オスレではなかったのですから、関係ないではありませんか」
「メリーアンの夫なのですから、権利はあるでしょう」
「あっ…」
二人はまだ夫婦のままである。夫で、犯人のリリーに関わることであれば権利はあると言えるだろう。
「こちらでジーリスの息子と娘を呼び出して、鑑定をさせてもらう。それとも、陛下に話をして貰った方がいいか?」
「いいえ、調べてください」
ツールは否定したところで、陛下に進言されて、強行させられるより、受け入れた方がいいだろうと判断した。
「もし事実だった場合、リリーがマリエルを恨んでいたのも、自分はこんな目に遭っているのにと、恨めしかったのだろう。上手くいってしまったのも事実だと思う」
リリーはマリエルが憎かったと言いながらも、殺人までも行うとも思えなかった。いくら遠ざけられていても、もっとやり方はいくらでもあったはずだ。
「トイズを襲ったのも、このことがきっかけだったのかもしれない。助けてもくれない夫よりも、愛する人で上書きしたかったのだろう」
犯人の兄であるカーサスでは、上書きなどは出来なかった。
「だが、だからと言ってリリーが行ったことは、許されることではない。勿論、ジーリスも」
「はい…」
「はい」「はい」
ユーフレット侯爵と両親は、背中を丸めて帰って行った。
落ち着いていたローザ公爵だったが、時はメイドが訴えて来た後に遡る―――。
思いがけない話に頭を抱えていたのは、バークス・ローザ公爵とオブレオ・ランドマーク前侯爵である。
「どういうことだ…」
「ああ、まさか…」
「鑑定はこのまま行い、ジーリスのことを調べるしかないですね」
「そうだな、だがまだ公に動かない方がいいだろう」
「はい、辞めた使用人を当らせましょう」
現状としてユーフレット侯爵家を調べる権限はあるが、悟られて良いとは思えないため、リリーの事件として当たらせることにした。
「ジーリスの写真はあるか?スノーに見せてみよう」
「ですが、さすがに関わりがあったとは…」
たしかにここまでスノーが全員を見ているような状況でも、ジーリスまで繋がるとは思えなかった。
「もしかしたらということもある」
「そうですね…」
まずは鑑定をしてからであるため、調査を振り分けて、丁度、ローザ公爵邸にいたスノーに訊ねることになった。
「スノー、この男を見たことがあるか?」
スノーの前にある柔らかい顔立ちの男性の写真が置かれ、スノーはじっと見つめたが、すぐに答えを出した。
「あっ、はい、あります」
「あ、あるのか?」
「はい、え?ジーリス様ではありませんか?」
珍しく名前まで知っているとは思わず、驚いた。
「そうだ、知り合いなのか?我が邸に来たことはないはずだが?」
「レリリス伯爵の友人だと思いますけど…?何度か、邸に来たりしていたので、関わりがあるとまでは言いませんが、名前と顔は知っております」
「そういうことか…」
すっかり実父のこと、レリリス伯爵家でのことを忘れていた。
「でも、妻は直接、見たわけではありませんから」
ローザ公爵の言葉に焦ったのは、ツートであった。このままでは、亡くなっているとはいえ、ジーリスが罪に問われてしまうと思った。
「ええ、そうですね。やはりメリーアンの父親を調べることにしましょう。疑い続けるよりも、ハッキリした方がいいでしょう」
「ですが!」
「ダリア・オスレが、望んでもいるのです」
「ダリア殿が…」
「ええ、ダリアは出来ればハッキリさせて欲しいと言っています」
その言葉に否定することは出来ないと、カーサスは思ったが、ツートは違った。
「ですが、トイズ・オスレではなかったのですから、関係ないではありませんか」
「メリーアンの夫なのですから、権利はあるでしょう」
「あっ…」
二人はまだ夫婦のままである。夫で、犯人のリリーに関わることであれば権利はあると言えるだろう。
「こちらでジーリスの息子と娘を呼び出して、鑑定をさせてもらう。それとも、陛下に話をして貰った方がいいか?」
「いいえ、調べてください」
ツールは否定したところで、陛下に進言されて、強行させられるより、受け入れた方がいいだろうと判断した。
「もし事実だった場合、リリーがマリエルを恨んでいたのも、自分はこんな目に遭っているのにと、恨めしかったのだろう。上手くいってしまったのも事実だと思う」
リリーはマリエルが憎かったと言いながらも、殺人までも行うとも思えなかった。いくら遠ざけられていても、もっとやり方はいくらでもあったはずだ。
「トイズを襲ったのも、このことがきっかけだったのかもしれない。助けてもくれない夫よりも、愛する人で上書きしたかったのだろう」
犯人の兄であるカーサスでは、上書きなどは出来なかった。
「だが、だからと言ってリリーが行ったことは、許されることではない。勿論、ジーリスも」
「はい…」
「はい」「はい」
ユーフレット侯爵と両親は、背中を丸めて帰って行った。
落ち着いていたローザ公爵だったが、時はメイドが訴えて来た後に遡る―――。
思いがけない話に頭を抱えていたのは、バークス・ローザ公爵とオブレオ・ランドマーク前侯爵である。
「どういうことだ…」
「ああ、まさか…」
「鑑定はこのまま行い、ジーリスのことを調べるしかないですね」
「そうだな、だがまだ公に動かない方がいいだろう」
「はい、辞めた使用人を当らせましょう」
現状としてユーフレット侯爵家を調べる権限はあるが、悟られて良いとは思えないため、リリーの事件として当たらせることにした。
「ジーリスの写真はあるか?スノーに見せてみよう」
「ですが、さすがに関わりがあったとは…」
たしかにここまでスノーが全員を見ているような状況でも、ジーリスまで繋がるとは思えなかった。
「もしかしたらということもある」
「そうですね…」
まずは鑑定をしてからであるため、調査を振り分けて、丁度、ローザ公爵邸にいたスノーに訊ねることになった。
「スノー、この男を見たことがあるか?」
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「あっ、はい、あります」
「あ、あるのか?」
「はい、え?ジーリス様ではありませんか?」
珍しく名前まで知っているとは思わず、驚いた。
「そうだ、知り合いなのか?我が邸に来たことはないはずだが?」
「レリリス伯爵の友人だと思いますけど…?何度か、邸に来たりしていたので、関わりがあるとまでは言いませんが、名前と顔は知っております」
「そういうことか…」
すっかり実父のこと、レリリス伯爵家でのことを忘れていた。
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