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説明2
アッセンはジーアもモリーも、助けられたことよりも、助けられなかったことを、ちゃんと見ているのだと、だが背負うのは自分だと二人を見つめた。
ジーアとモリーも、アッセンに言われれば、頭を下げるしかなかった。
「だが、モリー嬢のおかげで助かったのも事実だ。ありがとうございました」
「私からも、本当にありがとうございます」
アッセンとルミラは、モリーに小さく頭を下げた。
「私はできることをしただけで、感謝していただきたいわけではないのです」
「いえ、これを感謝せずに何をすると言うのです。だが、他の国もそうしていれば良かったのではないか?」
「広がったのは常時、治癒師がいない国ですから」
「そうか。我が国は常時、治癒師がいる国になっていたのだな」
パークスラ王国には魔術を使える者はいない。プレメルラ王国も魔術師はいるが、多いわけではなく、さらに治癒師となると限られた人数しかいない。
「はい、ですがモリー様が離れると、咳止めはこれからは作れないということです」
「そうだったのか」
「保存はできないの?」
「できないのです。5時間くらいしか持たないのです」
「5時間……ジーア、どうにもならないのか?」
「はい、今のところもどうにもなりません」
粉にする方法はいろいろ試してみたが、不可能であった。モリーも三回目にできていれば、使われていたと思うが、そのようなことはなかった。
ならば他に保存することはできないかも行ってみたが、こちらも不可能だった。
これからも行いたいところではあるが、モリーが帰ってしまえば、治癒師が必要になるために難しい。送ってもらうにしても、5時間では意味がない。
「そうか、だがもう治療薬もあるのだから、心配することもないか」
「治癒師に頼りきりになると、医療の発展が遅くくなると言われております」
「確かにそういった点もありますね」
ジーアも治癒師がいることは羨ましい話だが、治癒師がいるということに驕るようになり、医療の発展が遅れるというのは聞いたことがあり、実際にパークスラ王国は進んでいると自負している。
「それで、モリー嬢はここだけの話にしておいて欲しいということだろうか?」
「はい、我儘を申し上げるようですが、私が魔術を使えることはなかったことにしていただきたいのです」
「プレメルラ王国、王家との婚約だろうか?」
アッセンも治癒術が使えるのなら、モリー嬢を我が国の誰かと婚約を結ばせればと過ってしまっていた。
「それもあります。まだ王子殿下たちも決まっておりませんから、候補者の方に波風を立てる事態になりかねません。ここで目立つようなことはしたくないのです」
「明かしたくないということなら、我々は賛成する。ルミラ、そうだよな?」
「ええ、否定する理由もありませんもの」
「ありがとうございます、感謝いたします」
モリーは話せば分かる方だろうとは思っていたが、さすがレオーラのご両親というべき、真っすぐな方たちであって良かった。
「だが、これだけ貢献してくれた方に何もというのもな」
「お父様、私もモリー様は評価されるべきだと思いますが、評価を受けたくてしたわけではないのです」
レオーラはここだと思い、モリーの援護をすることにした。
「それは分かっている」
「では何か、褒美などいかがでしょうか?」
「レオーラ様?」
モリーはレオーラの言葉に驚いたが、にっこりと笑った。
「私も何もなしなんて、王女として良くないと思っておりましたの」
「それはもちろん問題ない。働いていただいたのだろう?」
「はい、モリー様には毎日、朝、昼と咳止めの水を作り出していただいております」
ジーアもこれまで隠していたが、ようやくモリーの働きを伝えることができて、レオーラに加勢し、モリーはただただ困惑した。
ジーアとモリーも、アッセンに言われれば、頭を下げるしかなかった。
「だが、モリー嬢のおかげで助かったのも事実だ。ありがとうございました」
「私からも、本当にありがとうございます」
アッセンとルミラは、モリーに小さく頭を下げた。
「私はできることをしただけで、感謝していただきたいわけではないのです」
「いえ、これを感謝せずに何をすると言うのです。だが、他の国もそうしていれば良かったのではないか?」
「広がったのは常時、治癒師がいない国ですから」
「そうか。我が国は常時、治癒師がいる国になっていたのだな」
パークスラ王国には魔術を使える者はいない。プレメルラ王国も魔術師はいるが、多いわけではなく、さらに治癒師となると限られた人数しかいない。
「はい、ですがモリー様が離れると、咳止めはこれからは作れないということです」
「そうだったのか」
「保存はできないの?」
「できないのです。5時間くらいしか持たないのです」
「5時間……ジーア、どうにもならないのか?」
「はい、今のところもどうにもなりません」
粉にする方法はいろいろ試してみたが、不可能であった。モリーも三回目にできていれば、使われていたと思うが、そのようなことはなかった。
ならば他に保存することはできないかも行ってみたが、こちらも不可能だった。
これからも行いたいところではあるが、モリーが帰ってしまえば、治癒師が必要になるために難しい。送ってもらうにしても、5時間では意味がない。
「そうか、だがもう治療薬もあるのだから、心配することもないか」
「治癒師に頼りきりになると、医療の発展が遅くくなると言われております」
「確かにそういった点もありますね」
ジーアも治癒師がいることは羨ましい話だが、治癒師がいるということに驕るようになり、医療の発展が遅れるというのは聞いたことがあり、実際にパークスラ王国は進んでいると自負している。
「それで、モリー嬢はここだけの話にしておいて欲しいということだろうか?」
「はい、我儘を申し上げるようですが、私が魔術を使えることはなかったことにしていただきたいのです」
「プレメルラ王国、王家との婚約だろうか?」
アッセンも治癒術が使えるのなら、モリー嬢を我が国の誰かと婚約を結ばせればと過ってしまっていた。
「それもあります。まだ王子殿下たちも決まっておりませんから、候補者の方に波風を立てる事態になりかねません。ここで目立つようなことはしたくないのです」
「明かしたくないということなら、我々は賛成する。ルミラ、そうだよな?」
「ええ、否定する理由もありませんもの」
「ありがとうございます、感謝いたします」
モリーは話せば分かる方だろうとは思っていたが、さすがレオーラのご両親というべき、真っすぐな方たちであって良かった。
「だが、これだけ貢献してくれた方に何もというのもな」
「お父様、私もモリー様は評価されるべきだと思いますが、評価を受けたくてしたわけではないのです」
レオーラはここだと思い、モリーの援護をすることにした。
「それは分かっている」
「では何か、褒美などいかがでしょうか?」
「レオーラ様?」
モリーはレオーラの言葉に驚いたが、にっこりと笑った。
「私も何もなしなんて、王女として良くないと思っておりましたの」
「それはもちろん問題ない。働いていただいたのだろう?」
「はい、モリー様には毎日、朝、昼と咳止めの水を作り出していただいております」
ジーアもこれまで隠していたが、ようやくモリーの働きを伝えることができて、レオーラに加勢し、モリーはただただ困惑した。
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