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復帰2
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「モリー様もそう思っておりましたか?」
「ええ、彼女と関わりがないのは変わらないのですけど、あの方、芸術祭の歌もいまいちでしょう?」
「あっ、はい……」
他の三人も頷いており、皆も同じ感想なのだなと思った。
「それで困って、私のドレスを奪って、芸術祭に提出しようとしたのではないかと思ったのだけど、違ったのですか?」
「奪おうとしたのは事実です。ですが、ドレスは着るつもりだったようです」
「まあ!えっ……着るっていうのは、芸術祭で?」
「おそらくですが、そのようなことを、本人がおっしゃっていたそうです」
「まあ……まさか着るつもりだったなんて、あのドレスは……合わないでしょう」
「はい、似合うはずがありません」
ブレフォスも同じように思っていたが、マキュレアリリージュの体形では、いくら胸を詰めても、着こなすことはできない。
「しかも、私のために作られたドレスだとか、デザインを考えたとか、着てあげるとか言っていたそうです!」
「まあ」
マキュレアリリージュの様子だと言いそうなことではあるが、どうやらいない間に自分勝手なことをしていたようである。
いないからこそ、何を言ってもいいと思っていたのだろうか。
前と何が違うのか分からないが、今回は上手くいかなかったのか。それとも、マキュレアリリージュの周りは上手くいっているのかもしれない。
「そして、芸術祭の後なのですけど、クルージ伯爵令嬢がモリー様のドレスを貰うようなことを言っていたので、着て来てくれるならと、ディナーパーティーに誘ったそうなのです」
「そうなのですか」
モリーは令嬢はおろか、クルージ伯爵家とは、関わったこともないが、裕福だと聞いたことがある。
だが、マキュレアリリージュを何のために誘ったのだろうか。ただ親しかったのか、ドレスなのか、何か目的があったのだろうか。
「はい。ですが、ドレスはお渡しになっていませんよね?」
「ええ、侍女のためのドレスですから、戻ってから既に渡しております」
既にフシュナ伯爵邸に運ばれており、オブレオサジュール公爵邸にはない。
「良かったです……安心いたしました」
自分のドレスではないが、芸術祭が終わっても、マキュレアリリージュの手に渡ることは許せなかった。
「結局、ディナーパーティーは体調が悪いと学園も休んで、欠席したそうです」
「まあ」
勝手に手に入れようとしていたのだろうと、容易に想像ができた。
だが、ドレスがあったのは王宮であり、マキュレアリリージュは知らなかったのではないだろうか。
「今となっては、嘘だったのだと言われているそうです……モリー様と異母妹さんに関わりがないことを知ってもいる方もいますから」
モリーが不在ということもあったが、中等部まで知ることはなかったが、
「実際、嘘だったのですから、事実ですわ」
「何だか、私が知らない間に困ったことになっていたのですね。驚きましたわ」
「中等部と高等部に分かれたこともありますけど、被害がなくて良かったですわ」
「ええ、皆様に迷惑を掛けていないのならいいのですが……」
「掛けていても、モリー様のせいではありませんわ」
モリーはやはり話を聞いて見るものだなと思い、迎えに来てくれたペイリーにも話をすると、驚いた顔をした。
「えっ?」
「ペイリーのドレスなのにね、似合うはずもないわ。クラスメイトの方もそうおっしゃっていたわ」
「不愉快ですわ」
「そうよね、これからは気を付けた方がいいかもしれないわね」
「はい、厳重にいたしましょう。今回のドレスは既に我が邸にありますから、良かったかもしれませんね」
「私もそう思ったわ」
ペイリーはオブレオサジュール公爵邸にある方が危険だなんてあり得ないと、もしまた作ることがあったら、執事とメイド長に相談をしようと決めた。
「ええ、彼女と関わりがないのは変わらないのですけど、あの方、芸術祭の歌もいまいちでしょう?」
「あっ、はい……」
他の三人も頷いており、皆も同じ感想なのだなと思った。
「それで困って、私のドレスを奪って、芸術祭に提出しようとしたのではないかと思ったのだけど、違ったのですか?」
「奪おうとしたのは事実です。ですが、ドレスは着るつもりだったようです」
「まあ!えっ……着るっていうのは、芸術祭で?」
「おそらくですが、そのようなことを、本人がおっしゃっていたそうです」
「まあ……まさか着るつもりだったなんて、あのドレスは……合わないでしょう」
「はい、似合うはずがありません」
ブレフォスも同じように思っていたが、マキュレアリリージュの体形では、いくら胸を詰めても、着こなすことはできない。
「しかも、私のために作られたドレスだとか、デザインを考えたとか、着てあげるとか言っていたそうです!」
「まあ」
マキュレアリリージュの様子だと言いそうなことではあるが、どうやらいない間に自分勝手なことをしていたようである。
いないからこそ、何を言ってもいいと思っていたのだろうか。
前と何が違うのか分からないが、今回は上手くいかなかったのか。それとも、マキュレアリリージュの周りは上手くいっているのかもしれない。
「そして、芸術祭の後なのですけど、クルージ伯爵令嬢がモリー様のドレスを貰うようなことを言っていたので、着て来てくれるならと、ディナーパーティーに誘ったそうなのです」
「そうなのですか」
モリーは令嬢はおろか、クルージ伯爵家とは、関わったこともないが、裕福だと聞いたことがある。
だが、マキュレアリリージュを何のために誘ったのだろうか。ただ親しかったのか、ドレスなのか、何か目的があったのだろうか。
「はい。ですが、ドレスはお渡しになっていませんよね?」
「ええ、侍女のためのドレスですから、戻ってから既に渡しております」
既にフシュナ伯爵邸に運ばれており、オブレオサジュール公爵邸にはない。
「良かったです……安心いたしました」
自分のドレスではないが、芸術祭が終わっても、マキュレアリリージュの手に渡ることは許せなかった。
「結局、ディナーパーティーは体調が悪いと学園も休んで、欠席したそうです」
「まあ」
勝手に手に入れようとしていたのだろうと、容易に想像ができた。
だが、ドレスがあったのは王宮であり、マキュレアリリージュは知らなかったのではないだろうか。
「今となっては、嘘だったのだと言われているそうです……モリー様と異母妹さんに関わりがないことを知ってもいる方もいますから」
モリーが不在ということもあったが、中等部まで知ることはなかったが、
「実際、嘘だったのですから、事実ですわ」
「何だか、私が知らない間に困ったことになっていたのですね。驚きましたわ」
「中等部と高等部に分かれたこともありますけど、被害がなくて良かったですわ」
「ええ、皆様に迷惑を掛けていないのならいいのですが……」
「掛けていても、モリー様のせいではありませんわ」
モリーはやはり話を聞いて見るものだなと思い、迎えに来てくれたペイリーにも話をすると、驚いた顔をした。
「えっ?」
「ペイリーのドレスなのにね、似合うはずもないわ。クラスメイトの方もそうおっしゃっていたわ」
「不愉快ですわ」
「そうよね、これからは気を付けた方がいいかもしれないわね」
「はい、厳重にいたしましょう。今回のドレスは既に我が邸にありますから、良かったかもしれませんね」
「私もそう思ったわ」
ペイリーはオブレオサジュール公爵邸にある方が危険だなんてあり得ないと、もしまた作ることがあったら、執事とメイド長に相談をしようと決めた。
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