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理解
王太子にならなくてもいいと言ったはずが、治癒術を使えるから婚約者に望んだのか、色んな情報があり過ぎて、ファリスも混乱していた。
「それで、どうしてエグリス公爵令息が繋がるのだ?」
「エグリス様、お手紙をお願いできますか」
ジーアは頷き、手紙を取り出した。
「アッセン国王陛下から手紙を預かっております。こちらをお読みいただければと思います」
「アッセン国王陛下から?預かろう」
ジーアはファリスに差し出すと、内容を読み進め、そういうことかと頷き、ケリーに渡した。
「理解した」
「ありがとうございます」
ケリーも読み進めながら、額に片手を当てていた。
「そういうことでしたのね」
手紙にはモリーが毎日、治癒術を施した水を咳止めという形にして配布し、EP71が治癒させて、蔓延しないように防いでくれた感謝と、本人が明かしたくない意思を尊重したことが書かれていた。
さすがにレルスに読ませることはなく、レルスだけが事情が分からない状態であったが、ファリスがレルスに伝えることにした。
「モリー嬢はパークスラ王国で治癒師として動いていたということだ」
「え……?」
コーレイドはもしかしてと思っていたが、国の話になるためにレルスには伝えていなかったために、繋がっていなかった。
「オブレオサジュール公爵令嬢には、大変お世話になりました。私は研究所に勤めており、レオーラ王女殿下の婚約者という立場ですので、まだ黙っておきたいという意向に協力をさせていただきました」
「そうだったのね……」
ケリーはその言葉に、ジーアの存在がハッキリとし、ようやくホッとした。
「私の治癒術は急性の病には有効です。EP71のような治療薬がない状態だったために、全員救えたわけではありませんが、友人の国に協力をさせていただきました」
「そうか、それは素晴らしいことだ」
「そうよ、確かに治癒術が使えるとなっていたら、いえ、あなたは学生だもの。どちらにせよ、正しかったと判断してもいいのではないかしら」
治癒師として派遣されていたかもしれないが、パークスラ王国ではなかったかもしれない。だが、それは偶然起きたことで、やるべきことをやったと言っていい。
「そうだな、留学先で起こったのだから、咎めるようなことはない。よくやった」
「ありがとうございます」
レルスはまさかモリーが既に治癒師として動いていたとは思わず、感心すると同時に自分は何もできなかったことに後悔が襲って来ていた。
「婚約は?」
モリーがどういう意図で、明かすことにしたのか、焦りを感じるレルスは思わず訊ねていた。
「治癒術が理由ではないのですよね?」
「ああ、そう話したではないか」
「私はお父様が決めた相手と婚約するのが当然だと思っていたので、申し込みというものにどう受け止めればいいか分からないのです」
「それは、ああ、理解はできる」
レルスも親が決めるものだと思っていたが、そういったことはなく、候補者から選ぶような形ではあったが、好意的に思える相手はいなかった。
「だが、どうして明かしたのだ?」
「婚約の申し込みをしていただいたのに、両陛下に黙っているのはできないと思いました」
「嫌ではないのだな?」
レルスは嫌がっている部分もあるが、自分を拒絶しているようにも見えず、恐る恐る訊ねた。
「はい。ですが、王太子妃というのは……私では力不足だと理解しております」
「それはまだ考えなくてもいいわ」
お互いに戸惑った様子に、ケリーが口を挟んだ。
「どちらにせよ、公表はできないのだから、あなた、オブレオサジュール公爵、仮という形ではいかがかしら?他に婚約は結ばないということで」
モリーもだが、レルスも親が決めると考えなら、それが一番いいのではないかと考えた。
「そうだな、ブレフォスはどうだ?」
「はい、こちらとしては問題ありません」
「それで、どうしてエグリス公爵令息が繋がるのだ?」
「エグリス様、お手紙をお願いできますか」
ジーアは頷き、手紙を取り出した。
「アッセン国王陛下から手紙を預かっております。こちらをお読みいただければと思います」
「アッセン国王陛下から?預かろう」
ジーアはファリスに差し出すと、内容を読み進め、そういうことかと頷き、ケリーに渡した。
「理解した」
「ありがとうございます」
ケリーも読み進めながら、額に片手を当てていた。
「そういうことでしたのね」
手紙にはモリーが毎日、治癒術を施した水を咳止めという形にして配布し、EP71が治癒させて、蔓延しないように防いでくれた感謝と、本人が明かしたくない意思を尊重したことが書かれていた。
さすがにレルスに読ませることはなく、レルスだけが事情が分からない状態であったが、ファリスがレルスに伝えることにした。
「モリー嬢はパークスラ王国で治癒師として動いていたということだ」
「え……?」
コーレイドはもしかしてと思っていたが、国の話になるためにレルスには伝えていなかったために、繋がっていなかった。
「オブレオサジュール公爵令嬢には、大変お世話になりました。私は研究所に勤めており、レオーラ王女殿下の婚約者という立場ですので、まだ黙っておきたいという意向に協力をさせていただきました」
「そうだったのね……」
ケリーはその言葉に、ジーアの存在がハッキリとし、ようやくホッとした。
「私の治癒術は急性の病には有効です。EP71のような治療薬がない状態だったために、全員救えたわけではありませんが、友人の国に協力をさせていただきました」
「そうか、それは素晴らしいことだ」
「そうよ、確かに治癒術が使えるとなっていたら、いえ、あなたは学生だもの。どちらにせよ、正しかったと判断してもいいのではないかしら」
治癒師として派遣されていたかもしれないが、パークスラ王国ではなかったかもしれない。だが、それは偶然起きたことで、やるべきことをやったと言っていい。
「そうだな、留学先で起こったのだから、咎めるようなことはない。よくやった」
「ありがとうございます」
レルスはまさかモリーが既に治癒師として動いていたとは思わず、感心すると同時に自分は何もできなかったことに後悔が襲って来ていた。
「婚約は?」
モリーがどういう意図で、明かすことにしたのか、焦りを感じるレルスは思わず訊ねていた。
「治癒術が理由ではないのですよね?」
「ああ、そう話したではないか」
「私はお父様が決めた相手と婚約するのが当然だと思っていたので、申し込みというものにどう受け止めればいいか分からないのです」
「それは、ああ、理解はできる」
レルスも親が決めるものだと思っていたが、そういったことはなく、候補者から選ぶような形ではあったが、好意的に思える相手はいなかった。
「だが、どうして明かしたのだ?」
「婚約の申し込みをしていただいたのに、両陛下に黙っているのはできないと思いました」
「嫌ではないのだな?」
レルスは嫌がっている部分もあるが、自分を拒絶しているようにも見えず、恐る恐る訊ねた。
「はい。ですが、王太子妃というのは……私では力不足だと理解しております」
「それはまだ考えなくてもいいわ」
お互いに戸惑った様子に、ケリーが口を挟んだ。
「どちらにせよ、公表はできないのだから、あなた、オブレオサジュール公爵、仮という形ではいかがかしら?他に婚約は結ばないということで」
モリーもだが、レルスも親が決めると考えなら、それが一番いいのではないかと考えた。
「そうだな、ブレフォスはどうだ?」
「はい、こちらとしては問題ありません」
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