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回顧4
「私は聞かれない限りこれからも話すことはないと思います」
「ペイリーにもか?」
「はい、ペイリーはずっとそばにいましたから……守れなかったと考えるでしょうから知らせたくないのです」
「そうか」
今日も休みにしており、実はレルスからエリーによるとペイリーも一回目にモリーが亡くなった時に疑われはしたが、王宮にはいなかったことがすぐに証明された。
しかも犯人を殺して私も死ぬと言っていたそうで、モリーの言う通り知らせない方がいいかもしれない。
「そういえば、オルトに頼まれて治癒術を行った腰痛は誰だったんだ?」
「宰相様のお父様です」
「ファジアーノ前公爵か……」
「はい、恩を売りたかったのだと思いますが、オルト殿下は私の治癒術のことすら分かっていなかったことが明らかになりました」
「はあ……すまない」
腰痛ということから年齢の高い方だろうとは思ったが、宰相を味方につけようとしたのかと呆れた。
「モリー様、確か事故ともおっしゃっておりましたね?起きていないのですか?」
「そうですね。火事だったのですが、あれは高等部の三年生の頃だったはずなので……話は聞いておりませんが」
「どこだ?」
「ムーンラ伯爵領です」
「ああ、確か二ヶ月前にあったな。だが、すぐに消し止められて、少し怪我人が出たと聞いている」
レルスも話は聞いており、治癒師が派遣されるほどでもなかったと聞いていた。
「怪我人が……でも大きな火事になっていないのなら良かったです。あの時は別件で隣の領にいて、すぐに向かったのです。これも今回とは違いますものね」
「何か変わったのかもしれないな」
モリーは正確な日にちは覚えていないが、いた場所も違えば、日にちも同じとは限らない。
「原因は倒れたので、分からないままですが、入り込んだ住居で、一気に燃え広がって、ムーンラ前伯爵夫人も手伝いに来られて倒れてしまって、でも死者は出なかったはずです。私が水魔法と治癒術を使いましたので」
「そうか、それで魔力切れに」
「両方使ったからだったのですね」
レルスはコーレイドから、レオーラはジーアからモリーの魔力量は多いと聞かされていた。それなのに、どうして魔力切れになったのかと思っていた。
「もしかして一人だったのか?」
「はい、他に水魔法を使える方はいませんでしたので、でも領民も水を運んで手伝ってくださって消すことができました」
まるでモリーが救世主ではないかと思ったが、それなのにオルトは何を考えているのかということに繋がる。
「ただ、魔力量は多いとはいえ、王都に戻った頃も回復しておらず、さすがに限界だったのです」
「オルトは……何も知らなかったのか?」
「話したのですが、聞いてはくれなかっただけです」
「はあ……申し訳ない」
レルスはオルトに関して謝ることしかないではないかと、溜息をついた。
「ルーリカ嬢はマレアの兄とは婚約解消されたんですよね?」
「そのようだな」
マレアが拘束されてから、しばらくしてフレオとルーリカの婚約は解消された。
「まあ、その領の令嬢と婚約していたのですか?」
「そうです。ルーリカ嬢はそれこそ成績上位者でして、そこを買われて婚約をしたようでしたが、上手くいっていなかったと聞いています」
「それならば良かったということですね」
可哀想とまでは思えないが、マレアのせいで思い合う男女が壊れたのなら不幸なことだった。
「ええ、ゼアンラーク侯爵家は分かりませんが、マレアもフリオも貴賤差別が酷い二人でしたので、相応の結果と言いたいところではあります」
「まあ、それなのにモリー様を狙うなんて」
「それはレオーラ様ですよ」
「そうですわね」
二人は微笑み合っていたが、レルスは一緒には笑うことはできなかった。
「ペイリーにもか?」
「はい、ペイリーはずっとそばにいましたから……守れなかったと考えるでしょうから知らせたくないのです」
「そうか」
今日も休みにしており、実はレルスからエリーによるとペイリーも一回目にモリーが亡くなった時に疑われはしたが、王宮にはいなかったことがすぐに証明された。
しかも犯人を殺して私も死ぬと言っていたそうで、モリーの言う通り知らせない方がいいかもしれない。
「そういえば、オルトに頼まれて治癒術を行った腰痛は誰だったんだ?」
「宰相様のお父様です」
「ファジアーノ前公爵か……」
「はい、恩を売りたかったのだと思いますが、オルト殿下は私の治癒術のことすら分かっていなかったことが明らかになりました」
「はあ……すまない」
腰痛ということから年齢の高い方だろうとは思ったが、宰相を味方につけようとしたのかと呆れた。
「モリー様、確か事故ともおっしゃっておりましたね?起きていないのですか?」
「そうですね。火事だったのですが、あれは高等部の三年生の頃だったはずなので……話は聞いておりませんが」
「どこだ?」
「ムーンラ伯爵領です」
「ああ、確か二ヶ月前にあったな。だが、すぐに消し止められて、少し怪我人が出たと聞いている」
レルスも話は聞いており、治癒師が派遣されるほどでもなかったと聞いていた。
「怪我人が……でも大きな火事になっていないのなら良かったです。あの時は別件で隣の領にいて、すぐに向かったのです。これも今回とは違いますものね」
「何か変わったのかもしれないな」
モリーは正確な日にちは覚えていないが、いた場所も違えば、日にちも同じとは限らない。
「原因は倒れたので、分からないままですが、入り込んだ住居で、一気に燃え広がって、ムーンラ前伯爵夫人も手伝いに来られて倒れてしまって、でも死者は出なかったはずです。私が水魔法と治癒術を使いましたので」
「そうか、それで魔力切れに」
「両方使ったからだったのですね」
レルスはコーレイドから、レオーラはジーアからモリーの魔力量は多いと聞かされていた。それなのに、どうして魔力切れになったのかと思っていた。
「もしかして一人だったのか?」
「はい、他に水魔法を使える方はいませんでしたので、でも領民も水を運んで手伝ってくださって消すことができました」
まるでモリーが救世主ではないかと思ったが、それなのにオルトは何を考えているのかということに繋がる。
「ただ、魔力量は多いとはいえ、王都に戻った頃も回復しておらず、さすがに限界だったのです」
「オルトは……何も知らなかったのか?」
「話したのですが、聞いてはくれなかっただけです」
「はあ……申し訳ない」
レルスはオルトに関して謝ることしかないではないかと、溜息をついた。
「ルーリカ嬢はマレアの兄とは婚約解消されたんですよね?」
「そのようだな」
マレアが拘束されてから、しばらくしてフレオとルーリカの婚約は解消された。
「まあ、その領の令嬢と婚約していたのですか?」
「そうです。ルーリカ嬢はそれこそ成績上位者でして、そこを買われて婚約をしたようでしたが、上手くいっていなかったと聞いています」
「それならば良かったということですね」
可哀想とまでは思えないが、マレアのせいで思い合う男女が壊れたのなら不幸なことだった。
「ええ、ゼアンラーク侯爵家は分かりませんが、マレアもフリオも貴賤差別が酷い二人でしたので、相応の結果と言いたいところではあります」
「まあ、それなのにモリー様を狙うなんて」
「それはレオーラ様ですよ」
「そうですわね」
二人は微笑み合っていたが、レルスは一緒には笑うことはできなかった。
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