54 / 252
事情
しおりを挟む
「馬鹿者が!情けない」
オーリンは最後に呆れたように絞り出し、エルソンは顔も見れなかった。
そして、エルソンはブレフォスに謝罪し、先に子爵家に帰ることになった。オーリンは改めて、ブレフォスに謝罪をした。
「申し訳ございませんでした、こちらがエルソンに書かせました経緯でございます」
ブレフォスに渡すと、黙って読み進めた。
「馬鹿なことをしてくれたものだ……」
「はい、おっしゃる通りにございます。モリーお嬢様にも、謝罪をさせていただけませんでしょうか」
「そうだな、モリーにもなぜこのようなことになったのか、知らせておかなければならないな」
モリーとペジリーがブレフォスに呼ばれて行くと、エルソンに代わってオーリンが頭を下げて待ち構えていた。
モリーもオーリンとも面識はあったが、近しい存在ではなかった。
「お嬢様、この度は息子、エルソンが大変失礼をいたしましたことを、代わりに謝罪させてください」
「オーリン、モリーはなぜこうなったのか、分かっていない。先に経緯を読ませてからにしよう」
「さようでございますね、重ね重ね申し訳ございません」
モリーは渡された書類を読み、ようやく意図を理解した。
「申し訳ございませんでした」
「そういうことでしたのね、私は気にしておりません。ですが、王家の方には申し訳なかったと思います」
「はい……ですが、お嬢様にも大変失礼な行為を行い、あのような者を連れて来た息子の責任でございます」
「確かに問題のある方でしたね」
レベンナがどのような人間かは分からないが、マキュレアリリージュやリークレアのように自信に満ちた女性だったのだろうと思った。
折角、二人には関わらずに済んでいたのに、まさかこんな形で、横取りではないが、似たようなことになるとは思わなかった。
「あの娘は姿を現すことはない」
「まあ、そうでしょうね……」
モリーも二度と会うことはないだろうと思ったが、ブレフォスも断言した。
王妃陛下が出て来た以上、準男爵家ではもう王都にはいられないだろうことは、モリーにも分かる。
「王妃陛下には私からちゃんと謝罪し、モリーのせいではないと話す」
「はい」
「謝ってもらうか?」
「私にですか?」
「ああ」
「結構です」
エルソンもレベンナも帰してしまったが、モリーにも謝罪が必要であったのではないかと、ブレフォスは不安になった。
「ゴース準男爵家は、レベンナから話をするようには伝えましたが、その後は私が対応いたします」
「ああ、どちらにしろ王妃陛下から注意が届くだろう」
注意という名のどうなっているのだ、どうして責任を取るのかというものであることは間違いない。
「はい、それでもエルソンの責任ですから」
「ああ」
ブレフォスは説明を行いたいとケリーに連絡をすると、その際にこの前、台無しになったエリー王女殿下とのお茶会をやり直したいということであった。
了承して、約束の日を待つことになった。
そして、レベンナのことはゴース準男爵家に、手紙を出したとも書いてあった。
エルソンに代わってオーリンがオブレオサジュール公爵家の執事に戻っていたが、ゴース準男爵家に話をしに行くように伝えた。
ゴース準男爵家に先触れを出して、オーリンが着くと、エッジ・ゴース準男爵は慌てて飛び出して来た。
「ツーラン子爵!話とは、どういうことなのでしょうか、王家からも、王妃陛下からも、手紙が届いてどうしたらいいのかと……」
「娘から説明を受けていませんか」
「いいえ!レベンナからは何も……」
レベンナ・ゴースと名前は書かれていたので、対象は分かったが、エッジは何も聞いていなかった。
「ここでは目立ちますので、邸に入れてもらえますか?」
「申し訳ございません」
ほぼ平民である準男爵家であるために、応接室とは言い難いが、小さな書斎のようなところに通されて、話をすることになった。
オーリンは最後に呆れたように絞り出し、エルソンは顔も見れなかった。
そして、エルソンはブレフォスに謝罪し、先に子爵家に帰ることになった。オーリンは改めて、ブレフォスに謝罪をした。
「申し訳ございませんでした、こちらがエルソンに書かせました経緯でございます」
ブレフォスに渡すと、黙って読み進めた。
「馬鹿なことをしてくれたものだ……」
「はい、おっしゃる通りにございます。モリーお嬢様にも、謝罪をさせていただけませんでしょうか」
「そうだな、モリーにもなぜこのようなことになったのか、知らせておかなければならないな」
モリーとペジリーがブレフォスに呼ばれて行くと、エルソンに代わってオーリンが頭を下げて待ち構えていた。
モリーもオーリンとも面識はあったが、近しい存在ではなかった。
「お嬢様、この度は息子、エルソンが大変失礼をいたしましたことを、代わりに謝罪させてください」
「オーリン、モリーはなぜこうなったのか、分かっていない。先に経緯を読ませてからにしよう」
「さようでございますね、重ね重ね申し訳ございません」
モリーは渡された書類を読み、ようやく意図を理解した。
「申し訳ございませんでした」
「そういうことでしたのね、私は気にしておりません。ですが、王家の方には申し訳なかったと思います」
「はい……ですが、お嬢様にも大変失礼な行為を行い、あのような者を連れて来た息子の責任でございます」
「確かに問題のある方でしたね」
レベンナがどのような人間かは分からないが、マキュレアリリージュやリークレアのように自信に満ちた女性だったのだろうと思った。
折角、二人には関わらずに済んでいたのに、まさかこんな形で、横取りではないが、似たようなことになるとは思わなかった。
「あの娘は姿を現すことはない」
「まあ、そうでしょうね……」
モリーも二度と会うことはないだろうと思ったが、ブレフォスも断言した。
王妃陛下が出て来た以上、準男爵家ではもう王都にはいられないだろうことは、モリーにも分かる。
「王妃陛下には私からちゃんと謝罪し、モリーのせいではないと話す」
「はい」
「謝ってもらうか?」
「私にですか?」
「ああ」
「結構です」
エルソンもレベンナも帰してしまったが、モリーにも謝罪が必要であったのではないかと、ブレフォスは不安になった。
「ゴース準男爵家は、レベンナから話をするようには伝えましたが、その後は私が対応いたします」
「ああ、どちらにしろ王妃陛下から注意が届くだろう」
注意という名のどうなっているのだ、どうして責任を取るのかというものであることは間違いない。
「はい、それでもエルソンの責任ですから」
「ああ」
ブレフォスは説明を行いたいとケリーに連絡をすると、その際にこの前、台無しになったエリー王女殿下とのお茶会をやり直したいということであった。
了承して、約束の日を待つことになった。
そして、レベンナのことはゴース準男爵家に、手紙を出したとも書いてあった。
エルソンに代わってオーリンがオブレオサジュール公爵家の執事に戻っていたが、ゴース準男爵家に話をしに行くように伝えた。
ゴース準男爵家に先触れを出して、オーリンが着くと、エッジ・ゴース準男爵は慌てて飛び出して来た。
「ツーラン子爵!話とは、どういうことなのでしょうか、王家からも、王妃陛下からも、手紙が届いてどうしたらいいのかと……」
「娘から説明を受けていませんか」
「いいえ!レベンナからは何も……」
レベンナ・ゴースと名前は書かれていたので、対象は分かったが、エッジは何も聞いていなかった。
「ここでは目立ちますので、邸に入れてもらえますか?」
「申し訳ございません」
ほぼ平民である準男爵家であるために、応接室とは言い難いが、小さな書斎のようなところに通されて、話をすることになった。
2,894
あなたにおすすめの小説
貴族の爵位って面倒ね。
しゃーりん
恋愛
ホリーは公爵令嬢だった母と男爵令息だった父との間に生まれた男爵令嬢。
両親はとても仲が良くて弟も可愛くて、とても幸せだった。
だけど、母の運命を変えた学園に入学する歳になって……
覚悟してたけど、男爵令嬢って私だけじゃないのにどうして?
理不尽な嫌がらせに助けてくれる人もいないの?
ホリーが嫌がらせされる原因は母の元婚約者の息子の指示で…
嫌がらせがきっかけで自国の貴族との縁が難しくなったホリーが隣国の貴族と幸せになるお話です。
心の中にあなたはいない
ゆーぞー
恋愛
姉アリーのスペアとして誕生したアニー。姉に成り代われるようにと育てられるが、アリーは何もせずアニーに全て押し付けていた。アニーの功績は全てアリーの功績とされ、周囲の人間からアニーは役立たずと思われている。そんな中アリーは事故で亡くなり、アニーも命を落とす。しかしアニーは過去に戻ったため、家から逃げ出し別の人間として生きていくことを決意する。
一方アリーとアニーの死後に真実を知ったアリーの夫ブライアンも過去に戻りアニーに接触しようとするが・・・。
愛を語れない関係【完結】
迷い人
恋愛
婚約者の魔導師ウィル・グランビルは愛すべき義妹メアリーのために、私ソフィラの全てを奪おうとした。 家族が私のために作ってくれた魔道具まで……。
そして、時が戻った。
だから、もう、何も渡すものか……そう決意した。
そしてヒロインは売れ残った
しがついつか
恋愛
マーズ王国の住民は、貴賤に関係なく15歳になる歳から3年間、王立学園に通うこととなっている。
校舎は別れているものの、貴族と平民の若者が一か所に集う場所だ。
そのため時々、貴族に対してとんでもないことをやらかす平民が出てきてしまうのであった。
リーリエが入学した年がまさにそれだった。
入学早々、平民の女子生徒が男子生徒に次々とアプローチをかけていったのだ。
契約結婚の終わりの花が咲きます、旦那様
日室千種・ちぐ
恋愛
エブリスタ新星ファンタジーコンテストで佳作をいただいた作品を、講評を参考に全体的に手直ししました。
春を告げるラクサの花が咲いたら、この契約結婚は終わり。
夫は他の女性を追いかけて家に帰らない。私はそれに傷つきながらも、夫の弱みにつけ込んで結婚した罪悪感から、なかば諦めていた。体を弱らせながらも、寄り添ってくれる老医師に夫への想いを語り聞かせて、前を向こうとしていたのに。繰り返す女の悪夢に少しずつ壊れた私は、ついにある時、ラクサの花を咲かせてしまう――。
真実とは。老医師の決断とは。
愛する人に別れを告げられることを恐れる妻と、妻を愛していたのに契約結婚を申し出てしまった夫。悪しき魔女に掻き回された夫婦が絆を見つめ直すお話。
全十二話。完結しています。
【完結】元サヤに戻りましたが、それが何か?
ノエル
恋愛
王太子の婚約者エレーヌは、完璧な令嬢として誰もが認める存在。
だが、王太子は子爵令嬢マリアンヌと親交を深め、エレーヌを蔑ろにし始める。
自分は不要になったのかもしれないと悩みつつも、エレーヌは誇りを捨てずに、婚約者としての矜持を守り続けた。
やがて起きた事件をきっかけに、王太子は失脚。二人の婚約は解消された。
初夜に前世を思い出した悪役令嬢は復讐方法を探します。
豆狸
恋愛
「すまない、間違えたんだ」
「はあ?」
初夜の床で新妻の名前を元カノ、しかも新妻の異母妹、しかも新妻と婚約破棄をする原因となった略奪者の名前と間違えた?
脳に蛆でも湧いてんじゃないですかぁ?
なろう様でも公開中です。
忘れられた幼な妻は泣くことを止めました
帆々
恋愛
アリスは十五歳。王国で高家と呼ばれるう高貴な家の姫だった。しかし、家は貧しく日々の暮らしにも困窮していた。
そんな時、アリスの父に非常に有利な融資をする人物が現れた。その代理人のフーは巧みに父を騙して、莫大な借金を負わせてしまう。
もちろん返済する目処もない。
「アリス姫と我が主人との婚姻で借財を帳消しにしましょう」
フーの言葉に父は頷いた。アリスもそれを責められなかった。家を守るのは父の責務だと信じたから。
嫁いだドリトルン家は悪徳金貸しとして有名で、アリスは邸の厳しいルールに従うことになる。フーは彼女を監視し自由を許さない。そんな中、夫の愛人が邸に迎え入れることを知る。彼女は庭の隅の離れ住まいを強いられているのに。アリスは嘆き悲しむが、フーに強く諌められてうなだれて受け入れた。
「ご実家への援助はご心配なく。ここでの悪くないお暮らしも保証しましょう」
そういう経緯を仲良しのはとこに打ち明けた。晩餐に招かれ、久しぶりに心の落ち着く時間を過ごした。その席にははとこ夫妻の友人のロエルもいて、彼女に彼の掘った珍しい鉱石を見せてくれた。しかし迎えに現れたフーが、和やかな夜をぶち壊してしまう。彼女を庇うはとこを咎め、フーの無礼を責めたロエルにまで痛烈な侮蔑を吐き捨てた。
厳しい婚家のルールに縛られ、アリスは外出もままならない。
それから五年の月日が流れ、ひょんなことからロエルに再会することになった。金髪の端正な紳士の彼は、彼女に問いかけた。
「お幸せですか?」
アリスはそれに答えられずにそのまま別れた。しかし、その言葉が彼の優しかった印象と共に尾を引いて、彼女の中に残っていく_______。
世間知らずの高貴な姫とやや強引な公爵家の子息のじれじれなラブストーリーです。
古風な恋愛物語をお好きな方にお読みいただけますと幸いです。
ハッピーエンドを心がけております。読後感のいい物語を努めます。
※小説家になろう様にも投稿させていただいております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる