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新王太子
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シュアリーに王太子教育を始めて半年が経っていたが、教師陣の評価はずっと低い。字も汚いままで、読めないという苦情も上がっている。そして、本人にやる気を感じられない、逃げれるなら逃げたいというのが、あからさまだという。ルカスの方は元々行っていたために、順調だと聞いている。
「スイク王国から第二王子がいらっしゃることになった、粗相のないように。王太子教育も対応したものに変えるから、そのつもりでいなさい」
「はい…頑張ります」
シュアリーは未だに王太子の実感も、自信もないが、やっぱり王女として、崇められることはとても好きなのである。
王太子となったシュアリーは、初めて国外の方に会うことになるため、念入りに指導を受け、字を書く機会はないため、そこは安心だ。そしてお迎えの日を迎えた。新しいドレスに、愛らしい化粧と髪型にして貰い、上機嫌だった。
王太子の発表はしたものの、教育が追い付いていないため、立太子のお披露目は体制が整ってからということになっている。無駄になるかもしれないから、したくないというのが大臣たちの本音である。
「初めまして。スイク王国、第二王子のブルーナでございます」
「初めまして、王女のシュアリーでございます」
シュアリーはブロンドに、青い瞳のブルーナの絵画のような美しさに眩暈がした。世界にはこんなにも美しい人がいるのか。シュアリーは大事な場面で出席することはなかったので、初対面である。
「素晴らしい王宮ですね」
「ありがとうございます」
「立太子、ご婚約、おめでとうございます。今とてもお幸せなんでしょうね」
「はい、ありがとうございます」
「羨ましい限りです。好きな相手と想い合うと、毎日が輝いて見えるというのは本当でしょうか」
「はい、輝いているかは分かりませんが、幸せです」
シュアリーは甘い口振りのブルーナの言葉に素直に答えていた。
「それはとても素晴らしいことですね、私も本当は縁談でこちらに来る予定だったのですが、なくなってしまいましてね」
「えっ、そうなのですか」
「仕方のないことです。想い合う2人のお邪魔は出来ませんから。ご縁がなかったのでしょうね。殿下も婚約者様と末永くお幸せに」
シュアリーは縁談の話を陛下から聞いていたが、ルカスのことばかり考えてしまい、相手が誰かまでは聞いていなかった。王族の相手は限られるため、まさかブルーナ第二王子だったのだろうか。
「ブルーナ殿下は素晴らしいお人柄ですね。婚約者もいらっしゃらないそうで、アウラージュ殿下とお似合いなのではないかと思いましたが」
「えっ、でも」
「何かありましたか?」
「いえ、お姉様を好まれるかは分からないと思っただけです」
「そうですか?いいお話ではありませんか」
「えっ、ええ、そうだけど」
ご縁がなかったということは、ブルーナは受けるつもりでいたのだろう。でも、こちらの状況が変わって、お断りをすることになった。ルカスのことは好きだが、何だかとても酷いことをした気持ちになる。
アウラージュに紹介して、もし上手くいってしまったら、いえ、喜ばしいことじゃない。でもどうしようもなく、惜しいという気持ちが勝ってしまう。何なのだろうか、この気持ちは、分からない。
それからルカスは大臣の紹介や、フォローしてくれていたが、ほとんどの話は頭に入らなかった、代わりにブルーナの隣に立つ自分を想像ばかりしていた。
シュアリーは気付いていない。対外的にはアウラージュが王位継承権を放棄したから、王太子になり、王配をそのままとなったはずなのに、ブルーナはまるで想い合っている2人として扱い、祝辞を述べ、周りにも聞こえている。
本来なら急なことで大変ですが、ルカスも頑張ってくれているので、支え合って行こうと思うと話すべきだっただろう。
ブルーナは幼い頃から容姿を褒められ続け、みごとなナルシストとなった。わざと自身が縁談の相手だと匂わせ、私の美貌で靡くかどうか試してみたのだ。
「スイク王国から第二王子がいらっしゃることになった、粗相のないように。王太子教育も対応したものに変えるから、そのつもりでいなさい」
「はい…頑張ります」
シュアリーは未だに王太子の実感も、自信もないが、やっぱり王女として、崇められることはとても好きなのである。
王太子となったシュアリーは、初めて国外の方に会うことになるため、念入りに指導を受け、字を書く機会はないため、そこは安心だ。そしてお迎えの日を迎えた。新しいドレスに、愛らしい化粧と髪型にして貰い、上機嫌だった。
王太子の発表はしたものの、教育が追い付いていないため、立太子のお披露目は体制が整ってからということになっている。無駄になるかもしれないから、したくないというのが大臣たちの本音である。
「初めまして。スイク王国、第二王子のブルーナでございます」
「初めまして、王女のシュアリーでございます」
シュアリーはブロンドに、青い瞳のブルーナの絵画のような美しさに眩暈がした。世界にはこんなにも美しい人がいるのか。シュアリーは大事な場面で出席することはなかったので、初対面である。
「素晴らしい王宮ですね」
「ありがとうございます」
「立太子、ご婚約、おめでとうございます。今とてもお幸せなんでしょうね」
「はい、ありがとうございます」
「羨ましい限りです。好きな相手と想い合うと、毎日が輝いて見えるというのは本当でしょうか」
「はい、輝いているかは分かりませんが、幸せです」
シュアリーは甘い口振りのブルーナの言葉に素直に答えていた。
「それはとても素晴らしいことですね、私も本当は縁談でこちらに来る予定だったのですが、なくなってしまいましてね」
「えっ、そうなのですか」
「仕方のないことです。想い合う2人のお邪魔は出来ませんから。ご縁がなかったのでしょうね。殿下も婚約者様と末永くお幸せに」
シュアリーは縁談の話を陛下から聞いていたが、ルカスのことばかり考えてしまい、相手が誰かまでは聞いていなかった。王族の相手は限られるため、まさかブルーナ第二王子だったのだろうか。
「ブルーナ殿下は素晴らしいお人柄ですね。婚約者もいらっしゃらないそうで、アウラージュ殿下とお似合いなのではないかと思いましたが」
「えっ、でも」
「何かありましたか?」
「いえ、お姉様を好まれるかは分からないと思っただけです」
「そうですか?いいお話ではありませんか」
「えっ、ええ、そうだけど」
ご縁がなかったということは、ブルーナは受けるつもりでいたのだろう。でも、こちらの状況が変わって、お断りをすることになった。ルカスのことは好きだが、何だかとても酷いことをした気持ちになる。
アウラージュに紹介して、もし上手くいってしまったら、いえ、喜ばしいことじゃない。でもどうしようもなく、惜しいという気持ちが勝ってしまう。何なのだろうか、この気持ちは、分からない。
それからルカスは大臣の紹介や、フォローしてくれていたが、ほとんどの話は頭に入らなかった、代わりにブルーナの隣に立つ自分を想像ばかりしていた。
シュアリーは気付いていない。対外的にはアウラージュが王位継承権を放棄したから、王太子になり、王配をそのままとなったはずなのに、ブルーナはまるで想い合っている2人として扱い、祝辞を述べ、周りにも聞こえている。
本来なら急なことで大変ですが、ルカスも頑張ってくれているので、支え合って行こうと思うと話すべきだっただろう。
ブルーナは幼い頃から容姿を褒められ続け、みごとなナルシストとなった。わざと自身が縁談の相手だと匂わせ、私の美貌で靡くかどうか試してみたのだ。
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