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真相3
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リラは普段はまともなのに、ジルバードのことになると豹変する。しかも、それがいつ、何がきっかけで起こるかが分からない。
諭し、怒り、話し合いもし、友人や医師にも力を借りたが、その場ではきちんと聞くが、結局は効果を感じることは出来なかった。学園も本来なら通わせる気はなかったが、もしかしたら同世代と接することで、現実を知り、いい影響があるかもしれないと、思ってのことだった。
「私も同じだと思わせて、周りを煽りたかったのだろうな」
「申し訳ございません」
「聞き取りが終わったら、連れて帰って監視してください」
「いえ、すぐに更生施設に連れて行きます」
騎士に連れて来られたリラは貴族牢に入れられていたので、服は質素な物だが、食事も摂れて、お風呂にも入れるので、清潔なままである。だが、貴族牢で『私は間違いを正そうとしていたの、きちんと話を聞きなさい』と、随分暴れていたそうだ。
「どうしてよ!あの女は私と間違えて、婚約しているの!」
「リラ!」
「ああ、リラとララ…」
「ああ!遅すぎるな、アウラもピンと来てなかっただろう」
「ええ、私も駄目ね。これで勘違いしたのね」
アウラージュとアルバートは項垂れ、おそらくリラ・ブラインと呼んでいたせいだ。騎士団長はなるほどと頷いている。
「リラ・ブライン!座りなさい。ジルバード・バートラはあなたを憶えてもいなかった、それが事実です」
「だから違うの!間違っているの!」
「間違っていません、ジルバードとララは互いを好ましく思って婚約したのです。貴族では珍しいほどの想い合っての婚約です」
ジルバードはララとは5つも離れているので、始めは可愛いなと思うくらいであったが、いつしか恋に変わり、周りにロリコンなどと揶揄われたりもしたが、たまたま5つ離れていただけだ、10でも変わらない、10も離れていたらまだ幼子だろうと言われていたが、内輪では有名な話である。
「ジルバード様に私のヘーゼルの瞳を褒められたの!リラのその瞳も好きだって」
「それはどんな状況でしたか」
「だから躓いて、支えて貰って、その後でよ」
アウラージュに対する言葉ではないが、これから更生施設に入るリラに、注意して長引くことを望まないからだ。
「あなたの顔を見て?もしくは瞳を見て?」
「そうではなかったけど…」
「別の方を向いていたのではない?」
「きっと恥ずかしかったのよ」
「それはリラではなく、ララじゃない?リラとララ、よく考えたらとても似ているわね。全く違う名前だったら良かったのに」
「違うわ!そんなはずない!」
目の血走ったリラは立ち上がり、騎士に肩を抑えられて、再び座らされている。
「でも、ジルバードはあなたの名前を知らないのよ?あなたはその時に自己紹介をしたの?」
「ジルバード様は私を既にご存知だったのよ!」
「一度も会ったこともない子を?その髪も染めたものだったのね、そのジルバードに出会った頃はブロンドだったから」
リラは成長するに連れて、ブロンドからブラウンに髪色が変化していた。
「たまたま、支えただけの知らない子ども。ジルバードもそんなことが、もしかしたらあったかもしれないが、顔や髪色はおろか、瞳の色なんて、全く憶えていないと言っていたそうよ」
「そんなはずない、そんなはず…」
「ララはヘーゼルの瞳なの。グリーンが私よりもハッキリとしたね、ジルバードによるとヘーゼルの瞳で知っているのはララと、私だけだそうよ」
「そん、な」
「ジルバードはよくララを褒めるの。私も聞いたことがあるわ。ララの顔も、その瞳も好きだよと、間違いはあなたの方よ」
「そんな、そんなことない、わああああ」
リラにもアウラージュのヘーゼルの瞳が向けられ、顔を両手で押さえて、蹲ってしまった。アルバートはその瞳には何か力があるのかとすら思っていた。
諭し、怒り、話し合いもし、友人や医師にも力を借りたが、その場ではきちんと聞くが、結局は効果を感じることは出来なかった。学園も本来なら通わせる気はなかったが、もしかしたら同世代と接することで、現実を知り、いい影響があるかもしれないと、思ってのことだった。
「私も同じだと思わせて、周りを煽りたかったのだろうな」
「申し訳ございません」
「聞き取りが終わったら、連れて帰って監視してください」
「いえ、すぐに更生施設に連れて行きます」
騎士に連れて来られたリラは貴族牢に入れられていたので、服は質素な物だが、食事も摂れて、お風呂にも入れるので、清潔なままである。だが、貴族牢で『私は間違いを正そうとしていたの、きちんと話を聞きなさい』と、随分暴れていたそうだ。
「どうしてよ!あの女は私と間違えて、婚約しているの!」
「リラ!」
「ああ、リラとララ…」
「ああ!遅すぎるな、アウラもピンと来てなかっただろう」
「ええ、私も駄目ね。これで勘違いしたのね」
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「リラ・ブライン!座りなさい。ジルバード・バートラはあなたを憶えてもいなかった、それが事実です」
「だから違うの!間違っているの!」
「間違っていません、ジルバードとララは互いを好ましく思って婚約したのです。貴族では珍しいほどの想い合っての婚約です」
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「ジルバード様に私のヘーゼルの瞳を褒められたの!リラのその瞳も好きだって」
「それはどんな状況でしたか」
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アウラージュに対する言葉ではないが、これから更生施設に入るリラに、注意して長引くことを望まないからだ。
「あなたの顔を見て?もしくは瞳を見て?」
「そうではなかったけど…」
「別の方を向いていたのではない?」
「きっと恥ずかしかったのよ」
「それはリラではなく、ララじゃない?リラとララ、よく考えたらとても似ているわね。全く違う名前だったら良かったのに」
「違うわ!そんなはずない!」
目の血走ったリラは立ち上がり、騎士に肩を抑えられて、再び座らされている。
「でも、ジルバードはあなたの名前を知らないのよ?あなたはその時に自己紹介をしたの?」
「ジルバード様は私を既にご存知だったのよ!」
「一度も会ったこともない子を?その髪も染めたものだったのね、そのジルバードに出会った頃はブロンドだったから」
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「たまたま、支えただけの知らない子ども。ジルバードもそんなことが、もしかしたらあったかもしれないが、顔や髪色はおろか、瞳の色なんて、全く憶えていないと言っていたそうよ」
「そんなはずない、そんなはず…」
「ララはヘーゼルの瞳なの。グリーンが私よりもハッキリとしたね、ジルバードによるとヘーゼルの瞳で知っているのはララと、私だけだそうよ」
「そん、な」
「ジルバードはよくララを褒めるの。私も聞いたことがあるわ。ララの顔も、その瞳も好きだよと、間違いはあなたの方よ」
「そんな、そんなことない、わああああ」
リラにもアウラージュのヘーゼルの瞳が向けられ、顔を両手で押さえて、蹲ってしまった。アルバートはその瞳には何か力があるのかとすら思っていた。
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