【完結】愛されて、愛されて、愛されて

野村にれ

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帰還2

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「ただいま、戻りました。フランアールは無事帰っておりますか?」
「ああ、子猫もな」
「そうでした、母上は?」
「フランアールに名前を付けて欲しいと頼まれて、べったりくっ付いている」

 マーガレットにも懐いたために、今日は私が面倒を看ると預かることになった。

「やはり……」
「フランアールが保護した経緯はルジエールに聞いて欲しいと言っていたが?」
「はい、着替えて来て、説明をします」
「ああ、食べていないのなら食事もするといい」
「はい、いただきます」

 食堂にはその間に夕食が準備されて、ジスラットはルジエールを待っていた。後処理と国王陛下への報告もあり、時間が掛かった。

 フランアールのことにはラルフリードが思わず立ち上がったが、ケルシュツ・ハービル侯爵が本人も望み、私が危険はないと判断したと伝えた。

 当のフランアールのことは子猫を見付けて帰したと説明したが、それでいいと言われ、間違っていなかったとホッとした。

「食べながらでいい、何があった?」
「はい、マドール辺境伯領に魔獣が出まして、元はクマだったのだろうと思う個体で、5メートルはないかという大きさでした。他の種の魔獣も出ており、クマは二体ということもあり、手古摺ったようで、私にも応援要請がありました」
「そうか」

 ジスラットは話を聞きながら、随分個体は大きかったようだが、珍しい話ではないと感じていた。

「それで、ハービル団長がフランアールを確認した魔術師だったことが分かりまして、知り合いでした」
「そうか、侯爵だったのか」
「はい、それでフランアールも応援へ行くことになりまして」
「ん?行ったのか?まさか、子猫は……そこで?」
「そういうことです。魔獣が出たことで、親猫が離れたか、最悪殺されたか、子猫が置き去りになったのでしょう」

 リルハは逃げたと言ったが、殺された可能性もあったが、おそらくフランアールが心を痛めると思い、あえて言わなかったのだろうとルジエールは思っていた。

「そうだったのか、保護されて良かったな」
「フランアールが見付けたのです」
「で、フランアールも攻撃を?」
「むしろ、フランアールが一撃で倒しました」
「二体を?」
「はい、この目で見ましたから、状況判断、攻撃みごとでした。怪我人はおりましたが、死者もなくです」

 ルジエールと魔術師と騎士たちだけで倒すことはできただろうが、長引けば死者が出ると言ったフランアールは間違っていなかったと思う。

「お前が言うのなら、事実なのだろうな」
「はい、どうすれば、一番いいか導き出し、実行したのでしょう。元より魔獣の討伐の経験もあったようです」
「っな、そうなのか」
「はい、すべてはフランアールの言うおじ様のところへですよ」
「国王陛下か、内々に処理されていたのだな」

 ラルフリードに頼める相手はなかなかいないが、この国のトップに頼めるのなら、内々に処理も簡単だろう。

「そういうことでしょう。フランアールには国王陛下への報告は明日でいいと伝え、陛下にも子猫を見付けたことを話し、それでいいと正しい判断だったようです」
「そうか……魔術を返して倒したのだよな?」
「はい、魔獣の火魔法を返して、恐ろしいほど一瞬でしたが、おそらくフランアールにしかできないことですので、真似はできませんけど」
「お前も天才と言われていたが、フランアールには学びようがないな」

 驕ることはなかったが、天才と言われたことで、自分が一番強いと思っていただろう。だが、やり方は違うが自分よりも強い相手に思うところがあったのだろう。

「ええ、魔力で困ったこともないそうですから、そこは羨ましいですよ」
「内術だからか、いや、フランアールだからかな」
「はい」

 その後は夕食に集中し、ジスラットもなかなか信じられない様子だったが、何度か頷いていた。
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