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不愉快な王女、再び
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「はあ…追加で手紙を書かなくては…はあ…」
「あんな王女だったのですね…」
「私も知らなかったが、あれが本性なのだろうな…だから関わるなと言っただろう」
「申し訳ございません」
バトワスは苛立ったが、オークリーに現実を見させるためには、良かったかとだけは思った。
「おそらく、オルタナ王国でのことで縁談もないのではないか?」
「まさか」
「アマリリスのような王女だったとは…お前が婚約などと言っていたら、責任を取らされていたのではないか?案内して貰って、結婚を持ち出された可能性もある」
「…あ」
「早く婚約者を決めろと言っただろう!問題児を引き取る余裕などない」
「はい…」
ようやく、淡い想いの消えたオークリーは、比較的裕福な伯爵家の令嬢を婚約者に選んだ。
王宮を出たメーリンは、苛立っており、このまま帰るなんてと、最後にフォンターナ家があった場所にだけ行きたいと言い、見るだけなら大丈夫だろうと、フォンターナ家の跡地を調べて馬車を向かわせることにした。
窓から見ていると、邸は既に壊された様子で、なくなっていた。
だが、そこにはフォンターナ家で見た、レオラッド大公閣下の息子がいるのが見えた。馬車が着くと、メーリンは制止も聞かずに飛び出し、エノンの元へ向かって走り出し、目の前に立った。
護衛は前に出ようとしたが、エノンが大丈夫だと告げた。
「あなた!私のこと、覚えているでしょう!」
エノンは視線を移したが、何の反応もしなかった。
「何をしているの!」
「…」
「恥ずかしくて話せないの?情けないわね」
さすがに年下だろうと、年上のお姉さんに、慣れていないのだろうと思い、ふふっと自意識過剰に微笑んだ。
後ろの護衛は殺気立ったが、メーリンは気付くことなく、エノンも首を振ったので、成り行きを見ていた。
「仕方ないわね、人と話す時はね、恥ずかしくても目を見て話すのよ。そんなことをしていたら、女の子にも逃げられてしまうわよ」
「…」
「婚約者はいるの?」
「…」
「婚約者がいるとは言ってなかったわよね?」
「…」
「そうよ、私、あなたと結婚してあげてもいいわ。そうすれば、私が研究をすればいいのだし、そうよ、良い考えじゃない」
ひとりでベラベラと話し続ける様に、エノンは愚かだなとしか思わなかった。
そして、エノンの腕を掴んで、胸を押し付けて来て、限界に達し、強く振り払い、メーリンは尻もちをついた。
「っな!恥ずかしいからって痛いじゃない!」
「はっ!どうして不愉快な王女と結婚しないといけないの?罰ゲーム?」
「は?光栄なことでしょう!私は王族なのよ!」
メーリンが喚いていると、エルムの父で、オズワルド・フォンターナが現れた。
「エノン?」
「お祖父様、この人、気色悪いよ」
エノンはオズワルドに駆け寄り、メーリンを指差した。
「誰だ?」
「伯父様とお父様を怒らせたハビット王国の王女だよ」
「ああ、あれか」
「私は何も言っていないのに、私と結婚してあげてもいいなんて言うんだよ?胸を押し付けて来て…気持ち悪いよ」
「何だと!」
オズワルドは、凄まじい力で、メーリンと、遅れてやって来た侍女と護衛たちを纏めて睨み付けた。
「この人、確か24歳だよ。大昔ならあり得るかもしれないけど、あり得ないよね」
「ああ、そういった趣味の者を捕まえたことがある。捕まえるか」
「でも、ここ…」
「構わない。取り締まらなければ、被害者を守れないからな。この国で起きたことは、ここの王家に連れて行けばいい」
「大丈夫?」
「ああ、問題ない」
エノンとオズワルドは、エノンがアジェル王国のフォンターナ家だった場所を見たいと言ったので、忙しい両親に代わって、オズワルドに連れて来て貰っていた。
オズワルドは解体された邸の跡を見に、エノンから離れている状況であった。
「あんな王女だったのですね…」
「私も知らなかったが、あれが本性なのだろうな…だから関わるなと言っただろう」
「申し訳ございません」
バトワスは苛立ったが、オークリーに現実を見させるためには、良かったかとだけは思った。
「おそらく、オルタナ王国でのことで縁談もないのではないか?」
「まさか」
「アマリリスのような王女だったとは…お前が婚約などと言っていたら、責任を取らされていたのではないか?案内して貰って、結婚を持ち出された可能性もある」
「…あ」
「早く婚約者を決めろと言っただろう!問題児を引き取る余裕などない」
「はい…」
ようやく、淡い想いの消えたオークリーは、比較的裕福な伯爵家の令嬢を婚約者に選んだ。
王宮を出たメーリンは、苛立っており、このまま帰るなんてと、最後にフォンターナ家があった場所にだけ行きたいと言い、見るだけなら大丈夫だろうと、フォンターナ家の跡地を調べて馬車を向かわせることにした。
窓から見ていると、邸は既に壊された様子で、なくなっていた。
だが、そこにはフォンターナ家で見た、レオラッド大公閣下の息子がいるのが見えた。馬車が着くと、メーリンは制止も聞かずに飛び出し、エノンの元へ向かって走り出し、目の前に立った。
護衛は前に出ようとしたが、エノンが大丈夫だと告げた。
「あなた!私のこと、覚えているでしょう!」
エノンは視線を移したが、何の反応もしなかった。
「何をしているの!」
「…」
「恥ずかしくて話せないの?情けないわね」
さすがに年下だろうと、年上のお姉さんに、慣れていないのだろうと思い、ふふっと自意識過剰に微笑んだ。
後ろの護衛は殺気立ったが、メーリンは気付くことなく、エノンも首を振ったので、成り行きを見ていた。
「仕方ないわね、人と話す時はね、恥ずかしくても目を見て話すのよ。そんなことをしていたら、女の子にも逃げられてしまうわよ」
「…」
「婚約者はいるの?」
「…」
「婚約者がいるとは言ってなかったわよね?」
「…」
「そうよ、私、あなたと結婚してあげてもいいわ。そうすれば、私が研究をすればいいのだし、そうよ、良い考えじゃない」
ひとりでベラベラと話し続ける様に、エノンは愚かだなとしか思わなかった。
そして、エノンの腕を掴んで、胸を押し付けて来て、限界に達し、強く振り払い、メーリンは尻もちをついた。
「っな!恥ずかしいからって痛いじゃない!」
「はっ!どうして不愉快な王女と結婚しないといけないの?罰ゲーム?」
「は?光栄なことでしょう!私は王族なのよ!」
メーリンが喚いていると、エルムの父で、オズワルド・フォンターナが現れた。
「エノン?」
「お祖父様、この人、気色悪いよ」
エノンはオズワルドに駆け寄り、メーリンを指差した。
「誰だ?」
「伯父様とお父様を怒らせたハビット王国の王女だよ」
「ああ、あれか」
「私は何も言っていないのに、私と結婚してあげてもいいなんて言うんだよ?胸を押し付けて来て…気持ち悪いよ」
「何だと!」
オズワルドは、凄まじい力で、メーリンと、遅れてやって来た侍女と護衛たちを纏めて睨み付けた。
「この人、確か24歳だよ。大昔ならあり得るかもしれないけど、あり得ないよね」
「ああ、そういった趣味の者を捕まえたことがある。捕まえるか」
「でも、ここ…」
「構わない。取り締まらなければ、被害者を守れないからな。この国で起きたことは、ここの王家に連れて行けばいい」
「大丈夫?」
「ああ、問題ない」
エノンとオズワルドは、エノンがアジェル王国のフォンターナ家だった場所を見たいと言ったので、忙しい両親に代わって、オズワルドに連れて来て貰っていた。
オズワルドは解体された邸の跡を見に、エノンから離れている状況であった。
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