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サマーパーティー2
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「で、次はあの子よ、編入生のラシーネ・コルトバ」
「まさか?」
「ええ、自由恋愛派になったみたいよ。ご両親のことも怪しくなって来るわよね」
「嘘だと?」
「全部ではないかもしれないけど、私たちが同情したように、同情したとしたら?どうも、自由恋愛派と反自由恋愛派が、それぞれ彼女に吹き込んでいたようだけど、選んだのは自由恋愛派だったみたい。まあ、婚約者もいないし、あり得ると言えば、あり得るけど」
「相手は?」
「多分、ベーシ伯爵令息」
「うわ、スマック子爵令嬢、療養中じゃない」
婚約者の自由恋愛のせいで心を病んで療養中なのが、このベーシ伯爵令息の婚約者である、カルミナ・スマック子爵令嬢である。
「寄りにもよってよね、狙っていたとしか思えないわ」
「ええ、婚約者が心壊した男なんて、最悪だものね」
「だから何も知らない彼女に近づいたんでしょうね」
「誰か教えてあげればいいものを…」
「でも心を壊したってペラペラ話すのも気が引けたのかもね」
「それはそうだわ。私も配慮不足だわ、戻ってきた時に知らない人に知られているなんて、嫌よね」
カルミナは休学としているため、戻って来る可能性はある。
「結構知っているとは思うけど、あまり話すのはね。まあ、これで反自由恋愛派からは総スカンよ。さすがにCクラスがギスギスするでしょうね」
「それはそうでしょうね、彼女にとっては知らない令嬢でも、皆は知っているんだから。その中にはスマック子爵令嬢の友人もいるでしょうしね」
カルミナが療養に入ってから、ラシーネが編入しているため、同じクラスではあるが、2人は顔を合わせていない。
「知っていたら、さすがによね…」
「でも友人の婚約者となんてことも結構あるらしいじゃない」
「あり得ないわよね…」
「どういった思考なのかしらね、実は嫌いだったとかしかないわよね」
「そういった場合は親が婚約解消に動いてくれるらしいわ」
「でも友人を失って…辛過ぎないかしら?」
「そうね、代償が大き過ぎるわ」
「心の傷もそれこそ、療養が必要じゃない」
そんなことになれば、心を壊してしまうのも当然だが、これまでも起こっており、起こり得るのが恐ろしいところだ。
「私たちは避暑に行っていて良かったわね、リッツソード侯爵家さまさまよ!すっごく面白かったし」
「ふふっ、それは良かったわ」
「アルームもさすがに参加していなかったようだしね」
「これで参加していたら、どうかしているわよ」
アルームも去年は友人と参加していた。だがこの状態で、婚約者が参加しないのに、自身だけ参加しているとなれば、ますます立場は危ういだろう。
「でも追い打ち掛けて、やらかしてくれても良かったのだけど」
「それもありだったわね」
「来週辺りで、両家集まって、話し合いになりそうなの。憂鬱で仕方ないわ」
「しっかり戦うのよ!」
「分かっているわ、人生掛かっているんだから」
その意気だなんて言っていると、カナンの部屋のドアが叩かれ、返事をした。
「やあ、リファ嬢。カナンがいつも世話になっているね」
部屋のドアを開けたのは、カナンの1つ年上の兄であるリガロである。見た目だけは優しそうで、美しい男である。
「こちらこそお世話になっております」
「兄様、ルビー・プロプラン様のこと聞きまして?」
兄妹は自由恋愛については意見が合わないが、兄妹としての仲は悪くはない。
「カナンの耳にも入っているのか、参ったな」
「国の問題になるのではなくて?」
「ああ、やってくれたものだよ。捨て身だったんだろうな」
「捨て身?」
「ああ、カナンたちは何と聞いている?」
「ラベック・プレモ様と消えたと、後は護衛騎士と関係を持っていたという噂です」
「前者は合っているが、事情があった。後者は事実だな」
「まさか?」
「ええ、自由恋愛派になったみたいよ。ご両親のことも怪しくなって来るわよね」
「嘘だと?」
「全部ではないかもしれないけど、私たちが同情したように、同情したとしたら?どうも、自由恋愛派と反自由恋愛派が、それぞれ彼女に吹き込んでいたようだけど、選んだのは自由恋愛派だったみたい。まあ、婚約者もいないし、あり得ると言えば、あり得るけど」
「相手は?」
「多分、ベーシ伯爵令息」
「うわ、スマック子爵令嬢、療養中じゃない」
婚約者の自由恋愛のせいで心を病んで療養中なのが、このベーシ伯爵令息の婚約者である、カルミナ・スマック子爵令嬢である。
「寄りにもよってよね、狙っていたとしか思えないわ」
「ええ、婚約者が心壊した男なんて、最悪だものね」
「だから何も知らない彼女に近づいたんでしょうね」
「誰か教えてあげればいいものを…」
「でも心を壊したってペラペラ話すのも気が引けたのかもね」
「それはそうだわ。私も配慮不足だわ、戻ってきた時に知らない人に知られているなんて、嫌よね」
カルミナは休学としているため、戻って来る可能性はある。
「結構知っているとは思うけど、あまり話すのはね。まあ、これで反自由恋愛派からは総スカンよ。さすがにCクラスがギスギスするでしょうね」
「それはそうでしょうね、彼女にとっては知らない令嬢でも、皆は知っているんだから。その中にはスマック子爵令嬢の友人もいるでしょうしね」
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「知っていたら、さすがによね…」
「でも友人の婚約者となんてことも結構あるらしいじゃない」
「あり得ないわよね…」
「どういった思考なのかしらね、実は嫌いだったとかしかないわよね」
「そういった場合は親が婚約解消に動いてくれるらしいわ」
「でも友人を失って…辛過ぎないかしら?」
「そうね、代償が大き過ぎるわ」
「心の傷もそれこそ、療養が必要じゃない」
そんなことになれば、心を壊してしまうのも当然だが、これまでも起こっており、起こり得るのが恐ろしいところだ。
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「アルームもさすがに参加していなかったようだしね」
「これで参加していたら、どうかしているわよ」
アルームも去年は友人と参加していた。だがこの状態で、婚約者が参加しないのに、自身だけ参加しているとなれば、ますます立場は危ういだろう。
「でも追い打ち掛けて、やらかしてくれても良かったのだけど」
「それもありだったわね」
「来週辺りで、両家集まって、話し合いになりそうなの。憂鬱で仕方ないわ」
「しっかり戦うのよ!」
「分かっているわ、人生掛かっているんだから」
その意気だなんて言っていると、カナンの部屋のドアが叩かれ、返事をした。
「やあ、リファ嬢。カナンがいつも世話になっているね」
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「捨て身?」
「ああ、カナンたちは何と聞いている?」
「ラベック・プレモ様と消えたと、後は護衛騎士と関係を持っていたという噂です」
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