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面通し1
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ニュートラ王国からルビー・プロプランの婚約者、ジョセラ・シーバ公爵令息一行がプロプラン侯爵家にやって来た。
プロプラン侯爵夫妻が頭を下げ、リッツソード侯爵、そしてカナンとレモ、父の従者も時間差で頭を下げた。騎士の中にパドラも混ざっている。
当人のルビーは話し合いに混乱を招くだけだと、欠席となっている。
「この度は誠に申し訳ありませんでした」
「宰相まで来ていただけるとは、誠意と受け取りましょう」
「ありがとうございます」
一行の中に昨日の女性はいた、別人の可能性もあったが本人だったようだ。カナンの強運なのか、相手が運が悪すぎるのか。
「可でございます」「隣に同じです」
パドラも騎士の中でこくこくと頷いている。目立っているので、レモが眉間に皺を寄せたが、パドラはそんな顔も喜んでいる。
「どうにもならなければ、私にお任せください」
「任せたくはない」
カナンの申し出にリッツソード侯爵は渋い顔をするも、表情を作り直した。
「それで結論は出ましたか」
「その前に、ハニートラップの件をご説明いただけますか」
「は?どういう意味です?」
「失礼、色仕掛けで対象を落とすことです。今回の場合は男性が女性をです」
「ルビー嬢へ行ったと言うのですか?」
「はい」
「そのような事実はありません」
「あなたではないと?」
「そのようなことをして、まさか慰謝料のためだとでも言うのですか」
「では、別の誰かということでしょうね。利がある誰か、心当たりはありませんか」
「ありません」
リッツソード侯爵は騎士に振り返ると、何かを確認した。
「昨日、ルビー嬢と関係を持っていた護衛騎士と、そちらの秘書であるメディエド・バンス様が一緒にいるのを見た者がおります」
「メディエドと?」
「知りません、人違いです」
「ですが、お金も受け取っております。彼は妹の原因不明の嘔吐症の治療費のために、メディエド・バンス様に頼まれて、ハニートラップを行ったようです。彼はルビー嬢の想い人に似ていたそうですから」
護衛騎士トース・ビプロは、父を亡くし、最近母も亡くし、妹イリーと2人家族だった。妹はまだ10歳で、精神的なものなのか、環境の変化のせいなのか、嘔吐するようになり、ときには血を吐くこともあった。病院に行くも原因不明とされ、様々な薬を出して貰ったが、一時的に治まることはあっても、また嘔吐を繰り返し、下っ端の騎士の給料では薬代で生活に困るようになった。
入院を勧められたが、お金が足りない。その間にも嘔吐が起こり、どうすればいいのだと思っているところに、メディエドにスカウトされた。確かにプレイボーイであるラベック・プレモに似ていると何度か言われたことはあった。
任務の最中は、妹は入院させるからと言われ、妹のためにもこれ以外に方法はないと頷いてしまっていた。
プロプラン侯爵家には元々護衛をしていたこともあり、無事に採用され、ルビーお嬢様とも話すことも多かった。想い人のことも聞くこともあった。そして、想い人に無碍に扱われて、泣きついて来た際にルビーお嬢様の方から抱いて欲しいと言い出し、不貞を犯した。それからは慰めのように何度か不貞を犯した。
そして、あのサマーパーティーの翌日、朝帰りしたルビーお嬢様はラベック・プレモと一夜を共にしたと言い、邸が混乱している内に逃げ出した。
依頼主からも文が届き、お金をを受け取って、安堵しているところを何者かに拘束された。依頼主に消されるのかと思ったが、現れたのは可憐ではあるが、目の笑っていない宰相の娘だった。
「本当なのか、メディエド!」
「違います!ジョセラ様、誤解です」
リッツソード侯爵はまた騎士に振り返ると、何かを確認した。騎士の中に嘘が見抜ける異能を持つ者を紛れ込ませている。
プロプラン侯爵夫妻が頭を下げ、リッツソード侯爵、そしてカナンとレモ、父の従者も時間差で頭を下げた。騎士の中にパドラも混ざっている。
当人のルビーは話し合いに混乱を招くだけだと、欠席となっている。
「この度は誠に申し訳ありませんでした」
「宰相まで来ていただけるとは、誠意と受け取りましょう」
「ありがとうございます」
一行の中に昨日の女性はいた、別人の可能性もあったが本人だったようだ。カナンの強運なのか、相手が運が悪すぎるのか。
「可でございます」「隣に同じです」
パドラも騎士の中でこくこくと頷いている。目立っているので、レモが眉間に皺を寄せたが、パドラはそんな顔も喜んでいる。
「どうにもならなければ、私にお任せください」
「任せたくはない」
カナンの申し出にリッツソード侯爵は渋い顔をするも、表情を作り直した。
「それで結論は出ましたか」
「その前に、ハニートラップの件をご説明いただけますか」
「は?どういう意味です?」
「失礼、色仕掛けで対象を落とすことです。今回の場合は男性が女性をです」
「ルビー嬢へ行ったと言うのですか?」
「はい」
「そのような事実はありません」
「あなたではないと?」
「そのようなことをして、まさか慰謝料のためだとでも言うのですか」
「では、別の誰かということでしょうね。利がある誰か、心当たりはありませんか」
「ありません」
リッツソード侯爵は騎士に振り返ると、何かを確認した。
「昨日、ルビー嬢と関係を持っていた護衛騎士と、そちらの秘書であるメディエド・バンス様が一緒にいるのを見た者がおります」
「メディエドと?」
「知りません、人違いです」
「ですが、お金も受け取っております。彼は妹の原因不明の嘔吐症の治療費のために、メディエド・バンス様に頼まれて、ハニートラップを行ったようです。彼はルビー嬢の想い人に似ていたそうですから」
護衛騎士トース・ビプロは、父を亡くし、最近母も亡くし、妹イリーと2人家族だった。妹はまだ10歳で、精神的なものなのか、環境の変化のせいなのか、嘔吐するようになり、ときには血を吐くこともあった。病院に行くも原因不明とされ、様々な薬を出して貰ったが、一時的に治まることはあっても、また嘔吐を繰り返し、下っ端の騎士の給料では薬代で生活に困るようになった。
入院を勧められたが、お金が足りない。その間にも嘔吐が起こり、どうすればいいのだと思っているところに、メディエドにスカウトされた。確かにプレイボーイであるラベック・プレモに似ていると何度か言われたことはあった。
任務の最中は、妹は入院させるからと言われ、妹のためにもこれ以外に方法はないと頷いてしまっていた。
プロプラン侯爵家には元々護衛をしていたこともあり、無事に採用され、ルビーお嬢様とも話すことも多かった。想い人のことも聞くこともあった。そして、想い人に無碍に扱われて、泣きついて来た際にルビーお嬢様の方から抱いて欲しいと言い出し、不貞を犯した。それからは慰めのように何度か不貞を犯した。
そして、あのサマーパーティーの翌日、朝帰りしたルビーお嬢様はラベック・プレモと一夜を共にしたと言い、邸が混乱している内に逃げ出した。
依頼主からも文が届き、お金をを受け取って、安堵しているところを何者かに拘束された。依頼主に消されるのかと思ったが、現れたのは可憐ではあるが、目の笑っていない宰相の娘だった。
「本当なのか、メディエド!」
「違います!ジョセラ様、誤解です」
リッツソード侯爵はまた騎士に振り返ると、何かを確認した。騎士の中に嘘が見抜ける異能を持つ者を紛れ込ませている。
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