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パーシ子爵家2
「どうするのよ…リルはなんてことをしてくれたの!」
「二人とも賛成してくれたじゃない」
二人も結婚相手を探すこと、アキス様のことも話したが、婚約者は男爵令嬢なら大丈夫じゃないかと、ログラン子爵家の財政も調べることもなく、贈り物を見て、勝手に裕福だと判断したのだ。
それなのにジース男爵家から慰謝料を請求され、ログラン子爵家に払って貰おうと思ったが、会って貰うことも出来なかった。リルフォーミュアも何度も会いに行ったが、会うことは出来ず、叩き出される始末。
そして、慰謝料の請求だけが残り、グラーフ伯爵家にも行ったが門前払いされて、グラーフ伯爵が来てくれたが、借金ということだった。
「お前が慰謝料も問題ないと言ったからだ!それなのに、こんな金どうするんだよ…もう支払いまで一週間しかない」
「伯父様に借りればいいじゃない」
「返す当てがない…」
「でも伯父様なら」
「いや、借金となったら容赦なく取り立てをする人だ。だから今回だけは払ってくれないかと思ったのだが」
今回だけと言って、まるで初めてのようなことを言っているが、何度も支払って貰っている。
「でも返せないからって、どうにかなるわけではないでしょう?親戚じゃない」
「伯爵自身が取り立てるわけじゃない、仕事ととして回収する者がやって来るんだ。容赦してくれるはずないだろう?そんな怖い目に遭いたくない」
何度か取り立てに遭っているトアスは、二度と借金はしたくなかった。さすがにそれこそ終わりだと思っていた。
「じゃあ、どうするのよ!」
「全部、お姉ちゃんのせいじゃない!何で婚約者がいる相手を選ぶのよ!馬鹿じゃないの!」
黙っていたミリージュアンが声を上げた。ミリージュアンも結婚相手を探していたが、ルオンに言われた通り、ちゃんと婚約者のいない相手を見定めていた。
「リルが借りればいいんじゃない?自分の仕出かしたことなんだし」
「そうだな」
「っな!それでも親なの?」
「払える金などないことは分かっていただろう!」
トアスは開き直るしかなかった。
「私の結婚はどうなるのよ!お姉ちゃんのせいじゃない!」
「あんたなんか、侯爵家だのに言い寄っていたじゃない!相手にされなかったようだけど!身の程を弁えなさいよ!」
「っな、慰謝料を請求された人間が言えることじゃないでしょう!」
「―――っ!あんたは相手にされなかっただけでしょう!」
「お姉ちゃんだって、遊ばれただけじゃない!」
二人は掴みかかろうとまでしていたが、トアスが制止した。
「いい加減にしろ!それより慰謝料だ。何を言っても消えはしない。払ってくれる相手にリルを嫁がせるしかない」
「っな、お父様、私が可愛くないの!」
「可愛いさ、だがお前が作った慰謝料だろう!自分で何とかして貰うしかない」
「ルオン従兄様の言う通りじゃない」
「何だと!」
「お父様は伯母様を売って、援助で生活していたんでしょう?今度は私を売るのね」
「売ったわけじゃない、グラーフ伯爵に是非にと言われて、喜んで嫁いでいったんだ。それで援助もしてくれただけだ」
姉上は売られたわけじゃない、確かに援助はして貰って、当てにして生きていたが、伯爵家に嫁げたのだから、喜ぶべきことだろう。
「切られたけどね」
「私のせいじゃない!姉上が何か怒らせるようなことをしたんだろう」
「元からありもしないお金だものね…」
リルフォーミュアは妻を亡くし、嫡男のいる商家の当主の後妻として嫁いでいった。名前だけで飾りのような後妻だが、慰謝料を支払うことは出来た。だがパーシ子爵家の財政は厳しいままだ。
リルフォーミュアの悪評で、ミリージュアンの結婚相手も見付からない。
「またやったのね…没落してくれて良かったのに」
パーシ子爵家の様子を聞いたサイラはそう思った。そして、皆の前に再び姿を現す決意をするのだった。
「二人とも賛成してくれたじゃない」
二人も結婚相手を探すこと、アキス様のことも話したが、婚約者は男爵令嬢なら大丈夫じゃないかと、ログラン子爵家の財政も調べることもなく、贈り物を見て、勝手に裕福だと判断したのだ。
それなのにジース男爵家から慰謝料を請求され、ログラン子爵家に払って貰おうと思ったが、会って貰うことも出来なかった。リルフォーミュアも何度も会いに行ったが、会うことは出来ず、叩き出される始末。
そして、慰謝料の請求だけが残り、グラーフ伯爵家にも行ったが門前払いされて、グラーフ伯爵が来てくれたが、借金ということだった。
「お前が慰謝料も問題ないと言ったからだ!それなのに、こんな金どうするんだよ…もう支払いまで一週間しかない」
「伯父様に借りればいいじゃない」
「返す当てがない…」
「でも伯父様なら」
「いや、借金となったら容赦なく取り立てをする人だ。だから今回だけは払ってくれないかと思ったのだが」
今回だけと言って、まるで初めてのようなことを言っているが、何度も支払って貰っている。
「でも返せないからって、どうにかなるわけではないでしょう?親戚じゃない」
「伯爵自身が取り立てるわけじゃない、仕事ととして回収する者がやって来るんだ。容赦してくれるはずないだろう?そんな怖い目に遭いたくない」
何度か取り立てに遭っているトアスは、二度と借金はしたくなかった。さすがにそれこそ終わりだと思っていた。
「じゃあ、どうするのよ!」
「全部、お姉ちゃんのせいじゃない!何で婚約者がいる相手を選ぶのよ!馬鹿じゃないの!」
黙っていたミリージュアンが声を上げた。ミリージュアンも結婚相手を探していたが、ルオンに言われた通り、ちゃんと婚約者のいない相手を見定めていた。
「リルが借りればいいんじゃない?自分の仕出かしたことなんだし」
「そうだな」
「っな!それでも親なの?」
「払える金などないことは分かっていただろう!」
トアスは開き直るしかなかった。
「私の結婚はどうなるのよ!お姉ちゃんのせいじゃない!」
「あんたなんか、侯爵家だのに言い寄っていたじゃない!相手にされなかったようだけど!身の程を弁えなさいよ!」
「っな、慰謝料を請求された人間が言えることじゃないでしょう!」
「―――っ!あんたは相手にされなかっただけでしょう!」
「お姉ちゃんだって、遊ばれただけじゃない!」
二人は掴みかかろうとまでしていたが、トアスが制止した。
「いい加減にしろ!それより慰謝料だ。何を言っても消えはしない。払ってくれる相手にリルを嫁がせるしかない」
「っな、お父様、私が可愛くないの!」
「可愛いさ、だがお前が作った慰謝料だろう!自分で何とかして貰うしかない」
「ルオン従兄様の言う通りじゃない」
「何だと!」
「お父様は伯母様を売って、援助で生活していたんでしょう?今度は私を売るのね」
「売ったわけじゃない、グラーフ伯爵に是非にと言われて、喜んで嫁いでいったんだ。それで援助もしてくれただけだ」
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「切られたけどね」
「私のせいじゃない!姉上が何か怒らせるようなことをしたんだろう」
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