私のバラ色ではない人生

野村にれ

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噴火(裏1)

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 ソアリスがケイトを肩車して途中で退席して向かったのは、隣の部屋であった。

「お楽しみ中のところ、失礼いたします。ケーキの爆食モンスターを被った化け物王妃でございます」

 ケイトを肩車状態ではあったが、ソアリスはしおらしく入室して、小さく頭を皆に向かって下げた。

「ソアリス……」
「モンスター、化け物って……見えてくるじゃない」
「母上……」
「母上……」

 そこにいたのは、ロランとテラー、ユリウスとルルエとミオスとナイルス、マイノスとエクシアーヌとエマリーとイレナ、アリルとリズとオルファーとルア、エクルとレブランという大集合であった。

「ばけものおうひにかぶられた、けーきもんすたーおうじょでございます」

 ケイトもソアリスに習って、首を傾けて、挨拶をした。言葉を聞かなければ可愛い姿だろうが、言っていることがそっくりである。

 だが、二人ともちょっと疲れて、いつもの覇気がない。

「ケイトまで……」
「ケイトはモンスターを受け入れているのね」
「化け物もモンスターも同じ意味じゃないか」
「だから、そういうことだろう?」

 ユリウスは根本的なことに気付いたが、マイノスに諭されることになった。

「ちょっと、お母様もケイトもやめてよ!というか、どうなっているのよ」
「お姉様、それよりもどうして肩車しているのか聞かないと」

 子どもたちは皆で遊んでおり、ソアリスはその姿を見て、目を細めて微笑んだ。

「孫たちが遊んでいる姿は、素晴らしいものね。可愛らしいわ」
「かわいいおいっことめいっこねぇ……」

 ケイトまでも微笑ましい顔をしており、すっかり叔母君の顔である。

「お母様もケイトも、疲れているわね」
「ええ、確実に癒しがない状態だわ」
「二度目が出たから、陛下から許可は出たのだけど、さすがに親族でもないから、抑えめにしているの!」
「言ったのか?」

 怪訝な表情で訊ねたのは、ロランであった。

「はい、おっしゃいましたわ」
「はあ……何を考えているのか」
「何も考えていないのではない?」
「そうかもしれぬな」

 溜息をつきながら、ロランがどういうつもりなんだと頭を抱える横で、ピシャリと言ったのはテラーだった。

「で、何で肩車しているの?」
「ピュ、ピュア」
「公女でいいわ」

 口にしながら、どんどんしかめっ面になっていくソアリスに、名前の件も孫たちから聞いており、テラーが口を挟んだ。

「言ってみようかと思ったのですけど、やっぱり恥ずかしいわ!肩車は公女が弱くない、鍛えていると言うから、カイルスがケイトを肩車しろって言ったの。なのに、できません、無理ですって」
「それはそうでしょうね」

 テラーはアイリーンはおろか、アンセムを肩車したこともなければ、しようと思ったことすらなかった。

 ソアリスが肩車していた時も、何も知らなかったら驚いただろうが、木登りや走り回っている嫁を見ていたら、肩車くらいするだろうなと順応していた。

「相手が悪かったわね、普通はできないなんてお母様には通用しないのよ」
「そうよ、他の母親が肩車しないなんて聞いた時は驚いたもの」
「エクルも経験があったんだな」
「そうよ、母親と言ったらお母様しか知らない世界だったのだから、母でもある侍女たちにも肩車しますか?なんて会話しないでしょう?」
「それを言ったら肩車する祖母もいないわよ」

 テラーの言葉に、子どもたちはそうだったと思った。当然のようになっており、自分たちも随分、ずれていたのだなと思い知らされることになった。

「で、絵姿はどうだったの?」
「自分を良く見せようとして何が悪いのかと言い出したから、ちょっと出て来たの」
「そういうこと?」
「公女の容姿について、お母様の忌憚のない意見は?」
「失礼なことを言ってもいいのかしら?」
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