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お疲れ様会1
「それで、化け物王妃か……肩車する時も、ケーキを被った化け物に見えないかと心配していたからな」
アンセムはソアリスが隣の部屋に行き、話をしたことを聞かされていた。
「ケーキモンスター王女もいたわよ」
「そうだな、今は共食いだな」
ケイトはロランとテラーと一緒に、嬉しそうにケーキを食べており、共食い状態であるが、祖父母と孫の微笑ましい光景である。
「もう来ませんかね?」
心配そうに問い掛けたのは、マイノスであった。
「ソアリスが抑えた状態でも、かなり追い込んだからな。娘は出来が悪く、カイルスには合わないとは分かったはずだ。国王陛下にも、脅すようなことを言ったことを、こちらから抗議文も出す」
明日、ヒウナ侯爵とそのように話をするつもりであった。
「当然ですよね」
「合わない上に、こちらに利があるのではなく、困らせるという手を取ったのは向こうだからな」
「確かに、何か与えると言えば良かったのに」
「ピュアジュエルを与えるのだからと思っていたのではないか?」
「うわっ」
そのような考えだったのかと、ぶるりと寒気がした。
「母上の言うように、絵姿は良く描かれておりましたものね」
「ああ……」
「修正をしているということは、ありのままでは良くないという認識をしているのですよね」
「不可解だよな。自信があるのか、ないのか?」
ピュアジュエルを可愛いと自慢しているのに、修正された絵姿を送って来るのが、不可解で仕方なかった。
「ケイトが母上に可愛いと言ってもらえて自慢気にしていて、珍しいなと思っていたら、幼いからという理由でしたよ」
「ああ、ソアリスは可愛いというのは幼子と動物だけだからな。腹の立つおっさんとおばさんも可愛いければいいのにとまで言っていたくらいだよ」
「それは無理でしょう」
「得意の想像でどうにかならないのかと言ったのだが、おっさんとおばさんの威力には勝てないそうだ」
「やってはみたんですね」
「ああ……」
腹が立つと言うので、脳内で変換できたらいいのではないかと思ったが、現実には勝てなかったそうだ。
「マイノスも皆も、幼い頃は小さくて可愛いとよく言っていたよ。だが、ケイトも年齢的にそろそろ限界だろうな」
「母上に頬をもみくちゃにされた覚えはあります」
「ああ……引っ張り伸ばされたり、グリグリされたわけではないのだから、良かったと思いなさい」
「そうですね……実はグリグリも、先にしていたのは母上で、そこもケイトはそっくりなんですよね」
ケイトの幼い頃に流行っていた遊びだが、今も腹を立てた際には抱っこしてなんて言われて、抱っこしてもらってから容赦なくやっている。
「そうだな、乗り移っているのかと思うくらいだよな。ポシッジュもソアリスが乗っ取られたのか!なんて言っていたよ」
「母上が?どちらかと言うと、いえ、どちらでもなく、乗っとる方でしょう」
「確かに乗っとる方だな」
そんなことはできないことは分かっているが、ソアリスは乗っ取られる前に乗っとるだろう。
「ポシッジュはソアリスが大人しいと思っていたんだよ」
「は?」
何も言わなくても、マイノスの表情がそんなことあり得ないだろうと、まじまじと訴えている。
「ソアリスの言葉で言うのなら、ポシッジュは面白くもねぇ話ばかりしやがって、早くどっか行ってくれねぇかなという感じで、過ぎ去るのを待っていたそうだ」
「っ、母上の声で聞こえました」
「夫だからな」
「自慢にはなりませんよ」
「ソアリスはピュアジュエルも、仕留めて伸ばしてグリグリしたいと思っていたからな。頬なら、骨もないし、折れない。腫れ上がれば万々歳だそうだ」
「恐ろしいほど母上らしい考えですね……」
ソアリスを見ると、ケイトと一つしかなかったケーキを半分をそっちの方が多いと言って、また喧嘩をしている。
アンセムはソアリスが隣の部屋に行き、話をしたことを聞かされていた。
「ケーキモンスター王女もいたわよ」
「そうだな、今は共食いだな」
ケイトはロランとテラーと一緒に、嬉しそうにケーキを食べており、共食い状態であるが、祖父母と孫の微笑ましい光景である。
「もう来ませんかね?」
心配そうに問い掛けたのは、マイノスであった。
「ソアリスが抑えた状態でも、かなり追い込んだからな。娘は出来が悪く、カイルスには合わないとは分かったはずだ。国王陛下にも、脅すようなことを言ったことを、こちらから抗議文も出す」
明日、ヒウナ侯爵とそのように話をするつもりであった。
「当然ですよね」
「合わない上に、こちらに利があるのではなく、困らせるという手を取ったのは向こうだからな」
「確かに、何か与えると言えば良かったのに」
「ピュアジュエルを与えるのだからと思っていたのではないか?」
「うわっ」
そのような考えだったのかと、ぶるりと寒気がした。
「母上の言うように、絵姿は良く描かれておりましたものね」
「ああ……」
「修正をしているということは、ありのままでは良くないという認識をしているのですよね」
「不可解だよな。自信があるのか、ないのか?」
ピュアジュエルを可愛いと自慢しているのに、修正された絵姿を送って来るのが、不可解で仕方なかった。
「ケイトが母上に可愛いと言ってもらえて自慢気にしていて、珍しいなと思っていたら、幼いからという理由でしたよ」
「ああ、ソアリスは可愛いというのは幼子と動物だけだからな。腹の立つおっさんとおばさんも可愛いければいいのにとまで言っていたくらいだよ」
「それは無理でしょう」
「得意の想像でどうにかならないのかと言ったのだが、おっさんとおばさんの威力には勝てないそうだ」
「やってはみたんですね」
「ああ……」
腹が立つと言うので、脳内で変換できたらいいのではないかと思ったが、現実には勝てなかったそうだ。
「マイノスも皆も、幼い頃は小さくて可愛いとよく言っていたよ。だが、ケイトも年齢的にそろそろ限界だろうな」
「母上に頬をもみくちゃにされた覚えはあります」
「ああ……引っ張り伸ばされたり、グリグリされたわけではないのだから、良かったと思いなさい」
「そうですね……実はグリグリも、先にしていたのは母上で、そこもケイトはそっくりなんですよね」
ケイトの幼い頃に流行っていた遊びだが、今も腹を立てた際には抱っこしてなんて言われて、抱っこしてもらってから容赦なくやっている。
「そうだな、乗り移っているのかと思うくらいだよな。ポシッジュもソアリスが乗っ取られたのか!なんて言っていたよ」
「母上が?どちらかと言うと、いえ、どちらでもなく、乗っとる方でしょう」
「確かに乗っとる方だな」
そんなことはできないことは分かっているが、ソアリスは乗っ取られる前に乗っとるだろう。
「ポシッジュはソアリスが大人しいと思っていたんだよ」
「は?」
何も言わなくても、マイノスの表情がそんなことあり得ないだろうと、まじまじと訴えている。
「ソアリスの言葉で言うのなら、ポシッジュは面白くもねぇ話ばかりしやがって、早くどっか行ってくれねぇかなという感じで、過ぎ去るのを待っていたそうだ」
「っ、母上の声で聞こえました」
「夫だからな」
「自慢にはなりませんよ」
「ソアリスはピュアジュエルも、仕留めて伸ばしてグリグリしたいと思っていたからな。頬なら、骨もないし、折れない。腫れ上がれば万々歳だそうだ」
「恐ろしいほど母上らしい考えですね……」
ソアリスを見ると、ケイトと一つしかなかったケーキを半分をそっちの方が多いと言って、また喧嘩をしている。
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