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コーライ大公家1
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「ルアも、公爵に抱かれた方がいいわよね!さあ」
そう言って、ルアをミオトに渡すと、一気にルアが小さくなった。
「あら、ルアが縮んだ?老眼のせいかしら?」
「じいさんが大きいせいよ!」
「まあ、ばあさん!的確!逞しい腕に抱かれて、素晴らしいわ!」
ソアリスはミオトの常人ならない太い腕に、可愛い孫がすっぽりと収まる姿にうっとりとしていた。
「小さなリズが抱かれているようで、面白いわね」
「変なこと言わないで」
「ふふっ」
最後はソアリスのご褒美で、お疲れ様会は終了した。
一方、エクラオース王国へ帰ることになったコーライ大公一家。
帰りも馬車も汽車も、その場限りの話はするが、婚約については誰も触れられず、どんよりとしていたが、ポシッジュもこれから上手くいく方法を考えられずにいた。
「帰ってから、また縁談について考えよう」
邸までの馬車で、ようやく二人になったポシッジュはチェチリーに告げた。
さすがにピュアジュエルの前で、逃げられない場所で、あれこれ言うのは可哀想だと二人とも判断したからである。
「でもっ、カイルス殿下は無理なのよね?」
「あそこまで言われては、無理だろう……当てつけのように思われたのだろうな」
「当てつけだなんて!」
当てつけとは言えないが、それだけではないのにという思いであった。
「見た目も、ピュアジュにピッタリだったのに!どうして、ピュアジュを守ろうと思えなかったのかしら!おかしいわ」
まだそんなことが言えるチェチリーに、ポシッジュは驚いていた。
「強い方を望んでいるのだから、王妃陛下もあれだけ鍛えておられて……」
同い年の女性が、6歳の王女とはいえ、ひょいと肩車する姿に自分はできるだろうか。いや、できないだろうと思った。
ピュアジュエルにやってみて欲しいと言ったように、できるはずがない。
「前に襲われたのよね?」
「ああ、国際裁判にまでなったからな」
ソアリスがロンド王国の元側妃に襲われ、国際裁判に掛けられたことは、エクラオース王国でも話題になった。
「鍛えないといけないなんて……私には無理だわ」
「クロンデール王国は、そういったことが多いのかもしれない」
「だったら、エクラオース王国に来ればいいじゃない!そうすれば、そんな危険とは解放されるのに、どうしてそう考えられないのかしら」
「生まれ育った国だぞ?王子がそんな風に考えることはないだろう」
「で、でもっ」
さすがのポシッジュも、自分の育った国、自分だけが危険だからと、他国に行きたいなどと考える者が、鍛えたり、強い相手を望んだりしない。
冷静になってみれば、王子として正しい考えである。
「いくら優しい子でも、か弱いピュアジュエルは、クロンデール王国の人間には魅力的に映らないのだろう」
チェチリーもピュアジュエルも、すらりと痩せており、ソアリスとは体格が違う。
「それは……」
「他の相手を探した方が良いだろう」
「でも、ピュアジュが納得するような方がいるの?」
「それは……」
ピュアジュエルに縁談がないわけではなかった。
だが、良くても伯爵家という相手で、王子などはいなかった。
伯爵家なら問題ないが、ライバル心のある王女と王太子妃にこちらは伯爵家以下だと思われるのは、ポシッジュも不満ではあった。
だからこそ、昔から親しくしているアンセムなら王子が三人もおり、カイルスなら年も一つしか変わらないのは運命だと思った。
クロンデール王国も外に出したのは、第三王女だけで、国内の縁談ばかりであった。王家ではないが、大公家ならば飛び付くと思った。
断られたことには驚いたが、それでもピュアジュエルに直接、会えば気に入ると思ったが、何も変わらなかった。
国としても大事にする気はなかったが、多少脅してでも、ピュアジュエルのために婚約をしてもらわなくてはと焦りもあった。
そう言って、ルアをミオトに渡すと、一気にルアが小さくなった。
「あら、ルアが縮んだ?老眼のせいかしら?」
「じいさんが大きいせいよ!」
「まあ、ばあさん!的確!逞しい腕に抱かれて、素晴らしいわ!」
ソアリスはミオトの常人ならない太い腕に、可愛い孫がすっぽりと収まる姿にうっとりとしていた。
「小さなリズが抱かれているようで、面白いわね」
「変なこと言わないで」
「ふふっ」
最後はソアリスのご褒美で、お疲れ様会は終了した。
一方、エクラオース王国へ帰ることになったコーライ大公一家。
帰りも馬車も汽車も、その場限りの話はするが、婚約については誰も触れられず、どんよりとしていたが、ポシッジュもこれから上手くいく方法を考えられずにいた。
「帰ってから、また縁談について考えよう」
邸までの馬車で、ようやく二人になったポシッジュはチェチリーに告げた。
さすがにピュアジュエルの前で、逃げられない場所で、あれこれ言うのは可哀想だと二人とも判断したからである。
「でもっ、カイルス殿下は無理なのよね?」
「あそこまで言われては、無理だろう……当てつけのように思われたのだろうな」
「当てつけだなんて!」
当てつけとは言えないが、それだけではないのにという思いであった。
「見た目も、ピュアジュにピッタリだったのに!どうして、ピュアジュを守ろうと思えなかったのかしら!おかしいわ」
まだそんなことが言えるチェチリーに、ポシッジュは驚いていた。
「強い方を望んでいるのだから、王妃陛下もあれだけ鍛えておられて……」
同い年の女性が、6歳の王女とはいえ、ひょいと肩車する姿に自分はできるだろうか。いや、できないだろうと思った。
ピュアジュエルにやってみて欲しいと言ったように、できるはずがない。
「前に襲われたのよね?」
「ああ、国際裁判にまでなったからな」
ソアリスがロンド王国の元側妃に襲われ、国際裁判に掛けられたことは、エクラオース王国でも話題になった。
「鍛えないといけないなんて……私には無理だわ」
「クロンデール王国は、そういったことが多いのかもしれない」
「だったら、エクラオース王国に来ればいいじゃない!そうすれば、そんな危険とは解放されるのに、どうしてそう考えられないのかしら」
「生まれ育った国だぞ?王子がそんな風に考えることはないだろう」
「で、でもっ」
さすがのポシッジュも、自分の育った国、自分だけが危険だからと、他国に行きたいなどと考える者が、鍛えたり、強い相手を望んだりしない。
冷静になってみれば、王子として正しい考えである。
「いくら優しい子でも、か弱いピュアジュエルは、クロンデール王国の人間には魅力的に映らないのだろう」
チェチリーもピュアジュエルも、すらりと痩せており、ソアリスとは体格が違う。
「それは……」
「他の相手を探した方が良いだろう」
「でも、ピュアジュが納得するような方がいるの?」
「それは……」
ピュアジュエルに縁談がないわけではなかった。
だが、良くても伯爵家という相手で、王子などはいなかった。
伯爵家なら問題ないが、ライバル心のある王女と王太子妃にこちらは伯爵家以下だと思われるのは、ポシッジュも不満ではあった。
だからこそ、昔から親しくしているアンセムなら王子が三人もおり、カイルスなら年も一つしか変わらないのは運命だと思った。
クロンデール王国も外に出したのは、第三王女だけで、国内の縁談ばかりであった。王家ではないが、大公家ならば飛び付くと思った。
断られたことには驚いたが、それでもピュアジュエルに直接、会えば気に入ると思ったが、何も変わらなかった。
国としても大事にする気はなかったが、多少脅してでも、ピュアジュエルのために婚約をしてもらわなくてはと焦りもあった。
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