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狩猟の後始末3
アンセムと、オーランとクイオがソアリスたちに追いつき、部屋に入ると既におやつを食べており、ソアリスに至ってはもう食べ終えてしまいそうな勢いである。
「おかあさま、たべるのがはやいですよ?だめですよ?」
「分かっているわ。でもね、お母様は、とーっても面倒なやることが増えてしまいましたの」
エクラオース王国への抗議文のことだろうと、確かに送るのは早い方がいい。
「まあ、おかわいそう」
「そうでしょう?だから、勿体ないけど急いでるの」
ソアリスにおやつは食べない、後で食べるという選択肢はなかった。
「ケイトは味わってゆっくり食べなさい。早く食べても追加はありませんからね」
「わかってます」
そうこうしていると、ソアリスはおやつを食べ終え、シュッと立ち上がった。
運動のためにマッシュルームの散歩に行って来ると言い、確かに運動がまだ足りていない。キャロラインは散歩の間に、抗議文のたたき台を作っておきますと言い、オーランとクイオも手伝うことになった。
そんな様子を見ていたアンセムは、ハッと思い出した。
「あっ、ソアリス!いびる姑は、何という名前になる?」
「え?何を言っているの?」
アンセムはいびり姑を不服に思っており、ソアリスの名付けを聞きたかった。
「今日は孫攫い婆なんだろう?だったら、いびる姑は何になる?」
「ああ、そういうことね。うーん、そうね、イビリスなんてどう?イビリス・グレンバレンでございます」
「っく、さすがだな。気を付けて行って来なさい」
「は~い」
軽快に去って行き、ケイトは言われた様におやつに夢中である。
「さすがでございますね」
「斜め上、以上に思います」
「ソアリス様ですから」
オーラン、クイオは唸るように何度も頷きながら、キャロラインも満足そうに大きく頷いていた。
そこへ、マイノスとエクシアーヌがやって来た。
「終わったんですよね?」
「ああ、伝えれば良かったな」
「いえ、休んでいるのなら良かったです」
「お前たちの母上こと孫攫い婆、イビリス・グレンバレンはおやつをたらふく食べて、マッシュルームの散歩に行ったよ」
「活きが良過ぎませんか?」
「ああ」
母親に使う言葉ではないが、公務を行い、ナイルスとイレナと遊び、大公夫人とやり合って、マッシュルームの散歩に行っている、確かに活きは良い。
「で、どうでしたか?」
「まさに狩猟であった。目の前で、ずーっと猟銃を構えて、時折、顔のギリギリに発射しているようなものだな」
「怖っ」
マイノスはソアリスが猟銃を構えて、発射しているところなど見たこともないが、想像ができた上に、誰よりも似合う気がした。
しかも、確実に仕留めそうである。
「時折、被弾していたと思いますけど」
「確かに、動けなくしただけだ、死んでないからいいでしょう?と言いそうだな」
「怖っ」
命までは奪っていないという猟師・ソアリスの姿が目に浮かぶようであった。
「私には何か言う度に、パーンと銃声が聞こえるようだったよ」
「母上は猟師になったのですね」
マイノスはマッシュルームと駆け回っているソアリスがいるだろう外を向きながら、悟りを開くように呟いた。
「今日は孫攫い婆に、猟師に忙しかったな。きっと、よく寝るよ」
「何もなくても、よく寝ております」
「知っている」
疲れている時はよく眠る、だが疲れていなくとも、よく眠る。
「で、イビリス・グレンバレンって何ですか?」
「ソアリスはよく、いびるのが得意だと言っているだろう?私はいびり姑と名付けたのだが、どうも不服だったものだから、ソアリスに聞いたんだよ」
「それで、イビリス・グレンバレン」
「母上……」
「お上手としか言えませんわ」
エクシアーヌは思わず拍手を送りながら、首を傾けて唸っている。
「おかあさま、たべるのがはやいですよ?だめですよ?」
「分かっているわ。でもね、お母様は、とーっても面倒なやることが増えてしまいましたの」
エクラオース王国への抗議文のことだろうと、確かに送るのは早い方がいい。
「まあ、おかわいそう」
「そうでしょう?だから、勿体ないけど急いでるの」
ソアリスにおやつは食べない、後で食べるという選択肢はなかった。
「ケイトは味わってゆっくり食べなさい。早く食べても追加はありませんからね」
「わかってます」
そうこうしていると、ソアリスはおやつを食べ終え、シュッと立ち上がった。
運動のためにマッシュルームの散歩に行って来ると言い、確かに運動がまだ足りていない。キャロラインは散歩の間に、抗議文のたたき台を作っておきますと言い、オーランとクイオも手伝うことになった。
そんな様子を見ていたアンセムは、ハッと思い出した。
「あっ、ソアリス!いびる姑は、何という名前になる?」
「え?何を言っているの?」
アンセムはいびり姑を不服に思っており、ソアリスの名付けを聞きたかった。
「今日は孫攫い婆なんだろう?だったら、いびる姑は何になる?」
「ああ、そういうことね。うーん、そうね、イビリスなんてどう?イビリス・グレンバレンでございます」
「っく、さすがだな。気を付けて行って来なさい」
「は~い」
軽快に去って行き、ケイトは言われた様におやつに夢中である。
「さすがでございますね」
「斜め上、以上に思います」
「ソアリス様ですから」
オーラン、クイオは唸るように何度も頷きながら、キャロラインも満足そうに大きく頷いていた。
そこへ、マイノスとエクシアーヌがやって来た。
「終わったんですよね?」
「ああ、伝えれば良かったな」
「いえ、休んでいるのなら良かったです」
「お前たちの母上こと孫攫い婆、イビリス・グレンバレンはおやつをたらふく食べて、マッシュルームの散歩に行ったよ」
「活きが良過ぎませんか?」
「ああ」
母親に使う言葉ではないが、公務を行い、ナイルスとイレナと遊び、大公夫人とやり合って、マッシュルームの散歩に行っている、確かに活きは良い。
「で、どうでしたか?」
「まさに狩猟であった。目の前で、ずーっと猟銃を構えて、時折、顔のギリギリに発射しているようなものだな」
「怖っ」
マイノスはソアリスが猟銃を構えて、発射しているところなど見たこともないが、想像ができた上に、誰よりも似合う気がした。
しかも、確実に仕留めそうである。
「時折、被弾していたと思いますけど」
「確かに、動けなくしただけだ、死んでないからいいでしょう?と言いそうだな」
「怖っ」
命までは奪っていないという猟師・ソアリスの姿が目に浮かぶようであった。
「私には何か言う度に、パーンと銃声が聞こえるようだったよ」
「母上は猟師になったのですね」
マイノスはマッシュルームと駆け回っているソアリスがいるだろう外を向きながら、悟りを開くように呟いた。
「今日は孫攫い婆に、猟師に忙しかったな。きっと、よく寝るよ」
「何もなくても、よく寝ております」
「知っている」
疲れている時はよく眠る、だが疲れていなくとも、よく眠る。
「で、イビリス・グレンバレンって何ですか?」
「ソアリスはよく、いびるのが得意だと言っているだろう?私はいびり姑と名付けたのだが、どうも不服だったものだから、ソアリスに聞いたんだよ」
「それで、イビリス・グレンバレン」
「母上……」
「お上手としか言えませんわ」
エクシアーヌは思わず拍手を送りながら、首を傾けて唸っている。
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