私のバラ色ではない人生

野村にれ

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狩猟の後始末4

「一瞬で思い付いたようだぞ?私もさすがだと思った」
「父上まで……」
「私にはすぐに思いつかない。いびり姑なんて、そのままじゃないか!」

 アンセムは改めて、いびり姑って何だと思うほどであった。

「特技でございますね」
「そうだな!よく食べることと、すぐに寝ることと、口が悪いことと、体力があることと、名付けが上手い」
「王妃の評価ではありませんよ」
「分かっている」
「縁談相手でもどうかと思いますよ、そんな風に聞かされて会いたくないでしょう」
「言うはずがないだろう?ピュアジュエルがいい例じゃないか」
「それは、そうですね。そういえば、父上は母上を婚約前は、どのような方だと言われていたのですか」

 マイノスは両親のゴタゴタは知っているが、それでもソアリスをどんな人間かという話はされたのではないかと思い、訊ねてみることにした。

 ケイトはおやつに夢中だが、他の皆はアンセムの答えに興味津々である。

「どうだったかな……」

 アンセムも人生の半分以上前であることから、なかなか思い出せなかった。

「っあ、確か母上に、顔は当時のロアンスラー公爵に似ており、ララシャと違って体形も健康的だと、成績も良い方であると」

 皆、ソアリスの表現として、間違っていないなと頷いていた。

「そうだ、学園ではハツラツとしていると」
「ハツラツ……」
「ああ、今のマイノスのように私も思ったんだよ。ハツラツって何だと、母上も元気があるということでしょうって、首を傾げていた。だが、私もソアリスのことを知らなかったわけではない、ララシャと三人でお茶を飲んだこともある」
「そうだったんですか?」

 両親にもそんな時代があったことは分かっているが、何だか物語を聞いているような気分だった。

「おそらく、ご両親に言われたのか、おやつに釣られてやって来たのだろう」
「ああ……ブレませんね」
「確かに綺麗に食べていた」

 ソアリスはアンセムにニコニコするようなこともなく、ララシャと親しそうにすることもなく、ただ静かに食べていた。

「だから、沢山食べていることに気付けなかったくらいだよ。ララシャが食べ過ぎだと言い、それをこの子、恥ずかしいくらい食べるんですのよって言っていたな」
「蔑むために呼んだのかもしれませんね」
「可能性はあるな、当時は姉妹仲が良いところでも見せたいと思ったが……」
「仲が良いはずないですよね」

 ララシャは自分と一緒に入れて嬉しいだろう、婚約者のお茶会に参加させてあげていると思っていただろうが、ソアリスの目的は間違いなく、おやつである。

「ああ、今はそう思うよ。二人は会話すらしてなかったしな」
「母上らしいですね、意外と黙っているの得意ですから」
「ああ、私はララシャの前にはケーキがあったが、二口くらい食べて、放置されている方が気分が悪かったよ」

 アンセムは当時、ソアリスのことは気にしておらず、ララシャは今日も食べないなと思っていた。

「母上の皿は綺麗だったんでしょうね」
「ああ、だがソアリスと私は、受け答え以外話すようなことはなかったんだよ。二人で会ったこともなかったしな」
「あんな中身だとは思わなかったと」
「思わないだろう?マグマのようになったり、猟師になっていたこともあったかもしれない。それで、謎のハツラツ……おそらく教師はソアリスを評価はしていた。だが、どう表現するべきか、悩んだ末のハツラツだったんだろうな」

 公爵令嬢として相応しい振る舞いはしていたが、言い方や、やり方は特殊だったために判断し辛かっただろう。今となっては、夫として申し訳なさすら感じる。

「もし、当時既に悪の親玉、陰の支配者なんて言われていても、言えませんよね」
「まだ付けられていなかったのかもしれないしな」
「そう思うと、ハツラツが限界だったのでしょう」

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