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留学4
『い、いえ、まだ言葉が全部は分からないのが、悔しいです』
何か楽しそうなやり取りをしているが、ソアリスとケイトの会話は言葉も分からない部分もある上に、やりとりも早いために聞き取れないことも多かった。
『まあ、その思いは学習意欲にとても良いことですわ。私は王妃の友人の母であり、ソアリス王妃陛下の指導も行ったレイドラ・ミッドラーでございます』
レイドラはまずはセレニティを観察して、どのように指導をするか考えようと思っていたが、意欲はありそうなことにホッとした。
『王妃陛下を指導されたのですか、よろしくお願いいたします』
セレニティは姿勢も、振る舞いも美しいソアリスのようになりたいと、思うようになっていた。
『頑張りましょう、きっとあなたの王家の血が美しいレディにしてくれますわ』
『はい、頑張ります』
ソアリスはさすがレイドラは良いことを言うなと思って、頷いていた。
『ケイトも王女の血で頑張りなさい』
『おかあさまのちが、じゃまをします』
『まあ、どす黒い血だとでも言うの?血までも黒ずんでしまったのかしら』
どこで覚えたのかと言うほど、ソアリスの言いそうなことをポンポン話すケイトに、自分のせいなのかと多少の自覚はあった。
『そうです!おかあさまのちは、まっくろくろです』
『リズ、腹を痛めてひーひ―言って、誕生日のお肉を諦めて産んだ娘が酷いことを言うわ……』
『肉の恨みじゃない』
セレニティはその様子に、口元を両手で押さえており、レイドラは笑える日はすぐそこではないかと感じていた。
その後、ソアリスは公務に向かったが、今日はレイドラの判断で、まずはケイトがレイドラとリズに指導を受ける授業を見学するという形にした。
ケイトにはカーテシー、お辞儀、どう動けば美しいか、立ち振る舞いを指導した。
ケイトはまだ体が幼いこともあるが、姿勢だけはさすがと言っていいほど良く、キビキビ動くところも、ソアリスの幼い頃にそっくりであった。
『今日も姿勢がよろしいですね』
『はい!』
レイドラはケイトが相変わらず可愛くて堪らないために、思わず笑みが零れるが、指導はきちんと行っているつもりである。
リズも中身はソアリスなのにと思いながらも、頑張って授業を受ける姿は愛らしくて堪らない。だが、きちんとケイトを指導しなくてはならない。時折、これはソアリスと思うようにもしている。
『もう少し、しなやかに動いてみましょうか』
『はい、がんばります』
そうは言っても、ケイトにしなやかさはまだ難しい。
『お母様に負けたくありませんでしょう?』
『はい、おかあさまはこえるものです』
『なかなか難しいことですね』
ケイトなら超えられそうもするが、リズは良くも悪くも、なかなか難しい存在だなと思い、思わず笑ってしまった。
『もくひょうはたかいほうがよろしいのよ』
『そうですわね、さすがケイト様』
『うふふ』
セレニティは座って見学をしていたが、ケイトの様子を見ながら、同じように動いてみたりしており、レイドラが声を掛けた。
『セレニティ殿下も、少しやってみますか?』
『はい、ご指導ください』
『ええ、皆、最初はできないのですから、しっかり向き合っていきましょう』
レイドラとリズも、カーテシーも倒れてしまいそうだと、ソアリスから聞いており、まずは年齢を考えずに基礎から行おうと考えていた。
思うがままカーテシーを行ってもらうと、ソアリスの言う通りで、おぼつかない姿であった。
『申し訳ございません』
セレニティも鏡の前で何度も練習したたために、自分でもできていないことは分かっており、恥ずかしくなった。だが、それもセレニティには成長であった。
『謝ることはありません。伸びしろがあると思えばいいのです』
何か楽しそうなやり取りをしているが、ソアリスとケイトの会話は言葉も分からない部分もある上に、やりとりも早いために聞き取れないことも多かった。
『まあ、その思いは学習意欲にとても良いことですわ。私は王妃の友人の母であり、ソアリス王妃陛下の指導も行ったレイドラ・ミッドラーでございます』
レイドラはまずはセレニティを観察して、どのように指導をするか考えようと思っていたが、意欲はありそうなことにホッとした。
『王妃陛下を指導されたのですか、よろしくお願いいたします』
セレニティは姿勢も、振る舞いも美しいソアリスのようになりたいと、思うようになっていた。
『頑張りましょう、きっとあなたの王家の血が美しいレディにしてくれますわ』
『はい、頑張ります』
ソアリスはさすがレイドラは良いことを言うなと思って、頷いていた。
『ケイトも王女の血で頑張りなさい』
『おかあさまのちが、じゃまをします』
『まあ、どす黒い血だとでも言うの?血までも黒ずんでしまったのかしら』
どこで覚えたのかと言うほど、ソアリスの言いそうなことをポンポン話すケイトに、自分のせいなのかと多少の自覚はあった。
『そうです!おかあさまのちは、まっくろくろです』
『リズ、腹を痛めてひーひ―言って、誕生日のお肉を諦めて産んだ娘が酷いことを言うわ……』
『肉の恨みじゃない』
セレニティはその様子に、口元を両手で押さえており、レイドラは笑える日はすぐそこではないかと感じていた。
その後、ソアリスは公務に向かったが、今日はレイドラの判断で、まずはケイトがレイドラとリズに指導を受ける授業を見学するという形にした。
ケイトにはカーテシー、お辞儀、どう動けば美しいか、立ち振る舞いを指導した。
ケイトはまだ体が幼いこともあるが、姿勢だけはさすがと言っていいほど良く、キビキビ動くところも、ソアリスの幼い頃にそっくりであった。
『今日も姿勢がよろしいですね』
『はい!』
レイドラはケイトが相変わらず可愛くて堪らないために、思わず笑みが零れるが、指導はきちんと行っているつもりである。
リズも中身はソアリスなのにと思いながらも、頑張って授業を受ける姿は愛らしくて堪らない。だが、きちんとケイトを指導しなくてはならない。時折、これはソアリスと思うようにもしている。
『もう少し、しなやかに動いてみましょうか』
『はい、がんばります』
そうは言っても、ケイトにしなやかさはまだ難しい。
『お母様に負けたくありませんでしょう?』
『はい、おかあさまはこえるものです』
『なかなか難しいことですね』
ケイトなら超えられそうもするが、リズは良くも悪くも、なかなか難しい存在だなと思い、思わず笑ってしまった。
『もくひょうはたかいほうがよろしいのよ』
『そうですわね、さすがケイト様』
『うふふ』
セレニティは座って見学をしていたが、ケイトの様子を見ながら、同じように動いてみたりしており、レイドラが声を掛けた。
『セレニティ殿下も、少しやってみますか?』
『はい、ご指導ください』
『ええ、皆、最初はできないのですから、しっかり向き合っていきましょう』
レイドラとリズも、カーテシーも倒れてしまいそうだと、ソアリスから聞いており、まずは年齢を考えずに基礎から行おうと考えていた。
思うがままカーテシーを行ってもらうと、ソアリスの言う通りで、おぼつかない姿であった。
『申し訳ございません』
セレニティも鏡の前で何度も練習したたために、自分でもできていないことは分かっており、恥ずかしくなった。だが、それもセレニティには成長であった。
『謝ることはありません。伸びしろがあると思えばいいのです』
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