私のバラ色ではない人生

野村にれ

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行方不明3

「同級生に話を聞くと、執着が強そうに見えると言うの。後は恋人?愛人?になっているとか考えたのだけど」
「ない話ではないな」

 平民を貴族が囲う、未婚なのだから、恋人いうことも考えられる。

「でもね、アマリリス嬢にしつこく迫っていたと教えてくれたのは、ジュリーラ・デーラバスなのだけど、娘さんが同い年で、行動は気持ちが悪いほどであったと言っていたのよ」
「だから、似た女性をということか」
「うーん、私の想像だけど。アマリリスの容姿が好みだと言っていて、プレゼントを押し付けたり、これを着て欲しいとか、無理矢理キスをしようとしたり、指を舐めたり、ちょっと常軌を逸しているというか」
「指?」

 カイルスが顔を歪ませて、悲鳴に似た声を上げた。

「そうよ、カイルス!勝手に女の子の指なんて舐めたら駄目よ!さすがに尻叩きでは済まないわよ?お母様、お相手に王妃だろうが土下座しますからね」
「しませんし、お母様にそんなことさせませんよ」

 カイルスにとっては尻叩きよりも、ソアリスに土下座させる方が辛いことだろう。

 だが、もしも息子がそんなことをすれば、ソアリスは立場など関係なく、土下座する覚悟を持っている。

「そうよ!だから、普通はしない。でもするような男なのよ。私だったら舐めた時点で金的です。それで蹲った隙に転がして、足を折るわね」
「素晴らしい、ソアちゃん」

 リッシュは拍手を送っており、満足そうに頷いている。

「はい、動けなくすることが肝心です」
「そうだ、頭を壁や床に叩きつけるのもいい」
「はい」
「私はルックリンツソルの話を聞いて、変態辱めカリキュラムを思い出しました」
「え?」

 キャロラインがなんて言ったのか理解ができず、皆に動揺が広がった。

「私が変態に遭遇した時の対処法を子どもたちにしたの、まだカイルスは幼い頃ね」
「それは大事だな、素晴らしい」
「はい」

 まだ動揺が広がってはいたが、リックスが納得したことで、それ以上は訊ねられなかった。

「それで、そのアマリリス嬢は諦めたのか?」
「危険だから、アマリリス嬢を爵位の高い令嬢たちで守っていたそうなの」
「アマリリス嬢は令嬢に嫌われる質ではないのですね、良かったです」
「ええ、異性に人気があっても驕るような子ではなかったそうよ」

 令嬢たちが守ってくれるということは、人望があったということに他ならない。

「良かったです」
「ちなみに、アマリリス嬢は卒業してから他国に滞在しているの」
「別の相手と婚約は?」
「ルルンパ?もうルルンパでいいわね、ルルンパのせいで男性恐怖症気味になってしまったようで、今は療養中ってところね」

 もはやルックリンツソルの跡形もなくなっており、面倒にもなっていた。

「お可哀想に……」
「ええ、だから彼女の無事は確実なのだけど」
「子爵家にも行っていたのかい?」
「そう、卒業して学園で会えないから、お菓子や花束持って行ったり、ドレスを贈り付けたり。でもコンパル伯爵に進言して、行けなくなったそうなの」

 コンパル伯爵が監視を付けて、次に行ったら縁を切ると言って行かせないようにして、トレアン子爵家には行けなくなってしまった。

「コンパル伯爵は、事なかれ主義だからな」

 ライックはコンパル伯爵を思い出すと、そう言った印象だった。

 ゆえに下手に動けないと考えているソアリスの話す内容に、騎士団員としても理解すると同時に、もどかしい気持ちであった。

「そういう性格なのか」
「はい、不都合があればお金で解決。そして、なかったことにしたいでしょうね」
「色々、嫌な形がはまっていくようだな」
「そうなのです。でも万が一があったら……すぐに動きたいところですが、下手に刺激したら困りますから」
「伯爵も探られていると思ったら、隠すでしょう」

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