778 / 861
行方不明6
「ご家族も猫が好きなのかな?」
「は、はい」
「だったら、夫人とこちらはご子息だったな?そちらも一緒に一度、保護施設に見に来ていただきたい」
「っ、はい、承知いたしました」
和やかに話をして、リッシュはコンパル伯爵家を後にした。報告はライックによって、ソアリスとバーセム公爵に伝えることになった。
「家族は何も知らない可能性が高いということです」
「そう」
「そうですか」
「ただ、息子に関しては思うところはあるのだろうということでした。名前を出すと一瞬曇った顔をし、言葉に詰まるようなことがあったと、ノージュリー公爵と同意見だそうです」
「二人が言うなら、間違いないわね」
息子のことは何か不都合や、聞かれたくないことがある証拠だろう。
「別邸についてはソアリス様の案を採用して、曾孫を使って、あちらが気になるのか?犬は飼っていないのだよなと聞いたそうですが、また少し動揺が見られたということでした。もしかしたら、近寄るななどと、アマリリス嬢とのことで、関係が悪くなっているのではないかという見解です」
「それは、執着していたのだから、大いにあり得るわね。さすがね」
ルックリンツソルは話に聞くだけで印象が分からないために、親との関係は考えていなかった。近付くことで見えることもある。
「別邸は父の私見ですが、暗い印象を受けたということです」
「人の出入りがあまりないとそういった印象を受けるわよね」
「はい」
使っていない別邸などは、手入れをしていても暗い印象を受ける。
アマリリスのことで険悪、もしくは暴力などもあって、ルックリンツソルに触れられないのかもしれない。
「おじ様とラオンとリソルにお礼を伝えておいてください」
「いえ、当然のことをしたまででございます」
「ありがとうございます。あと一手というところね、家族を味方につけるのは難しそうよね」
「はい、それは貴族ですから醜聞にもなりますしね」
万が一、監禁などしていたら、コンパル伯爵家は醜聞にまみれることになる。
「私ならやっちゃって!と言いたいところだけど」
「まずは来ないかもしれませんが、保護施設に来るか。他に何か手掛かりが見付かるかですね」
「もうこっそり忍び込みたいわね、何もなかったら泥棒王妃?強盗王妃?殺し屋王妃になってしまうけど、それでも何もないことを確認したいわ」
「はい……」
結局、リッシュに探ってもらったのに動けないまま、二日が経ち、保護施設にもコンパル伯爵家は現れていなかった。
バーセム公爵とライックは何か名分はないかと、考えているとソアリスが夫人とメディナを連れて飛び込んで来た。
「大変よ―――――!!」
「どうしましたか!」
「話してくれる?」
「はい、ジュリーラ・デーラバスでございます。説明をさせていただきます」
何の前置きもないために、何だろうかと思ったが、とりあえずバーセム公爵とライックは話を聞くことにした。
「実はアマリリス嬢がピデム王国から戻っているということを聞きまして」
「っな」
「どうして」
こんな時にと思うがあまり、バーセム公爵もライックも声が出てしまっていた。
アマリリス・トレアンが滞在していたのはピデム王国であった。
「すまない続けてくれ」
「はい、私もソアリス様から全てではないと思いますがですが、アマリリス嬢に似た女性が行方不明ということは内密に伺っておりまして、それで忠告とまではいかなくとも、様子を伺いに娘と訪ねたのです」
ジュリーラも娘から話を聞いて、ソアリスに連絡をするとともに、トレアン子爵家を訪ねた。
「アマリリス嬢の母親がピデム王国の出身であることはご存知だと思いますが、アマリリス嬢は街中でマリーという女性に間違われたそうなのです」
「マリー……マリリア」
「は、はい」
「だったら、夫人とこちらはご子息だったな?そちらも一緒に一度、保護施設に見に来ていただきたい」
「っ、はい、承知いたしました」
和やかに話をして、リッシュはコンパル伯爵家を後にした。報告はライックによって、ソアリスとバーセム公爵に伝えることになった。
「家族は何も知らない可能性が高いということです」
「そう」
「そうですか」
「ただ、息子に関しては思うところはあるのだろうということでした。名前を出すと一瞬曇った顔をし、言葉に詰まるようなことがあったと、ノージュリー公爵と同意見だそうです」
「二人が言うなら、間違いないわね」
息子のことは何か不都合や、聞かれたくないことがある証拠だろう。
「別邸についてはソアリス様の案を採用して、曾孫を使って、あちらが気になるのか?犬は飼っていないのだよなと聞いたそうですが、また少し動揺が見られたということでした。もしかしたら、近寄るななどと、アマリリス嬢とのことで、関係が悪くなっているのではないかという見解です」
「それは、執着していたのだから、大いにあり得るわね。さすがね」
ルックリンツソルは話に聞くだけで印象が分からないために、親との関係は考えていなかった。近付くことで見えることもある。
「別邸は父の私見ですが、暗い印象を受けたということです」
「人の出入りがあまりないとそういった印象を受けるわよね」
「はい」
使っていない別邸などは、手入れをしていても暗い印象を受ける。
アマリリスのことで険悪、もしくは暴力などもあって、ルックリンツソルに触れられないのかもしれない。
「おじ様とラオンとリソルにお礼を伝えておいてください」
「いえ、当然のことをしたまででございます」
「ありがとうございます。あと一手というところね、家族を味方につけるのは難しそうよね」
「はい、それは貴族ですから醜聞にもなりますしね」
万が一、監禁などしていたら、コンパル伯爵家は醜聞にまみれることになる。
「私ならやっちゃって!と言いたいところだけど」
「まずは来ないかもしれませんが、保護施設に来るか。他に何か手掛かりが見付かるかですね」
「もうこっそり忍び込みたいわね、何もなかったら泥棒王妃?強盗王妃?殺し屋王妃になってしまうけど、それでも何もないことを確認したいわ」
「はい……」
結局、リッシュに探ってもらったのに動けないまま、二日が経ち、保護施設にもコンパル伯爵家は現れていなかった。
バーセム公爵とライックは何か名分はないかと、考えているとソアリスが夫人とメディナを連れて飛び込んで来た。
「大変よ―――――!!」
「どうしましたか!」
「話してくれる?」
「はい、ジュリーラ・デーラバスでございます。説明をさせていただきます」
何の前置きもないために、何だろうかと思ったが、とりあえずバーセム公爵とライックは話を聞くことにした。
「実はアマリリス嬢がピデム王国から戻っているということを聞きまして」
「っな」
「どうして」
こんな時にと思うがあまり、バーセム公爵もライックも声が出てしまっていた。
アマリリス・トレアンが滞在していたのはピデム王国であった。
「すまない続けてくれ」
「はい、私もソアリス様から全てではないと思いますがですが、アマリリス嬢に似た女性が行方不明ということは内密に伺っておりまして、それで忠告とまではいかなくとも、様子を伺いに娘と訪ねたのです」
ジュリーラも娘から話を聞いて、ソアリスに連絡をするとともに、トレアン子爵家を訪ねた。
「アマリリス嬢の母親がピデム王国の出身であることはご存知だと思いますが、アマリリス嬢は街中でマリーという女性に間違われたそうなのです」
「マリー……マリリア」
あなたにおすすめの小説
なぜ、私に関係あるのかしら?
シエル
ファンタジー
「初めまして、アシュフォード公爵家一女、セシリア・アシュフォードと申します」
彼女は、つい先日までこの国の王太子殿下の婚約者だった。
そして今日、このトレヴァント辺境伯家へと嫁いできた。
「…レオンハルト・トレヴァントだ」
非道にも自らの実妹を長年にわたり虐げ、婚約者以外の男との不適切な関係を理由に、王太子妃に不適格とされ、貴族学院の卒業式で婚約破棄を宣告された。
そして、新たな婚約者として、その妹が王太子本人から指名されたのだった。
「私は君と夫婦になるつもりはないし、辺境伯夫人として扱うこともない」
この判断によって、どうなるかなども考えずに…
※ 中世ヨーロッパ風の世界観です。
※ ご都合主義ですので、ご了承下さい、
※ 画像はAIにて作成しております
公爵家の次女ですが、静かに学園生活を送るつもりでした
佐伯かなた
恋愛
王国でも屈指の名門、公爵アルヴィス家。
その家には、誰もが称賛する完璧な令嬢がいた。
長女ソフィア。
美貌、知性、礼儀、すべてを備えた理想の公爵令嬢。
そして──もう一人。
妹、レーネ・アルヴィス。
社交界ではほとんど名前も出ない、影の薄い次女。
姉ほど目立つわけでもなく、社交の中心にいるわけでもない。
だが彼女は知っている。
貴族社会では、
誰が本当に優れているのかは、静かな場面でこそ分かるということを。
王立学園に入学したレーネは、
礼儀作法、社交、そして人間関係の中で、静かに周囲を観察していく。
やがて──
軽んじていた者たちは気づく。
「公爵家の妹」が、本当はどんな令嬢だったのかを。
これは、
静かな公爵令嬢が学園と貴族社会で評価を覆していく物語。
悪役令嬢にされたので婚約破棄を受け入れたら、なぜか全員困っています
かきんとう
恋愛
王城の大広間は、いつも以上に華やいでいた。
磨き上げられた床は燭台の光を反射し、色とりどりのドレスが揺れるたびに、まるで花畑が動いているかのように見える。貴族たちの笑い声、楽団の優雅な旋律、そして、ひそやかな噂話が、空気を満たしていた。
その中心に、私は立っていた。
――今日、この瞬間のために。
「エレノア・フォン・リーベルト嬢」
高らかに呼ばれた私の名に、ざわめきがぴたりと止む。
ある王国の王室の物語
朝山みどり
恋愛
平和が続くある王国の一室で婚約者破棄を宣言された少女がいた。カップを持ったまま下を向いて無言の彼女を国王夫妻、侯爵夫妻、王太子、異母妹がじっと見つめた。
顔をあげた彼女はカップを皿に置くと、レモンパイに手を伸ばすと皿に取った。
それから
「承知しました」とだけ言った。
ゆっくりレモンパイを食べるとお茶のおかわりを注ぐように侍女に合図をした。
それからバウンドケーキに手を伸ばした。
カクヨムで公開したものに手を入れたものです。
旦那様、彼は仕事において必要不可欠なパートナーなのです
ましゅぺちーの
恋愛
伯爵夫人フルールは、夫である伯爵と愛人の秘書に長年頭を悩ませていた。
何度夫に苦言を呈しても「彼女は仕事において必要不可欠なパートナーだから」と一切聞く耳を持たない。
困り果てていたそのとき、彼女は突然前世の記憶を取り戻した。
このままだと夫と愛人の真実の愛の犠牲になってしまう。
それだけは御免だ。
結婚五年目にして、彼女はようやく夫を見限り、新たな事業を立ち上げた。
そして事業を成功させたフルールの隣には、いつも同じ男が立っていた。
その男は誰なのかと問い詰める夫に、フルールはニッコリ笑って言った。
「彼は仕事において必要不可欠なパートナーなのです」と。
さようなら、私の初恋
しょくぱん
恋愛
「さよなら、私の初恋。……もう、全部お返しします」
物心ついた時から、彼だけが世界のすべてだった。 幼馴染の騎士団長・レオンに捧げた、十数年の純粋な初恋。 彼が「無敵」でいられたのは、アリアが無自覚に与え続けた『治癒の加護』があったから。
だが婚約直前、アリアは知ってしまう。 彼にとって自分は、仲間内で競い合う「賭けの対象」でしかなかったことを。
「あんな女、落とすまでのゲームだよ」
全てがどうでもよくなった私は理想郷へ旅立つ
霜月満月
恋愛
「ああ、やっぱりあなたはまたそうして私を責めるのね‥‥」
ジュリア・タリアヴィーニは公爵令嬢。そして、婚約者は自国の王太子。
でも私が殿下と結婚することはない。だってあなたは他の人を選んだのだもの。『前』と変わらず━━
これはとある能力を持つ一族に産まれた令嬢と自身に掛けられた封印に縛られる王太子の遠回りな物語。
※なろう様で投稿済みの作品です。
※画像はジュリアの婚約披露の時のイメージです。
【完結】魔女令嬢はただ静かに生きていたいだけ
⚪︎
恋愛
公爵家の令嬢として傲慢に育った十歳の少女、エマ・ルソーネは、ちょっとした事故により前世の記憶を思い出し、今世が乙女ゲームの世界であることに気付く。しかも自分は、魔女の血を引く最低最悪の悪役令嬢だった。
待っているのはオールデスエンド。回避すべく動くも、何故だが攻略対象たちとの接点は増えるばかりで、あれよあれよという間に物語の筋書き通り、魔法研究機関に入所することになってしまう。
ひたすら静かに過ごすことに努めるエマを、研究所に集った癖のある者たちの脅威が襲う。日々の苦悩に、エマの胃痛はとどまる所を知らない……