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禍害(裏)4
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「はい!王妃様から言伝を頼まれて参りました!」
「言伝?」
「はい、そのまま伝えるようにと言われたのですが、よろしいですか?」
嫌な予感しかしないが、メイドのせいではない。
「ああ、頼む」
「はい、では。人気者王女が帰るまで気を抜くな。特に男ども!切羽詰まって何をするか分からん!色情狂の可能性もあるが、艶めかしいドレスでやって来て、部屋を間違えちゃった~だけでも問題になる。夜這いに気を付けろ!以上でございます」
メイドになんて言伝を頼んでいるのだと思ったが、ソアリスの言ったことを、おそらく的確に伝えている。
「分かった、ありがとう。戻っていい」
「はい、失礼します。王妃様とカイルス殿下は、もう夢の中でございます」
「それは何よりだ」
ソアリスが寝ている時が、一番静かで平和である。メイドは満足そうに頭を下げて、戻っていった。
「だそうだ」
「なんて言伝を頼んでいるんだ…」
「多分、もう眠くて言いに行くのが面倒だったんでしょうね」
「すまない、母はよく寝るんだ。後、一度寝ると起きない」
「ああ、揺すっても、擽っても、瞼をこじ開けても起きない。死んだのではないかと思ったことだってある」
「警備は厳重にしてあるから大丈夫だ」
ソアリスは寝ている間に死ねるなら本望だと言っており、アンセムは本当に起きなければならない時は、水でも掛けてくださいと言われている。
「起きたら、全て終わっている可能性がありますよね」
「あるな、実際、ソアリスの昼寝中に鳥が執務室に入ってしまって、皆でバタバタと右往左往している間中、ずーっと寝ていたそうだ」
鳥も暴れ、鳴き喚き、最初は静かに逃がそうとしていたが、あっちに行った、こっちだ、そっちは駄目だなんて言いながら、ドタバタしていたが、ソアリスはピクリとも動かなかったらしい。
その後、蝉が入って来たこともあったが、ソアリスは絶対起きないと確信して、蝉を捕まえようと必死になったが、飛ぶわ、鳴くわ、おしっこを掛けられるわ、頭に止まったメイドが絶叫したりしても、またソアリスは一切動かなった。
もはや、一人寝ていることによって、カオスである。
「想像が出来ますね」
皆、遠い目をするしかなかった。
「私が姉の見張りをします」
「いや、万が一のことがあって、エクシアーヌ王女まで巻き込まれる方が良くない。警備は帰るまで、このまま厳重にしておく」
エクシアーヌは居たたまれない気持ちになりながら、再び背筋を正した。
「苦手なのだろう?」
「はい…押し付ける様で申し訳ないのですが、私が何を言っても聞かないのです」
「いずれソアリスに話してみるといい。彼女も厄介な姉を持っているからな」
「ララシャ妃ですか」
「ああ、シシリーヌ王女に似ていなくもない」
「母が非常に評判が悪くなっていると言っていました」
「評判が?」
関わらなくなって、ソアリスも興味がない上に、第二王子妃ということで、あまり情報も入っていなかった。
「はい、何と言ったらいいのか、体重が増加していることはご存知ですか?」
「体重が?」
「はい、前は痩せていらしたそうですが、出産されて、増えたと仰っているのですが…」
「ああ、元に戻らなくなったのか」
ソアリスがララシャは運動もしないと言っていた、それで妊娠中の時のように食べていたら、減ることはないだろう。
「そのようです。それはピデム王国が良いならいいのですが、痩せた方を細すぎて気持ち悪い、ご飯を食べられないのか、拒食症か、そんな身体でお産に耐えられるのかなどと言うそうで」
「何それ…」「酷い…」
同じ女性としてアリルとエクルは思わずこぼし、ミフルは怒りで顔が歪んでいた。
「彼女は痩せていることが誇りだったはずだ」
「そうなんですか」
「ああ、ソアリスが言っていた。一番言われる誉め言葉だと」
「言われなくなったから、価値を下げようとしているのではないですか」
「ああ…おそらく、そういうことだろうな」
一応、きょうだいには伯母に当たるのだが、アリルを奪おうとした前科もあるため、さらに関わりたくないと思うこととなった。
「言伝?」
「はい、そのまま伝えるようにと言われたのですが、よろしいですか?」
嫌な予感しかしないが、メイドのせいではない。
「ああ、頼む」
「はい、では。人気者王女が帰るまで気を抜くな。特に男ども!切羽詰まって何をするか分からん!色情狂の可能性もあるが、艶めかしいドレスでやって来て、部屋を間違えちゃった~だけでも問題になる。夜這いに気を付けろ!以上でございます」
メイドになんて言伝を頼んでいるのだと思ったが、ソアリスの言ったことを、おそらく的確に伝えている。
「分かった、ありがとう。戻っていい」
「はい、失礼します。王妃様とカイルス殿下は、もう夢の中でございます」
「それは何よりだ」
ソアリスが寝ている時が、一番静かで平和である。メイドは満足そうに頭を下げて、戻っていった。
「だそうだ」
「なんて言伝を頼んでいるんだ…」
「多分、もう眠くて言いに行くのが面倒だったんでしょうね」
「すまない、母はよく寝るんだ。後、一度寝ると起きない」
「ああ、揺すっても、擽っても、瞼をこじ開けても起きない。死んだのではないかと思ったことだってある」
「警備は厳重にしてあるから大丈夫だ」
ソアリスは寝ている間に死ねるなら本望だと言っており、アンセムは本当に起きなければならない時は、水でも掛けてくださいと言われている。
「起きたら、全て終わっている可能性がありますよね」
「あるな、実際、ソアリスの昼寝中に鳥が執務室に入ってしまって、皆でバタバタと右往左往している間中、ずーっと寝ていたそうだ」
鳥も暴れ、鳴き喚き、最初は静かに逃がそうとしていたが、あっちに行った、こっちだ、そっちは駄目だなんて言いながら、ドタバタしていたが、ソアリスはピクリとも動かなかったらしい。
その後、蝉が入って来たこともあったが、ソアリスは絶対起きないと確信して、蝉を捕まえようと必死になったが、飛ぶわ、鳴くわ、おしっこを掛けられるわ、頭に止まったメイドが絶叫したりしても、またソアリスは一切動かなった。
もはや、一人寝ていることによって、カオスである。
「想像が出来ますね」
皆、遠い目をするしかなかった。
「私が姉の見張りをします」
「いや、万が一のことがあって、エクシアーヌ王女まで巻き込まれる方が良くない。警備は帰るまで、このまま厳重にしておく」
エクシアーヌは居たたまれない気持ちになりながら、再び背筋を正した。
「苦手なのだろう?」
「はい…押し付ける様で申し訳ないのですが、私が何を言っても聞かないのです」
「いずれソアリスに話してみるといい。彼女も厄介な姉を持っているからな」
「ララシャ妃ですか」
「ああ、シシリーヌ王女に似ていなくもない」
「母が非常に評判が悪くなっていると言っていました」
「評判が?」
関わらなくなって、ソアリスも興味がない上に、第二王子妃ということで、あまり情報も入っていなかった。
「はい、何と言ったらいいのか、体重が増加していることはご存知ですか?」
「体重が?」
「はい、前は痩せていらしたそうですが、出産されて、増えたと仰っているのですが…」
「ああ、元に戻らなくなったのか」
ソアリスがララシャは運動もしないと言っていた、それで妊娠中の時のように食べていたら、減ることはないだろう。
「そのようです。それはピデム王国が良いならいいのですが、痩せた方を細すぎて気持ち悪い、ご飯を食べられないのか、拒食症か、そんな身体でお産に耐えられるのかなどと言うそうで」
「何それ…」「酷い…」
同じ女性としてアリルとエクルは思わずこぼし、ミフルは怒りで顔が歪んでいた。
「彼女は痩せていることが誇りだったはずだ」
「そうなんですか」
「ああ、ソアリスが言っていた。一番言われる誉め言葉だと」
「言われなくなったから、価値を下げようとしているのではないですか」
「ああ…おそらく、そういうことだろうな」
一応、きょうだいには伯母に当たるのだが、アリルを奪おうとした前科もあるため、さらに関わりたくないと思うこととなった。
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