私のバラ色ではない人生

野村にれ

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「母上~!いとこの子どもでしょう?」「しっかりしてくださいよ」
「違うのよ、ソアリス王妃陛下が妊娠されたの!」
「…は?」「はああ?」

 ルークはデリックのように停止してしまい、リックはアイリーンと同じで大声を出し、その声でルークが我を取り戻していた。

「女性に失礼ですが、40を超えてますよね?」
「超えてます、43歳です」
「43…」

 理解をしようとルークは、また停止してしまっている。

「私たちに0歳のいとこが出来るということですね…私ですら連れていたら、父かおじですよね?」
「そ、そうね…きょうだいたちも0歳の弟か、妹よ?」
「カイルス殿下でギリギリですかね?それでも、年が離れていますものね」

 カイルスとミフルでも6歳差で、今回は10歳差になる。

「ええ、でもカイルスは年が離れていて良かったかもしれないわ」
「そうですね…生まれたら会いたいです」
「ええ、是非行きましょうね。ルークは結婚式が終わったら、二人で会いに行ったら?その頃には生まれているでしょう」
「………はい、そうします」

 半年後にルークは結婚式を控えており、両親も参加してくれることになっているが、大丈夫だろうかと思った。

 そして、クロンデール王国に着いたアイリーン。突撃するのは弟でも、両親でもなく、義妹である。

「アイリーン様、わざわざ申し訳ありません」

 いつも通り、立ち上がって寄って来るが、待って座ってと慌てることになった。カーテシーをしなくなっただけマシである。

「もう驚いたわよ、久し振りに大きな声を出したわ」
「驚かせて、申し訳ございません。アイリーン様がいらしたら話そうと、お義母様と話していたのです」

 母はわざわざ知らせることはないとしたのだろう。万が一のことも考えて、洩れないように最低限だった。

「それはいいのよ。でも、ここ一番の驚きだったわ」
「私なんて、いよいよ耳が遠くなったのかと思って、医師に向かって、耳に手を当てましたよ」
「それ、マリエンヌ様が陛下に同じことを言ったと言っていたわ」
「まあ!王家からもエクシアーヌに便乗して、色々と送って頂きましたのよ」
「もう!?」
「ええ、もうです」

 アイリーンが来る前に既に、マリエンヌ王妃から贈り物が届いた。エクシアーヌが大変な時に大変申し訳ありませんと、返事を送っている。

「体調は大丈夫なのね?」
「ええ、おかげさまで」
「いつ気付いたの?」
「それが…4ヶ月に入った頃に」
「え?」
「生理は終わったものだと思っておりまして…」

 まだ早いかもしれないが、私が同じ年だったとしても思ったかもしれないと、アイリーンは思った。

「そういうことだったのね。っあ、最初に言わなきゃいけなかったのに、おめでとうございます。無茶しては絶対ダメよ」
「ありがとうございます。お義母様にも強く言われています」
「でしょうね。私なんて息子たちにいとこが生まれると話しても、ボケているのではないかという扱いされたのよ?酷いでしょう?」
「ふふふ、それは災難でしたね」
「夫とルークなんて停止してしまったし」
「それは陛下もロラン様もそのような感じでしたよ?」
「まあ…やっぱり男は駄目ね」

 二人は笑い合い、アイリーンはソアリスの変わらない様子に、ようやくホッとした。ソアリスと別れ歩いていると、前方にアンセムを視界に捉えると、どんどん険しい顔になり、側に来ると強く睨み付けた。

「姉上?」
「アンセム、姉からの最後の命です。馬車馬のように働きなさい!」
「え?」
「何?文句があるの?産むのはソアリスなのよ?」
「いえ、ソアリスにも全く同じことを言われたものですから…」
「ざまあみろ」

 経産婦に冷たくされてしまうのも無理はない。アイリーンは両親の元へ向かうと、良いところに来たと言わんばかりに、テラーに手伝わされることになる。

 そして、ララシャの住むピデム王国にも懐妊の情報が入ることになった。
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