230 / 818
似たもの母娘4
しおりを挟む
「いくら好きな相手でも、余程の特殊性癖を持っていない限りは、喜ぶとは思えないでしょう?それなのにあなたは贈ったのでしょう?」
「特殊性癖…」
「冷静になれなかったの?」
「…」
「ファシリア、きちんと話しなさい!」
バート伯爵は、今度はファシリア怒鳴り付けた。
「本に…書いてあったのです。おそらく大叔母の持っていた物だと思います」
「叶うなんて、どうして思えたの?」
「あの時は…そう思って」
「あなただったら、どう?そんなもの貰って嬉しい?私だったら、なぜこんな物を贈ったのかと、詳しい説明を求めて、飽きるまで特殊変態令クソと呼び、特殊性癖に合わせて、心が完全に折れるまで行うわ」
侍女と護衛たちは、『令クソ』にさすがですと思いながら、絶対にしつこく行うだろうと想像が出来た。
「申し訳、ございませんでした」
「その後もアプダード侯爵をじっとりと見ていた、いえ、今もそうよね?」
「っな」
驚きの声を上げたのは、バート伯爵である。不貞ではないが、それよりも自身の妻が、そのような失礼なことをしていたことの方が、問題であった。
「兄は気付くと、近くにいることがあり、気色が悪いと言っております」
「それはそうでしょうよ、気色の悪い贈り物をして来る令嬢が見つめていたり、近付いてきたら、恐怖でしかないわよ。まさかそれが狙いだったわけではないでしょう?嫌われたいのなら、成功しているわよ」
ファシリアは再び下を向いて、答えることは出来なかった。
「レヴィアもサイート様が結婚しても、辺境に押し掛けて、会うことは出来なかったそうだけど、それで幽閉が決まったそうよ」
レヴィアは泥棒猫、私が妻だと大騒ぎをして、領地に幽閉された。
それでも逃げ出そうとして、三階から落ちて怪我を負い、その怪我が元で幽閉された一年半後に亡くなった。
皆、可哀想という気持ちよりも、自業自得だと思ったそうだ。
「繋がりがあったわけでもないのに、何なのかしらね?それで、今度はご令嬢がスチュアートに、勘違いを起こして…もう血筋としか思えないじゃない?」
バート伯爵家以外は、全くだと言わんばかりに頷いた。
「私は、母やその、レヴィアのようなことはしていません」
「スチュアートが話しても、都合良く解釈していたじゃない?気色の悪い贈り物をしていないだけで、他は変わりないわ、似たもの母娘よ」
「違います、私は母とは違います」
ファシリアもメオリールの言葉に、目を逸らすしかなかった。
「あなた、侯爵家と公爵家以外の令嬢に、スチュアートに近付かないように、牽制しているでしょう?」
その言葉に、何も知らなかったポーリアとスチュアートは驚いた。これはミフルから聞いたことで、ソアリスも聞かされても、不愉快な思いをするだけだから、言わなくていいなら言わないままでいいと思っていた。
「ちゃんと爵位は分かっているじゃない、なのにスチュアートになぜ話し掛けるのかしらね?好きだから?そんなこと、マナーを破っていい理由にならないわ。何様?伯爵令嬢様かしら?スチュアートは、侯爵家の嫡男よ?」
「も、申し訳ございません」
謝ったのは、もうしおしおになったバート伯爵であった。
「バート伯爵夫人と同じなのよ、アプダード侯爵にララシャ・ロアンスラーの名前を使って、近寄る令嬢を牽制していたでしょう?」
「まさか…」
「事実よ、だから王太子殿下の婚約者である、ララシャ・ロアンスラーと仲良くしていたんでしょう?我慢して一緒にいたように見えたもの。でも私に代わって、ガッカリしたでしょう?」
「っ」
ファシリアは一方的に話すローティーと違って、ソアリスとまともに話したことはない。だが、ロアンスラー公爵邸に出入りはしていた。
「特殊性癖…」
「冷静になれなかったの?」
「…」
「ファシリア、きちんと話しなさい!」
バート伯爵は、今度はファシリア怒鳴り付けた。
「本に…書いてあったのです。おそらく大叔母の持っていた物だと思います」
「叶うなんて、どうして思えたの?」
「あの時は…そう思って」
「あなただったら、どう?そんなもの貰って嬉しい?私だったら、なぜこんな物を贈ったのかと、詳しい説明を求めて、飽きるまで特殊変態令クソと呼び、特殊性癖に合わせて、心が完全に折れるまで行うわ」
侍女と護衛たちは、『令クソ』にさすがですと思いながら、絶対にしつこく行うだろうと想像が出来た。
「申し訳、ございませんでした」
「その後もアプダード侯爵をじっとりと見ていた、いえ、今もそうよね?」
「っな」
驚きの声を上げたのは、バート伯爵である。不貞ではないが、それよりも自身の妻が、そのような失礼なことをしていたことの方が、問題であった。
「兄は気付くと、近くにいることがあり、気色が悪いと言っております」
「それはそうでしょうよ、気色の悪い贈り物をして来る令嬢が見つめていたり、近付いてきたら、恐怖でしかないわよ。まさかそれが狙いだったわけではないでしょう?嫌われたいのなら、成功しているわよ」
ファシリアは再び下を向いて、答えることは出来なかった。
「レヴィアもサイート様が結婚しても、辺境に押し掛けて、会うことは出来なかったそうだけど、それで幽閉が決まったそうよ」
レヴィアは泥棒猫、私が妻だと大騒ぎをして、領地に幽閉された。
それでも逃げ出そうとして、三階から落ちて怪我を負い、その怪我が元で幽閉された一年半後に亡くなった。
皆、可哀想という気持ちよりも、自業自得だと思ったそうだ。
「繋がりがあったわけでもないのに、何なのかしらね?それで、今度はご令嬢がスチュアートに、勘違いを起こして…もう血筋としか思えないじゃない?」
バート伯爵家以外は、全くだと言わんばかりに頷いた。
「私は、母やその、レヴィアのようなことはしていません」
「スチュアートが話しても、都合良く解釈していたじゃない?気色の悪い贈り物をしていないだけで、他は変わりないわ、似たもの母娘よ」
「違います、私は母とは違います」
ファシリアもメオリールの言葉に、目を逸らすしかなかった。
「あなた、侯爵家と公爵家以外の令嬢に、スチュアートに近付かないように、牽制しているでしょう?」
その言葉に、何も知らなかったポーリアとスチュアートは驚いた。これはミフルから聞いたことで、ソアリスも聞かされても、不愉快な思いをするだけだから、言わなくていいなら言わないままでいいと思っていた。
「ちゃんと爵位は分かっているじゃない、なのにスチュアートになぜ話し掛けるのかしらね?好きだから?そんなこと、マナーを破っていい理由にならないわ。何様?伯爵令嬢様かしら?スチュアートは、侯爵家の嫡男よ?」
「も、申し訳ございません」
謝ったのは、もうしおしおになったバート伯爵であった。
「バート伯爵夫人と同じなのよ、アプダード侯爵にララシャ・ロアンスラーの名前を使って、近寄る令嬢を牽制していたでしょう?」
「まさか…」
「事実よ、だから王太子殿下の婚約者である、ララシャ・ロアンスラーと仲良くしていたんでしょう?我慢して一緒にいたように見えたもの。でも私に代わって、ガッカリしたでしょう?」
「っ」
ファシリアは一方的に話すローティーと違って、ソアリスとまともに話したことはない。だが、ロアンスラー公爵邸に出入りはしていた。
4,869
あなたにおすすめの小説
「10歳の頃の想いなど熱病と同じ」と婚約者は言いました──さようなら【完結保証】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王太子フリードリヒの婚約者として、幼い頃から王妃教育を受けてきたアメリア・エレファウント公爵令嬢。
誰もが羨む未来を約束された彼女の世界は、ある日突然1人の少女の登場によって揺らぎ始める。
無邪気な笑顔で距離を(意図的に)間違える編入生ベルティーユは、男爵の庶子で平民出身。
ベルティーユに出会ってから、悪い方へ変わっていくフリードリヒ。
「ベルが可哀想だろ」「たかがダンスくらい」と話が通じない。
アメリアの積み上げてきた7年の努力と誇りが崩れていく。
そしてフリードリヒを見限り、婚約解消を口にするが話は進まず、学園の卒業パーティーで断罪されてしまう……?!
⚠️ 本作は AI の生成した文章を一部に使っています
揺れぬ王と、その隣で均衡を保つ妃
ふわふわ
恋愛
婚約破棄の断罪の場で、すべては始まった。
王太子は感情に流され、公爵令嬢との婚約を解消する。
だが、その決断は王家と貴族社会の均衡を揺るがし、国そのものを危うくする一手だった。
――それでも彼女は、声を荒らげない。
問いただすのはただ一つ。
「そのご婚約は、国家にとって正当なものですか?」
制度、資格、責任。
恋ではなく“国家の構造”を示した瞬間、王太子は初めて己の立場を知る。
やがて選ばれるのは、感情ではなく均衡。
衝動の王子は、嵐を起こさぬ王へと変わっていく。
そして彼の隣には、常に彼女が立つ。
派手な革命も、劇的な勝利もない。
あるのは、小さな揺れを整え続ける日々。
遠雷を読み、火種を消し、疑念に居場所を与え、
声なき拍手を聞き取る。
これは――
嵐を起こさなかった王と、
その隣で国家の均衡を保ち続けた妃の物語。
婚約破棄ですか? うーん、普通こうなりますよね?
ぼん@ぼおやっじ
恋愛
とある王国の暫定王太子、アングは自身の通う王立アカデミー高等科の殺業記念式典で高らかに吠えた。
「クラウディア・グランナよ、そなたとの婚約を破棄する。
そなたは王国の王妃としてふさわしくない!
私はアイリス・アンタン男爵令嬢と真実の愛に目覚めたのだ」
証拠を突き付け、クラウデイァを断罪しようとするアングだったが、どうも微妙にうまく事が運ばない。
果たして彼は、無事目的を達成することができるだろうか!
というお話です。
あまり深く考えてないふわっとした作品なので、そういうものと思ってお楽しみください。
この手の話はほんと気楽に書けるから楽しい。
当店では真実の愛は取り扱っておりません
鍛高譚
恋愛
「平民だから、言うことを聞くと思った?」
「……ふざけるのも大概にしてください。平民なめんな。」
公爵家令嬢ココア・ブレンディは、突然の婚約破棄を告げられる。
理由は“真実の愛”に目覚めたから──?
しかもそのお相手は、有力商会の娘、クレオ・パステル。
……って、えっ? 聞いてませんけど!? 会ったことすらないんですが!?
資産目当ての“真実の愛”を押しつけられた商人令嬢クレオは、
見事な啖呵で公爵家の目論見を一刀両断!
「商人の本気、見せてあげます。取引先ごと、手を引いていただきますね」
そして、婚約を一方的に破棄されたココアは、クレオとまさかのタッグを組む!
「ココア様、まずはお友達からよろしくなのです」
「ええ。ではまず、資本提携から始めましょうか」
名門貴族と平民商人――立場を超えて最強の令嬢コンビが誕生!
没落寸前のブラック公爵家を、“商売と優雅さ”でじわじわ追い詰める痛快ざまぁ劇!
――平民を侮る者には、優雅で冷酷な報いを。
“真実の愛”では買えない未来が、ここにある。
君は妾の子だから、次男がちょうどいい〜long version
月山 歩
恋愛
侯爵家のマリアは婚約中だが、彼は王都に住み、彼女は片田舎で遠いため会ったことはなかった。でもある時、マリアは妾の子であると知られる。そんな娘は大事な子息とは結婚させられないと、病気療養中の次男との婚約に一方的に変えさせられる。そして次の日には、迎えの馬車がやって来た。
*こちらは元の小説の途中に、エピソードを追加したものです。
文字数が倍になっています。
玉の輿を狙う妹から「邪魔しないで!」と言われているので学業に没頭していたら、王子から求婚されました
歌龍吟伶
恋愛
王立学園四年生のリーリャには、一学年下の妹アーシャがいる。
昔から王子様との結婚を夢見ていたアーシャは自分磨きに余念がない可愛いらしい娘で、六年生である第一王子リュカリウスを狙っているらしい。
入学当時から、「私が王子と結婚するんだからね!お姉ちゃんは邪魔しないで!」と言われていたリーリャは学業に専念していた。
その甲斐あってか学年首位となったある日。
「君のことが好きだから」…まさかの告白!
王子、おひとり様で残りの人生をお楽しみください!
ちゃっぴー
恋愛
「ラーニャ、貴様との婚約を破棄する!」
卒業パーティーの真っ最中、ナルシストな第一王子ウィルフレッドに身に覚えのない罪で断罪された公爵令嬢ラーニャ。しかし、彼女はショックを受けるどころか、優雅に微笑んで拍手を送った。
なぜなら、ラーニャはとっくに王子の無能さに愛想を尽かし、この日のために完璧な「撤退準備」を進めていたからだ。
こうして私は悪魔の誘惑に手を伸ばした
綴つづか
恋愛
何もかも病弱な妹に奪われる。両親の愛も、私がもらった宝物もーー婚約者ですらも。
伯爵家の嫡女であるルリアナは、婚約者の侯爵家次男ゼファーから婚約破棄を告げられる。病弱で天使のような妹のカリスタを抱き寄せながら、真実の愛を貫きたいというのだ。
ルリアナは、それを粛々と受け入れるほかなかった。
ゼファーとカリスタは、侯爵家より譲り受けた子爵領へと移り住み、幸せに暮らしていたらしいのだが。2年後、『病弱』な妹は、出産の際に命を落とす。
……その訃報にルリアナはひっそりと笑みを溢した。
妹に奪われてきた姉が巻き込まれた企みのお話。
他サイトにも掲載しています。※ジャンルに悩んで恋愛にしていますが、主人公に恋愛要素はありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる