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仁義なき対決16
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傷付いていると口にするくらいなら、食べるなとまでは言わないが、少しくらい痩せるだろうとサイラスは思っていた。
「じゃあ、もういい。ロアンスラー公爵家からお前の籍を抜くか?」
「は?」
「自由にしたらいい、平民になってもいい。どこかの貴族に養子にして貰えるならして貰えばいい。夜会だって行けばいい、再婚だって勝手にすればいい。ただし、ロアンスラー公爵家は一切、今後関わりを持つことはない」
何のメリットもなく、いやデメリットしかない中年の女性を養子にするなど、特別な理由がない限り、まずあることではない。
「っな!お父様が許さないわ」
「許可するよ、公爵はサイラスだ」
キリスもララシャの目に余る態度に、ハッキリと言い切った。マルシャも横で苦々しい顔をしながら、頷いている。
「っ!嘘でしょう…」
「お前には認めてくれる者がいるんだろう?その方にでも養子にして貰ったらいいじゃないか」
「…あ、あっ、あのオードエル公爵」
ララシャは縋るような目でまたもオードエル公爵を見たが、オードエル公爵は変わらず、見ようともしなかった。
「オードエル公爵に養子にして貰おうなどと考えているのか?冗談もいい加減にしろ!気色が悪いな」
「ち、違うわ」
「だったら何だ?再婚してくれとでも言うのか?友人の夫だった方に?」
「でも、私だったら…」
ララシャは申し訳そうな顔を作りながらも、見もしないオードエル公爵に、諦めもせずに視線を送った。
「お断りします」
「っ」
「断られたぞ!そもそも、お前のせいで、離縁したようなものなのに、再婚する訳がないだろうが!」
「ロアンスラー公爵、元妻のせいでもありますから、お互い様です」
「申し訳ございません、このような空気の悪い場に」
「ど、ど、どういうこと…?」
ララシャは離縁に、自分が関わっているとは思ってもいなかった。
「元々、おかしいところがある妻ではありましたが、決定的になったのは今回の件です。先程、娘が言った下の娘が言い寄ったことを咎めなかった頃から、いつかこうなると思っておりましたので、清々しております」
「別居は、領地にいるからだと…」
「ええ、別居する際に、丁度良かったものですから」
ファーリンもいずれ迎えに来てくれると思っていたが、今回の件でいい訳はもういい、離縁すると、後はデラウェース伯爵が任せることになった。
「出ていくか?手続きはしておくから、心配は要らない」
「お兄様、そんなことしたら後悔するわ」
「いや、しないが?」
「私だって、王太子様の婚約者にならなかったら、縁談だってあったはずよ」
皆、今更何を言い出すのかと、呆れるしかなかった。
「私は、お前は婚約者が見付からなかったと思うが?」
「そんなはずないじゃない!婚約者が見付からなかったのは、ソアリスでしょう!」
「違うわ!」
声を上げたのは、マルシャであった。
「何よ、お母様…」
「王家から念のために頼まれていたのよ、ララシャが結婚するまでは、ソアリス、いえ、王妃陛下の婚約は待って欲しいと」
ソアリスも薄々そうではないかと思っており、嫁いだ後で、国王夫妻からも、前国王夫妻からも聞かされている。
「私の身代わりみたいなものでしょう!」
「王妃陛下には縁談は…実は、沢山あったのよ。敢えて、言わなかったの、ごめんなさい…」
当時のマルシャは、ソアリスが調子に乗ったら困るからという理由で言わなかったので、言い辛そうにしている。
「別に構いませんわ」
「ソアリスに?どうせ碌な相手ではないでしょう!そんなの縁談とは呼べないわ」
「いいえ、他国の王家も、公爵家も、侯爵家もあったわ」
「はあ?王妃になったからって、嘘を言わないでっ!」
ララシャは当時のソアリスより劣っていたと思われることが、許せなかった。
「じゃあ、もういい。ロアンスラー公爵家からお前の籍を抜くか?」
「は?」
「自由にしたらいい、平民になってもいい。どこかの貴族に養子にして貰えるならして貰えばいい。夜会だって行けばいい、再婚だって勝手にすればいい。ただし、ロアンスラー公爵家は一切、今後関わりを持つことはない」
何のメリットもなく、いやデメリットしかない中年の女性を養子にするなど、特別な理由がない限り、まずあることではない。
「っな!お父様が許さないわ」
「許可するよ、公爵はサイラスだ」
キリスもララシャの目に余る態度に、ハッキリと言い切った。マルシャも横で苦々しい顔をしながら、頷いている。
「っ!嘘でしょう…」
「お前には認めてくれる者がいるんだろう?その方にでも養子にして貰ったらいいじゃないか」
「…あ、あっ、あのオードエル公爵」
ララシャは縋るような目でまたもオードエル公爵を見たが、オードエル公爵は変わらず、見ようともしなかった。
「オードエル公爵に養子にして貰おうなどと考えているのか?冗談もいい加減にしろ!気色が悪いな」
「ち、違うわ」
「だったら何だ?再婚してくれとでも言うのか?友人の夫だった方に?」
「でも、私だったら…」
ララシャは申し訳そうな顔を作りながらも、見もしないオードエル公爵に、諦めもせずに視線を送った。
「お断りします」
「っ」
「断られたぞ!そもそも、お前のせいで、離縁したようなものなのに、再婚する訳がないだろうが!」
「ロアンスラー公爵、元妻のせいでもありますから、お互い様です」
「申し訳ございません、このような空気の悪い場に」
「ど、ど、どういうこと…?」
ララシャは離縁に、自分が関わっているとは思ってもいなかった。
「元々、おかしいところがある妻ではありましたが、決定的になったのは今回の件です。先程、娘が言った下の娘が言い寄ったことを咎めなかった頃から、いつかこうなると思っておりましたので、清々しております」
「別居は、領地にいるからだと…」
「ええ、別居する際に、丁度良かったものですから」
ファーリンもいずれ迎えに来てくれると思っていたが、今回の件でいい訳はもういい、離縁すると、後はデラウェース伯爵が任せることになった。
「出ていくか?手続きはしておくから、心配は要らない」
「お兄様、そんなことしたら後悔するわ」
「いや、しないが?」
「私だって、王太子様の婚約者にならなかったら、縁談だってあったはずよ」
皆、今更何を言い出すのかと、呆れるしかなかった。
「私は、お前は婚約者が見付からなかったと思うが?」
「そんなはずないじゃない!婚約者が見付からなかったのは、ソアリスでしょう!」
「違うわ!」
声を上げたのは、マルシャであった。
「何よ、お母様…」
「王家から念のために頼まれていたのよ、ララシャが結婚するまでは、ソアリス、いえ、王妃陛下の婚約は待って欲しいと」
ソアリスも薄々そうではないかと思っており、嫁いだ後で、国王夫妻からも、前国王夫妻からも聞かされている。
「私の身代わりみたいなものでしょう!」
「王妃陛下には縁談は…実は、沢山あったのよ。敢えて、言わなかったの、ごめんなさい…」
当時のマルシャは、ソアリスが調子に乗ったら困るからという理由で言わなかったので、言い辛そうにしている。
「別に構いませんわ」
「ソアリスに?どうせ碌な相手ではないでしょう!そんなの縁談とは呼べないわ」
「いいえ、他国の王家も、公爵家も、侯爵家もあったわ」
「はあ?王妃になったからって、嘘を言わないでっ!」
ララシャは当時のソアリスより劣っていたと思われることが、許せなかった。
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